Saturday 20 December 2014
ドイツ釣り試験 実技編
ブログの機能をイマイチ理解していない私。
たくさんの方が、ドイツの釣り試験について検索し、こちらに来ていただいていることを始めて知り、
今更ながら、2年近く下書きに残したままだったこの記事をアップしたいと思います。
*あくまでも、私が受けた実技試験の内容なので、他の州や他の協会では、少し異なるかと思います。
さて、実技試験といえば、実際に魚を釣ってみせるのではないかと、私も思っていました。
何匹釣れたら合格、とか。
もちろんそんなことはなく、実技というよりも、勉強した内容の口頭試験と言ったほうが良いかもしれません。
まず、3名ずつ、室内に呼ばれます。
室内には、釣り道具がずらっと並べられており、試験管のおじさんが笑顔でお出迎え。
釣り道具は、竿、リール、糸、鈎、オモリ、ウキ、などがそれぞれ別々に並べられている。
最初に誰から始めるかを決め(レディファーストで私は一番)、
どんな魚をどんな方法で釣りたいかを聞かれます。
私はもちろん、ルアーでパーチを釣ることを選択。
竿から順番にどの道具を使うかを、指差しで答えていきます。
釣り経験者であれば、何のことはない、容易い質問なんですが、あくまでも釣りをしたことのない人の為の試験ですので、、。それと、並べられている道具が古すぎて、よく見ないと分からないという落とし穴もあります。もちろん、ベイトリールはありませんでした。。
経験者の私は、さっさと選んでいき、私なら使わないな、というような古い変なルアーも仕方なく選択し、ワイヤーリーダーを選んだ時にストップが、
なぜ、パーチを釣るのにワイヤーリーダーが必要なのか?と。
はい、もしかしたら、パイクが掛かるかもしれないからです。
正解!
という感じでポイントがどんどん加算されていきます。
私の次は、ドイツ語が片言なおっちゃん。
誰も理解できなかったけど、とにかく海でデカい魚を釣りたい感じ。
投げ釣り用の一番大きな竿、一番太い糸、一番大きなオモリ、、、を次々に選んでいました。
そうなんです、道具を指で差していくだけなので、言葉はあまり必要ない。経験者であれば。
それでも、うんちくがあるらしく、置いてある道具にケチをつけてました。
そして次は、中学生の男の子。
この子、授業の時からあまりやる気がなく、ちょっと問題視されてたんだなー。
で、選んだのは、フライフィッシング。
あちゃー、恰好つけたいだけやん。。。
案の定、竿ぐらいは分かったものの、糸の種類でアウト。
最後の情けで、なぜフライフィッシングでは糸が重いのか?と、質問されていましたが、それにも答えられず。
一応、私たち(前記のおっちゃんと私)大人なので、3番目になった男の子に一番簡単な
”鮒釣り”を残しておいてあげたつもりだったんですけどね、思春期は分かりません。。
全員が終わった所で、集まって、簡単な質問を3ー4つ。全て、筆記試験の内容からの出題で、筆記試験の問題よりも、分かりやすく質問してくれます。
例えば、
常に携帯しなければならない、釣り5つ道具。
+ナイフ
+定規
+鈎をとるための道具(写真、黄色の棒状のものか、プライヤー)
+小型金槌(写真、黒い持ち手のもの)
+網(写真にはありませんが)
この質問に合わせて、なぜこれが必要なのか?または、
魚が釣れた場合、この道具を使ってどのように対処するべきか?と。
ドイツでは、釣った魚は必ず見分ける必要があり(そんなに多くの種類がある訳ではないので)
規程サイズを越えていない場合や、保護されている魚は、水に返さなければならない。
その際は、まず手を水で濡らしてから魚を掴み、鈎を取る。手袋や布で淡水魚を触ってしまうと、
体の表面にある粘液を剥がしてしまうことになります。
また、魚の締め方にも規則があり、まず、金槌のようなもので(単なる木でもよい)頭を叩いて全身を麻痺させた上で、心臓を一突きすることが決められています。(なので、授業でも、魚の種類、魚の解剖学、をしっかりやります。魚好きなら、楽しい分野ですけどね。)
ちなみに、バケツなどで釣った魚を生きたまま保管しておくのは、禁止。
網の常備も、魚をなるべく傷つけないように引き上げるために、義務となっています。
とにかく、魚にストレスを与えないことが原則の釣り規則!
さて、なんとも凸凹3人組の私達。3人集まっての質問は、殆ど私が答えていた気がします。
後で、試験管の人が関係者に、あの日本人の子、なんでも知ってるよー、と感心されていたとか。
日本人の名誉を保っておきました。 ものすごく、ちっちゃいとこですけど。
国家試験とはいえ、和気あいあいとした雰囲気が心地よかった釣り試験。
結局のところ、協会の方々も釣りをする人が増えてくれることを第一に考えてくれているので、
余程のミス(上記のやる気なしの男の子のような態度)をおかさない限りは、実技試験で落とされることはないようです。
これを読んで釣り試験に臨まれる方がいましたら、光栄です。
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