Monday 26 September 2016

自家製ハチミツのお味は?ー収穫編ー 






そんな訳で(前回のお話の続き)、
集めて来て欲しい花の蜜の選択など出来ないのですが、菜の花の時期が終わると、
あれよあれよといろんな色の花粉を運んできてくれる働き者たち。

週替わり、時には日替わりで、違う場所へ(方向)飛んでいく姿も観察出来ました。

今年は6月半ばと7月末の2回収穫。

そして、初めての収穫の日。
ご近所に住む、師匠Jさんのところで、作業をさせてもらえることに。





ドイツ(ヨーロッパ)の養蜂システムでは、蜂が住まいを作る巣の部分(箱)と、花の蜜をハチミツに加工し蓄えておくミツ箱とを始めから分けて育てます。

巣の部分と蜜箱の部分は、働き蜂のみ行き来出来るような仕組みになっているので、女王蜂が蜜箱に卵を生んでしまったりすることはありません。

収穫前になると、その二つの箱の間に、出ていくことは出来るけれど、入ってこれない出入り口を設置し、ハチミツを取り出す時には、ほとんどの蜂が蜜箱から姿を消している状態です。
生きた蜂も一緒に収穫、ということはありません。


さて、上の写真のように、蜜が白い蜜蝋で覆われていたら、ハチミツが完成した証。





それを特別な道具で剥がしていきます。師匠は手慣れたものですが、薄く剥がすのは結構むつかしかった。。

*剥がした蜜蝋にはハチミツがたっぷりついているので、子供のおやつになります。近所の子供たちがお皿を持ってやって来ては、口いっぱいに蜜蝋を含んで、ガムのように噛んでから蝋だけを取り出していました。これが本当においしい!!





遠心力によって、蜜を取り出す機械にかけます。




機械の全貌はこんな感じ。

余談ですが、ドイツでは販売するハチミツには様々な規定があり、屋外での作業や、不衛生な場所での作業はご法度。

この一連の収穫風景を見ていて、「う~ん、ドイツっぽい~」と、改めて思った私です。




このとろーり流れ出るハチミツを見たときは感動&味見もね。




師匠の蜂は6家族もいるので、収穫量も大量です。


私達は今年初めてだったのもあり、蜜を全部取り上げてしまうのも、なんだか気が引けたので、3分の1だけを収穫することにしました。



そして、これが攪拌したあとのハチミツ。

蜜の種類にも拠るのですが、保管しておくと砂糖の結晶が現れやすいものと、そうでないものがあるそうです。

結晶が現れそうなタイプのものは、始めから攪拌しておくと、後々固くなりにくく、このようにクリーミィなハチミツで、黒パンに塗ったりと好まれる種類のハチミツです。



さて、肝心のお味の方は、、、


第一回目は、やはり菜の花が半分位。
師匠のハチミツと比べてみると、師匠のハチミツはほぼ純正の菜の花なのに対し、うちのは黄身がかったワイルドフラワーミックスでした。

喉ごしにちょっと痒みが生じるようなタイプ。私は甘いだけのハチミツより、独特の味わいがあって好きなんですけどね。

巣箱の位置は数百メートルしか違わないのに、森の中ということもあって、こんなに差が出るのもおもしろいです。


第二回目のハチミツは、夏の野花。特に興味深かったのは、近くに野生の蕎麦がたくさん咲いていたことから、蕎麦の蜜の特徴的な味が感じられたこと。



レーベルのデザインなんかもしちゃったりして。


蜂が一生のうちに集められるハチミツの量は、わずかティースプーン一杯だけ。

大事に味わいたいものです。





そして現在、飛び回る蜂の数もぐんと減り、
冬支度への準備が始まった様子です。


あれ?巣箱増えてない?







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Friday 23 September 2016

自家製ハチミツのお味は?ー1ー 









ミツバチを飼い始めて日常に変化が現れたことは、
自分の住んでいる環境に敏感になったことでしょうか。

上の写真のように、ミツバチが花粉をいっぱい足につけて帰ってくると、
「これ、何の花粉なんだろう?」と、気になるのは当たり前のこと。

インターネットで探せる”この時期に咲いている花の花粉の色リスト”と睨めっこして、この花はどこに咲いているんだろうと、自宅から2km範囲を隈なく探します。




すると、今まで気づかなかったところに、こんな広大なお花畑が広がっていたりする。

この辺りは、ビオ農家が多いようで、休耕させている畑には野草が植えられているみたい。

そして、今まで”黄色い花は菜の花”程度の興味しかなかったこの人も、



今や花に夢中(笑)。



もちろん、犬も付き合わされる。





ミツバチを貰うことになってから、家の回りに花をたくさん植えなくては!と、ミツバチが好きな花の種を買い揃えたりしていたんだけれど、植えようと思っていた花が近くにぎっしりと見つかるとはね。

どこかのどなたかが、きちんと考えて植えて下さったことに感謝!







そして、花畑を見つけては、自分ちのハチを探す私達。

絶対これ、うちの蜂だよーとか、何の根拠もない判断で、お花畑でわいわい喜ぶ大人二人。

でも、ホント楽しいです。



それが楽しくなったのは、5月くらいでしょうか。菜の花のシーズンが終わってからです。

蜂は群れで生き延びるための全てのノウハウを備えている生物ですが、畑のような人工で作られたモノカルチャー(単一農業)の強力な魅力には到底勝てないようで、
ドイツの農業風景で有名な真黄色の絨毯、菜の花の時期には、磁石に引き付けられるかのように飛んで行ってしまいます。

もちろん、菜の花のハチミツは一般的に好まれているし、悪いことではないのですが、
ここで農薬の問題が出てきます。

まだ(ここでは”まだ”と言っておきます。ドイツの大手薬剤メーカーがアメリカの悪名高い農薬会社を買い取ろうとしているので。)殺虫剤の規制があるドイツでは、安心だと言われていますが、それでも多くの研究者から蜂に影響をもたらしているレポートがいくつも発表されています。


蜂を実際飼っていると、様子がおかしい、この時期に死んでしまう蜂の量が異常、卵の成長が悪いなど、小さな変化も見て取れるんです。

いくら何パーセントの確率で安全だと言われても、実際の数字ではないことは誰もが感じているはず。これからもこの現状を悪化させるつもりなのか?

そんなことをテーマにした映画がこちら。





”みつばちの大地”(More than Honey)  公式サイトはこちら*


現在の蜂の状況から、蜂の生体に関する研究レポートまで、
そして何より私達の住んでいる環境について考えさせられるドキュメンタリーです。

日本語のサブタイトルで、ー生命のつながりに起きていることー
とありますが、蜂がいなければ私達人間も生きていくことが出来ない、”つながり”をきちんと認識することを始めないといけないのだと強く感じさせる作品でした。


ハチミツのお味まで辿り着かなかったので、、
次回に、収穫風景をお届けします。

すみません、いつも話が逸れる。。。







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Tuesday 20 September 2016

保護犬DKとデートー2匹の野良犬が森を駆け巡る 










こちらは収穫時期も終盤、全て刈り取られた野原や畑がより一層寒々しく感じさせます。

そろそろ冬支度かなぁ。




さて、私が仲介のお手伝いをしていたDK君ですが、

再度のお試し週末デートとなりまして、こちら、マイとの初デートの様子です!



ビデオの途中、2:30くらいのところで、呼び戻しに反応しなかったDK君をイッチョマエに抗議するマイ。普段は自分も知らん顔するくせにね~。子供同士もそうだけど、他の子の間違いを指摘することで、自分も成長したりするのかな。




あともう一匹、歳をとった犬も連れてこられていたのですが、初めての顔合わせの時に、マイがその犬にちょっかいを出そうとすると、DK君がさっと間に入って「落ち着け!」と。

そして、マイが苦手な近所の犬に出会った時も、DK君が前に出て、「あ、俺も嫌い、あっち行け!」と二人揃って吠えてから、「俺たち、あっち行こうぜ。」と、マイを誘って道を変えた。

その間、数分ほどの出来事だったのに、マイはすっかりDKくんを信頼しきって、それからは「アニキ~」状態。


どうしても確かめておきたかったのは、マイとの相性もあったんです。散歩は毎日一緒に行くことになるだろうし、彼が留守にする時なんかも、うちが預かることになるから。


で、これを見て、わざわざ遠方から来てくれたトレーナーさんも、太鼓判を押してくれたし、私達はもちろん、引き取り手の彼も大満足。じわじわと犬と暮らす実感も沸いてきたんでしょう。

そうなると、後は面倒な書類を片付けてしまうだけ、という段階になって、
Mittelmeerkrankheitという病気(直訳すると地中海病。ドイツなどの北ヨーロッパでは観察されていない病気。詳しくは→こちら(ドイツ語))に罹っている可能性があるということが分かりました。


この病気、とても厄介で、すぐに治るものから何年も治療が必要なものまであるそうです。

DK君の場合、数回の検査で検出されなかったくらいだから、それほど重いタイプではないのですが、ここで、彼の仕事内容が問題になってきました。

彼は一人暮らしで、一日の殆どを家を開けるため、仕事に犬を同伴させることが条件でした。
その仕事が子供と接する関係の仕事で、病気が直接感染するものではないにしろ、”蚊を媒介に感染する恐れがある”為、危険性が0%ではない以上、諦めざるを得なくなったのです。


今回の仲介に携わった全員が落胆してしまったことは言うまでもないですが、
DK君は幸運にも、ティアハイム送りにはならず、南ドイツの犬ペンションで預かってもらえることになったことに、少し安堵の胸を撫でおろしました。


でも、、、

一番残念がっているのは、

そう、うちのマイ。
折角最高の相棒が見つかったのにね。









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Wednesday 14 September 2016

野犬マイ、ベルリンへ行く。 










 タイトル通り、マイ in Berlin!


いやぁ、また仕事に付き合わせることになってしまいました。
今回は完璧な預け先もお願いして、準備万端だったのに、直前にヒートが始まるという。。

犬ホテルというと、檻に閉じ込められて、散歩にだけ出されるというイメージがある方も多いのではと思いますが、こちらの犬ペンションは、経営している人達と一緒に”暮らす”ものが主流です。

今回お願いしようと思っていたところも、たくさんの犬とたくさんの人達が一緒に暮らしているところで、そういうところでは、やはりヒート中の犬はお断りなんです。



緊張気味。。


よっぽど離れるのが嫌だったんでしょうかね。

犬はヒート時期を左右出来るって聞きますし、、、。


そのうち、シッポを軽く振ってルンルン。


そうなっては仕方がない、連れて行くしかない。(前も言ったぞ、このセリフ!)

中都市くらいには行ったことはあるのですが、今回は首都ですからね。私達も行く前から緊張していましたが、いざ着いて散歩に出てみると、


そうだった!ベルリンって、歩道が広い!

こんな情報、誰も要らないと思うんですが、犬連れにはすごく有難いのですよ。
自転車専用道もきちんと分かれているので、チリンチリンを鳴らしながら歩道を走り抜ける人もいないし、向こうから犬がやってきても、十分な距離を取れる。





それに都会の犬はクールですから、安心なのもあります。
マイも10日も滞在すれば、そんな犬になれるんだろうなという実感が沸いてきた頃に帰り支度。

少し残念な気もしますが、野犬くんはやはり森に戻るのが一番という思いのほうが強いかな。



街特有のマーキングの砦。おびただしい量だわ。


おおお、これはこれは好みのタイプかも~。(ヒート中なので念入りにお婿さん探し)


それには、年々厳しくなる(そしてころころ変わる)犬の条例も気になる要因です。

ハンブルクやベルリンは、都市が州としても成り立っているので、独自の条例を定めることが出来ることから、犬に関する決め事もドイツ全体とは違ったものが存在するようです。

例えば、地下鉄やバス、公共交通機関を利用する場合は、マズル着用が義務付けられていたり、犬をフリー(オフリード)で散歩させるためには、以前に書いたような飼い主免許証が必要であったり。

またそれが細かく規定されていて、実際に犬を飼っている方に聞いても、「ああ、もうころころ変わるから、分かんなくて、、、。」といった反応。

専門家の人達からは、「法令を作るときに、なぜ犬の専門家を協議に参加させないんだ!」という抗議の声もあがっています。





人口が増えれば、それに伴ってペットの数も増える。

間違いが起きないように、前もって厳しく取り締まって、問題を回避する。



うーん、でも相手は動物と人間の関係なんですよー。

一筋縄ではいかないものだと私は思うんですが、なんとなく簡単に問題回避をしているような気がしてならない最近の犬事情です。。








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Friday 9 September 2016

喜ぶ犬、喜ばない犬 








今週始め、しばらく出掛けていた私。

家に着いて、「ただいま~」


ワンワンワン、キャンキャンキャン、

耳ペタで飛びかかってきて、シッポは千切れんばかりにブルンブルン、
私の回りをぐるぐる廻って、体いっぱいで喜びを表現する犬。


それが猟犬アカでした。



おっかえり~


まぁ、この野犬さんも喜びはするんですが、

ちょっと買い物から帰ってきたくらいの喜びと変わりがない。


ハローと足元に纏わりついてきて、よしよし、もっと撫でてあげよう!と思っているうちに、
スッと歩いて行ってしまって、定位置に戻ったり、その前に寝ていた場合は、寝に戻る。





飼い主は、「え、それだけ?」と、ちょっと悲しくなる。


以前からそうだったので、今はもう気にしないけれど、最初のうちは、怒ってるのかなぁとか考えたものだ。

でも、観察しているうちに、奇妙なことに気がついた。






帰ってきた日は、そっけなくというか、普段通り。
私の方が寂しかったのもあって、散歩に連れ出したりしても、いつもと変わらないのに、

一晩眠って、次の日目覚めると、
くりっくりの目で私の顔をじーーーっと見て、

小躍りを始めたり、へそ天になって、ぐるんぐるんと嬉しクシャミをしながら舞い上がっている。



遅っ!






気付くのが遅いのか、群れから一度離れて戻ってきた仲間は、一定期間の距離を置くのか。


いずれにせよ、居なくなっていることには気付いているはずなんです。

相方が出掛けている時は、暫く落ち着きがなくなったり、
屋外の決まった位置でお座りをして、何時間も待っているようなことをします。

その度に、やっぱり秋田犬が入っているのかしら、、なんて空想に耽るんですが、
いざ帰ってくると、せいぜい数秒ほどの喜びで、、、。



クカ~


でも、常に言えることは、どちらかが出掛けていて帰って来ると、

よく寝ることでしょうか。


それなりに、お留守番をしていてくれた、と言うことかな。

ありがとうさん。









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