Monday 28 October 2013

シュヴェリーン釣行記 3 Angelreise in Schwerin III






ーボート編


一般において言えることは、西に比べて旧東ドイツ地域には自然が残っているということ。

戦後の急速な高度経済成長の波に影響されなかったことで、手付かずの自然環境が維持された

わけですが、部分的に見てみると違った流れもあるようです。例えばこの湖、水質保全や下水処理

の設備が遅れたため、旧東時代は工業、家庭排水が垂れ流し状態でずいぶんと濁っていたらしい。

その為、今生息しているパーチやパイクではなく、ザンダーの数が多かったそう。 再統一後、

下水処理も進み、一気にザンダーの数が減少。残念ーとか言ってはいけないです。

そんなことも、この湖について調べている時に知ったわけですが、集めた情報の殆どがボートからの

釣りメインでした。何しろ大きさもあるし、前回に書いたようにおかっぱりの場所を探すのが困難な

状況ですから。

カヌーやカヤックを含めたレジャー用のボート貸出し施設が数ヶ所あるようで、釣り専門のボートを

貸し出している所も。その殆どが免許が必要な大きめのボートで、船長さん兼ガイドと共に魚探で

魚(パイクの縄張り)を湖全体探し回るという感じ。

ま、そんなものは私たちには到底手の届かないお値段だったりするから、初めからボートは諦めていたんです。


3日目の午後、昼食を食べて一休みしたらまたカナルへ出かけようとしていたそんな時、たまたま

管理人のおじさん登場。

”おお、釣りをしてるのか、それなら今日は天気もいいし、ボートにでも乗ってみれば?”


予感はしていたんですが、

貸していただいたボートはこちら。



フラワーパワーって書いてある。。

しかも、まさかの足漕ぎ!

釣り仕様に、変身するわけもなく…

でも、意外と早いのですね、足漕ぎボート。見る見るうちに大海へ漕ぎ出せる。

岸辺からは到底辿り着けなかったこんなところを隈なく回れる。




こういう所を丁寧に探っていけば、パイクにお目に掛かれたこと間違いなし。

実際に小さめのパイクが掛かるも、時間的に粘るより出来る限りいろいろな所を見て回りたかった

ので、 先を急ぐ。

足漕ぎ、足漕ぎ…

でも、ぐるぐる当てもなく回っているうちに、こんなだだっ広いところでどうやって魚探すのよ?と

思い始めたりもして、不安になるも、こういう時、実際にもう水の上とか後戻りできないという状況に

陥ると、インスピレーションが沸き起こるんですよね。ーだから現場が大事なんだって。

島に沿って停泊させて、島の先端に向けて投げる。

むかーし、父に無理やり舟釣に連れていかれた記憶が蘇ったのかどうかは分からない。

でも当たった!

3連続!

そうなると、エンジンが掛かって、勘でどんどん進めてしまおう。



こんなちょっとした浅瀬&自然に水路っぽくなっているところもおもしろかった。

最終日にて、リリース前提で釣りをしていたので、魚の写真がないのですが、これ程いろいろな

サイズのパーチが共に生息しているのを見たのも初めてでした。この辺の小さな湖では、5cmごとに

ジェネレーション差があって、その間の大きさは殆ど見られないのです。


そろそろ、夕暮れという時。

お、あんな所でボイル、と思っていると、360°見渡す限りあちらこちらというより、湖全体がボコボコ

沸き出した。 もう見惚れるばかりでしたね。



そして、少ーしずつ、また静けさを取り戻していく湖。

もう帰りたくないーーー。




ー餌釣り編

するつもりはまったく計画していなかったのですが、釣具屋へ行ったときに、

”ミミズ、買っておいたら?ほら、万が一釣れないなんて時にね。”

と、鋭いご意見を頂いて、持ってきた7竿のうち2竿を急遽餌釣り用に即席で仕掛けを作って、

朝と夜に庭でのんびりと餌釣りもしてみました。


ご存知の方も多いと思いますが、餌釣りに掛かるのは小さめですね。

子供パイクに小さめのパーチが何匹か釣れたくらいでした。鰻もよく揚がっているので少し期待

していたんですが。。






ーアカ編

犬を飼っている人や飼ったことがある人ならお分かりだと思いますが、犬は普段と違った地形に

遭遇すると、テンションが上がります。


この急勾配が堪らなく好き。

ボールを一番下まで投げると、モモンガの如く飛ぶようにすごい勢いで駆け降る。


でも、登りはきついね。こんなに息を切らせたアカは初めて。



かと思えば、餌釣りをしている時、夢中に水の中で穴掘りをするアカ。



そして潜ってはゴホゴホっとなっているアカ。犬って潜るの?



帰りの車中、渋滞に巻き込まれたにも関わらず、爆睡するアカ。

楽しかったね。また来ようね。(←勝手に決めた)









Wednesday 23 October 2013

シュヴェリーン釣行記 2 Angelreise in Schwerin II






ーカナル編


お早うございます。朝の7時頃。曇り。

遠足の時だけ早起きが出来るタイプです。

まずは釣りの許可証を買いに街まで。今回、観光は一切しなかったのですが、車で湖全体を

ぐるっと見て回ったとき、街のシンボルのシュヴェリーン城がちらっと見えました。

湖に浮かぶそれはそれはきらきらとした大きなお城でしたよ。次回にまた!

許可証はこちらの釣具屋で買えます。→Angel & Fun Inh. Susanne Koriller

とても親切なご夫婦?で、初めて来たと言うと、ポイントや時期的な釣果例など、事細かに説明して

くれました。値段は一日10ユーロ。高いと思ったけど、湖全域分(北部の一部を除く)なので

面積的に考えれば安いのかも。


事前にこれだけは、と手に入れた湖の水深地図を手元に、陸っぱりでも釣りが出来そうなところを探す。 


でも、行ってみたら、湖に沿ってびっしりと並んだ水上に浮かぶ別荘だったり、



こちらはヨットハーバー。会員以外立入禁止の看板。車での通り抜けすら出来ない。
(クッソー!その桟敷から釣りができるじゃないかー!)



国道脇の自転車道から湖まで辿り着くには難しかったり。



やっと見つけた湖への入り口。こういう所がポツポツと点在してたけれど、ルアー釣りで色々

回りたいなら、ポイント移動が面倒くさそう。街に近づけば近づくほど、管理された施設や個人の

別荘地になっているところが多く、難しさが増す感じ。 また、浅瀬の所も多く、折角湖に到達しても

アシが生い茂っていたり。。 2時間ほどで、ざっと回っただけなのですが、こんな印象でした。


次に観察したいのは、カナルと呼ばれる湖と湖を繋ぐ水路。

このシュヴェリーン湖の回りには数多くの湖が隣接しており、それらを人工で繋いだ水路が大小

様々な形で存在。舟通る所、魚も通る。



で、釣具屋さんもお勧めのカナル。



パーチの大群。画像が悪く、分かり辛いけど、小さいのにきちんと縞々模様がある。

他の魚の大群も行き来し、まさに魚のアウトバーン。



これもちょっと分かり辛いが、大きめのパーチが底の方で待ち伏せしている様子。

小魚は大群になり、みんなで通れば怖くない状態で水路脇ギリギリを足早に通りすぎようとする。

そこに、下の方から大きめのパーチの集団が現れ、大群を散らして5匹程度になったところを襲撃ー

という光景が何度も繰り広げられていました。

ここで釣りなんか出来るのか?

濁りも殆どないので、全部丸見えなんじゃないか?

そんな疑問がまず浮かびました。




いやぁ、難しかった。

普段は魚のいない少ないところで魚を探す釣りをしている私。目の前で狩りに励む魚にどうやって

アピールしていいんだか、手探り状態。ルアーを2度も投げれば飽きられてしまうのが、見て分かる

のだから。。それに自然色以外は全然反応示さず、スピナー類もダメ。

持ってるルアーを総動員させて励みましたよ。 おぉーこのルアーってこんな動きも出きるのか?と

今まで何の緊張感もなく、使っていたのがバレバレな感動が呼び起こったり。




そんな中で一番成績が良かったのが、日本人アングラーさんに頂いたサムルアーズ。

写真には写ってないけれど、2種類(サミング、コトカス)ともに釣果上々!

ドイツで売っているルアーって、なぜかラトル音アリのものが多く、私たちが持っているのもそのタイプ

が多い。このサイレント効果も大きな差をつけたのでしょうか?

とにかく、何度投げてもおもしろいように付いてきてくれる。

徐々に数を増やしながらルアーに興味を示し始めて、沿岸に近づいた時に魚同士が体当たりして

喧嘩し始める。 ある時はもうルアーなんかそっちのけで。

で、誰が一番素早いか? そう、小さ目の奴なんですよね。この環境で大きい魚だけを狙うという

テクもあるんでしょうね。また釣りの奥深さを知ったのでありました。



でも、大きいのも釣れた。



これはカナルの先端。結局2日目の午後と3日目の午前を2つのカナルで過ごし、この先端を

見つけた3日目。日の入り時にはパイクが陣取ってそうな予感がしたので、夕刻にまた来ようと

思ったのですが、次なる展開が。。



続く





 

Saturday 19 October 2013

シュヴェリーン釣行記 1 Angelreise in Schwerin I






先月の末に初めての釣り遠征に出掛けてきました。

場所はシュヴェリーン(Schwerin)という、メクレンブルクフォアポメン州の州都。

ハンブルクから東に100km程の湖に囲まれた都で、その中でも最大の湖がシュヴェリーン湖。
(Schweriner See)

総面積61,54 km²、最大水深52,4 m、という私たちからすれば、もう海、大海規模です。


急に計画が持ち上がったので、下準備もそこそこに出発。

車に揺られて3時間ほどでシュヴェリーン方向の道に入る。私にとっては初めての街で、何の感慨も

なく風景を楽しんでいたのだけれど、ドイツ人の相棒にとっては二十数年ぶりの再訪。

シュヴェリーンは戦後東西に分断された東側、旧東ドイツ圏になります。

まだ壁があった頃から、ここの釣り協会はシュヴェリーン近郊の村と釣りを通して交流していたそう。

草の根運動がそんな形でも行われていたんですね。

当時小さな子供だった彼にとっては、単なる夏休みの旅行ではなく、今でも忘れられない風景が

強く記憶に残っていたそうなんですが、アウトバーンを降りて愕然としていました。

まぁ、20年も経てばどこの街も変化はあるのでしょうが、この変わり様。

至る所に建てられた広告看板、大型チェーン店が国道脇に陣取り、もちろん街灯も並んでいる。

当時は道路脇には一切何もなく、ただただタバコ畑が広がっていたそうです。



ハンブルク方面からの高速出口を降りて直ぐのインビス、軽食屋。その名は、早起きさんの店。
まさか3ユーロで人間が切った野菜の入ったスープが出てくるとは思わなかった。。高速のマクドナルドを我慢した甲斐がありました。



急に、というのはご近所に住む方から、別荘を貸していただけるという話が持ち上がったためで、

今の時期はすでにオフシーズン=釣りにとってはオンシーズン、二つ返事で引き受けました。

初めての遠征なので、真面目に釣りの許可書の申請について、値段や買える場所を探していたん

ですが、”そんなもん、あそこでは釣りなんて近所で普通に出きるよー。”なんて言われて、

向こうではそうゆう感じなのか???と、混乱してしまったのだけど、


いやぁ、着いて納得。

別荘からの風景。




庭の100段階段を降りると湖に。プライベートビーチですな。


アカも一緒に来たよ。



居間からの眺め


贅沢だー。

大きな声では言えない、でも誰もが知っている。この物件、元々の持ち主は、あの旧東の上層部の

人達であり、ドイツ統一後に手放さなければならなくなったものを、西のお金持ちがドドっと入って

きて買い荒らしたという代物です。貸してもらっておいてそんな言い方もないのですが、事実なんで。

中にはブランデンブルグにある湖をまるごと買い取ったえげつない事をする輩も出てきたりして、

当時は統一の喜びだけじゃなく、摩擦もかなりあったようです。

それにしても、畑が気になる私は、こちらのシュレーバーガルテン(貸し農園)の多さと規模の大きさ

に驚いた。畑だけではなく、家畜小屋も備えたコンパクトな自給自足農園。残念ながら、今は多くの

部分が使われていない様子でしたが。

こちらの人が当時の様子を語ってくれたことがあり、卵一個も共同の物、国家の物、みんなで

分け合って暮らしていたという、振り返れば今や無くなってしまった共同体の良い部分での精神が

体感できたというお話で感銘したことがあるのですが、

これ、どうよ。

一般市民ががんばってた時に、こんなもん建てて優雅な生活していた奴がいたんだから。

こんなシステムが長く続く訳がないわな。



なんてことを思いながらも、気持ちは釣りに。(そんな私もエゴイスト。)



明日に備えて、庭?でウォーミングアップ。



続く。








Tuesday 15 October 2013

きのこ名人を探そう!






予定変更で、きのこネタを。

というのも、昨日森に入ってびっくり。 きのこが旬です!


緑の絨毯。苔が湿ってつやつやしている。

先週から雨がたっぷり降った北ドイツは、朝夕の気温もぐっと下がって秋深くなってきました。

ラジオからも”今週はきのこ狩りウィークですよー”という呼びかけも。

かといって、初めてのきのこ狩りって何をどう探していいのか分からないし、やはり怖い、というのが

あるのではないでしょうか?私も初めは、殆ど家に持って帰らず、眺めるだけでした。

でも、気になるんですよね。かわいい頭がぴょこぴょこ出てきているのを見かけると…


そこで、きのこの事を教えてくれる人がいればいいなぁ、と探すことに。

Pilzsachverständiger 又は Pilzberater+自分の住んでいる街の名前で検索。

近くに住んでいるきのこ名人が見つかったら、連絡を取り合い、集めたきのこを持って行けば

鑑定してもらえるそうです。値段は一定ではないかも知れませんが、私が調べた限りでは

15ユーロ程度でした。


その他、どこの森に行っていいのか分からない、一人で森に入るのは怖いなど、まずは誰かと

一緒にきのこの探し方を勉強したい場合は、

Pilzkurse, Pilzseminar  +自分の住んでいる街、お気に入りの森の名前で検索してみて下さい。

ちょっと時期的に少なくなっていますが、まだ幾つかのコースは残っていると思います。


どちらも、実際にきのこを見ながら説明を受けられるので、見分け方の重要なポイントが分かり易い。

私は自分できのこ辞典二冊を見比べながら鑑定するのですが、根気が要る割に、最後にはやっぱり

分からなくて食べるのはやめとこう、となるのがオチです。。



Krause Glucke(sparassis crispa) ハナビラタケ。

お気に入り3本の指に入るかも。針葉樹の森に生えていて、口に入れた瞬間、ふわっと針葉樹の

香りが口いっぱいに広がる。歯触りもコリコリしていて好み。


 Ziegenlippe (Boletus subtomentosus) アワタケ。


Gemeine Birkenpilz (Leccinum scabrum) イグチ属。

 Steinpilz (Boletus edulis) ヤマドリタケ、ポルチーニ。


Fliegenpilz (Amanita muscaria) ベニテングタケ。

毒キノコで有名だけど、これが生えている所に上記の3つ、イグチ属のキノコが並んでいること多し。

それに今や毒だと言われているけど、昔はシャーマン儀式に欠かせない重要なきのこだったそうで

ほら、誰かが齧った跡があるでしょ? 野性動物はお薬にしているのかも。


きのこ探しの途中、野性の白鳥の住処を見つける。



Maronen-Röhrling (Boletus badius)

というわけで、今週はきのこ探しに出かけてみませんか?

ただ、取り過ぎにはご注意を!







 

Friday 11 October 2013

犬と私の近況





北ドイツは、すっかりパチパチ君の季節になりました。


仕事が忙しくなってきて、、、というのは去年の今頃にも書いたような。

つくづくキリギリスタイプの人生を送っていて自分でも情けない。

忙しいというのとも、ちと違う。不器用なだけ。右の方に歩いていくと、どんどん歩いてしまい、

左に在る物のことを忘れる。まっすぐ歩けばいいのだが、そんなことをしたことがなく、やり方が分からない。

重症になる前に、何か軸を見つけなければと思うも、一体軸ってなんだろう?と考え込んでしまって

余計に前に進めなくなる。


軸か…

毎日最低2時間は屋外に居る。(釣り、きのこ狩り、犬の訓練と散歩)

ぐらいやわ。


でも、これ貴重です。今の自分にとって無くてはならないもの。

これを軸と言うならば、そうしておきたいが、そんなことは税務署のおじさんにはどうでもよいことで。。(最近税務署通いもしてました。)目を向ける場所が異なりすぎる対話は疲れます。



さて、時間が経ってしまったのですが、先月北東ドイツまで初めての釣り遠征に行ってきました。

ぼちぼちと書いていこうと思いますので、良かったらお付き合いを!!



最近釣りにもアカを同行させるようになりました。

思っていた以上に大人しく、問題を避けようとばかりする飼い主の考えは、犬にも反射されるのだと

つくづくアメリカのドッグトレーナー シーザー・ミランの言っていることが身に染みる。

ドイツでは、彼に対してかなり批判的な意見が多いのだけれど、私には分かりやすい部分が多い。

こちらでビデオが見られます。(ドイツ語)→ Hundeflüsterer