Friday 26 August 2016

ミツバチがやって来た日 







そう言えば、ミツバチのことを全然書いていなかったことを思い出しました。



それは、ある日のこと。
相方がいきなり「ミツバチ、一家族、欲しい?」と、満面の笑みで聞いてきたので、
あ、これはもう貰うことになってるんだろうな、と察知しました。


何年前だったか、釣り協会とハンター協会、養蜂協会が協賛して開かれた、”自然を考える会”という講演に参加したことがありました。

その中でも、蜂の居場所が次々に崩壊されていく現在の農業システムについての講演が印象に残っていて、いつかは蜂を飼ってみたいと思っていたのです。

でも私、知識もなければ経験もないと、既に忘れかけていたのです。



デザインまでしてみました。


そうと決まれば、本を買い漁り、ビデオを毎晩見まくり、
肝心のミツバチの住まいや、道具類を買い揃える。

蜂箱は、自分で作りたかったのだけど、ここ北ドイツでは、木箱では冬越しし辛いとのことで、上記のような強化発砲スチロールの既製品を買いました。初心者なので、まずは、師匠の言う通りに。



さて、準備もそろそろ整ってきて、ミツバチの引越の日程を考えていた頃、
ミツバチを譲ってくれる養蜂の師匠Aさんから連絡が入り、


「君たちに譲るつもりだった蜂家族が巣分かれしたぞー。蜂箱を持って来てー!!」
*巣分かれとは、新しい女王蜂が誕生しかけると、元の女王蜂が群れを連れて巣から離れます。






慌てて持っていくと、既に巣分かれした群れが、新しい巣箱にお引越しし始めていました。
1日くらい待てば、引越しも完了するそうなので、しばらく待つことに。


ということは、、、一家族ではなく、二家族うちに来るの?


ああ大変、その足で、養蜂屋さんまで駆けつけて、二つ目の巣箱を用意。


そんなこんなをしている時、近くに住む養蜂の師匠Jさんから電話がかかってきて、

「うちのが巣分かれしたんだけど、見にくる?」と。




このたわわに木にぶら下がっている塊は全て蜂。




中に女王蜂が居て、その回りに働き蜂やオスの蜂が群がっている。




まずは、霧吹きで水を吹き付け、蜂の動きを静めます。




木をわっさわっさ揺らして、バケツの中へ蜂を落とします。





こんな感じ。




それを、新しい蜂箱に注ぎ入れ、




残りは自然に巣箱に入っていくのを待つ。




女王様が入っていれば、その他の蜂は女王様の匂いを求めて自然に入っていきます。




全体図はこんな感じ。
左の木に巣分かれしてぶら下がっていた群れが、右の巣箱に移動。

バケツに入らなかった蜂や、その辺を飛び回っていた蜂も、数時間後には新しい巣箱へ自ら入居を始めます。



さぁ、翌日の夜、私たちのミツバチを取りにいく準備が整いました!

なんだか一日中わくわくそわそわして、犬を貰いにいく時のような気分。






ぎっしり詰まった蜂箱を二箱積んで、なるべく早く移動させなければと、ドキドキしながら運転した帰路の風景。蜂が一緒に居ると、すべて神秘的に見える。


家に着き、二人で抱えるにはかなりハードだった巣箱をベランダへ運ぶ。


そう、巣箱の置き場所を色々と検討した結果、森に設置する許可も頂いたし、近くの果樹園に設置する許可もいただいたのだけれど、

「ペットとして飼いたい」

という私たちの希望から、色々な方に設置場所を考慮して貰い、最適と思える場所が、





私たちの寝室の窓際。



貰ってきた日は蜂も私達も興奮していて、眠れなかったのだけど、
蜂の羽音を聞きながら眠るのも今ではなくてはならない習慣となりました。


でもね、、、

「ミツバチのささやき」なんて素敵な映画タイトルにもあるけれど、

どっちかというと、、、


「ミツバチのざわめき」













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10 comments:

  1. 今朝、窓の外を見たら、巣分かれ(?)したと思われるミツバチの一群が飛んで行くのを目にし、びっくりしました。予定外だったので、慌てて探しに行ったのですが見つからず、探すコツなどご存知ですか。今は、残った家族に新しい女王蜂がいるかどうか捜索中です。

    こちらは木箱が主流ですが、デザイン巣箱、いいですね。外見の作りもうちと違っていて、これまた面白いです。

    うちは三家族ですが、初めての冬越しがうまくいくかどうか、気を揉んでいます。akaさんのところは緊急時とあれば、リビング(寝室?)に巣箱持込も可能? 安心ですね(^^)

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    1. えー今の季節に巣分かれというのは珍しいですね!
      きっとここ一週間の「なんで今頃暑くなるの?」という天候が、蜂を惑わせてしまったのでしょうか。

      うちも初夏に二群、飛んで行ってしまいました。。だいたい、一番近くの木に取り敢えず一日~二日停滞して、偵察蜂が巣に良さそうな木の穴を探すんだそうです。その間に木に登って、上記のように確保すれば良いのですが、うちの回りの木、10m近くあるんですよねー。。。
      なので、あの手この手で、魅力的な巣箱を作り、蜂から見えるところに設置したんですが、偵察バチはやって来ましたが、結局どこかへ飛んで行ってしまいました。。。
      自転車で追いかけましたが、蜂、早いっす、、、。でも、数日後、女王蜂を見失ったのか、ある程度の蜂が戻って来ました。覚えてるんですね~。

      今から女王蜂の誕生を待つのは、時間的に難しいかもしれませんね、、。南ドイツだから、少し時間差があるのかもしれないですが。。

      3家族も居るのですね!是非、ミツバチ談議したいですー。ハチミツはどんな感じなんだろう?

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    2. そうなんです、この時期に巣分かれなんてありえない、と関係者各位のお言葉です。ぶり返した猛暑も理由かもしれませんが、初心者ミスもきっとあったはずで、反省することしきり。

      巣箱を確認しましたが、数は半減、族として成立するための時間も、人員確保も、この時期は難しく、生きのびる確率が逃げた群も残った群もほとんどないことを思うと、哀れでやるせない。そう、戻ってくることがあるなら、ぜひ!カモーンです。

      自転車で追いかけましたか〜。想像して和みました(^^)。今朝は、住宅街の屋根の上を低空飛行で移動してましたが(ベランダからの眺め)、あの羽音が圧巻で、忘れられないと思います。

      こちらのハチミツの夢は遠のきました。別の二家族は小ぶりなんです。akaさんのところは森の中なんですよね。いい味だろうなぁ。うちは森もありますが、割と野っ原なので、近場で蜜を採集しているようです(近所の人の証言)。

      akaさんのコメントを読んでちょっとホッとしました。またアドバイスや経験談、写真付きで楽しみにしてま〜す。

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    3. アドバイスなんて恐れ多い、私たちも必死に本とか読みながらの格闘ですよ。二家族も巣分かれしてしまったんですから、、、。師匠のみなさんにも、「お前ん家の蜂はちょっと変わってる」なんて言われています。。

      そうですよね、後から悔やむことばかり。でも過ぎ去ったことは仕方がないし、なかなか思い通りにいかないことも、自然相手の面白さの一つかもしれません。ホント、何考えているのか分からないですもん。
      ま、来年への課題として、勉強させてもらっている感じの今シーズンでした!

      あの分離して飛んでいくときの羽音は私も忘れられません(^^;)
      自転車で追いかける前は、羽音がいきなり大きくなったので、家から飛び出し、部屋履きで森の中をダッシュしました。もちろんコケましたし、こんな歳でそんなことに巻き込まれるとは思ってもみませんでしたよ(笑)
      で、戻ってきた蜂なんですが、一部は受け入れてもらえたのですが、大多数が古巣の蜂に拒否されて、巣箱の外側の底部分に張り付いた状態が続いたんです。このままでは死んでしまうと思い、床に這いつくばって、刷毛で蜂を集めて、小さな手作りの巣箱に収めました。まだまだ小さい家族ですが、一応女王蜂も誕生しました。でも、このまま冬を越すのは50%の確率かなぁなんて言われています。

      うちのハチミツはちょっと不思議な味がします。森+野原+Heide かなぁ。予想ですが。機会があれば、交換してみたいですねぇ。

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  2. 数年前に、仕事場(モントリオール市内)に到着したら、サロンの前が巣別れしたミツバチの大群が…!
    巣別れなど知識もなかったので、もうビックリしてしまって。
    歩道の街路樹に、おびただしい数の蜂。しかもサロンのど真ん前。
    警察も呼ばれて出動してきたのですが、警察は何の役にも立たず、遠目から見て、逃げるように去って行きました。

    やはりミツバチの減少が問題になっているのは日本もモントリオールも一緒みたいで、モントリオールには、アパートの屋上で養蜂をというオーガニゼーション?があるみたいで、その団体の方々(なるほど、ヒッピースタイルの人たち)が巣箱を持ってやってきました。
    やはり慣れているのか、素手でてきぱき作業をする姿に、思わず見入ってしまったのを覚えています。

    ちなみにこの蜂たちは、サロンの上はアパートになっており、売春、ドラッグ売買の住民が多い中、その中の一人が屋上で養蜂をしていたようで、彼の蜂が巣別れしたようです。
    蜂が屋上にいたなど、まったく知らなくて、驚きました。。。

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    1. あはは、警察ってこういう時にも(!)あんまり頼りにならないですよね。

      こちらでも、ベルリンとかの大都市で蜂を飼うのが流行っています。都市部の方が、花も豊富にあるし(ベランダとか公園とか、冬以外は花で溢れていますもんね。)農業で使われる殺虫剤もないので、蜂にとっては住みやすいんだとか。ちょっと変な話ですよね。。

      売春、ドラッグ、、、な環境で、養蜂するなんて、なかなかファンタジーな考えのお方(^^;)
      森の中だと、巣分かれしても、直ぐに木の穴を見つけて引越しが完了するんですが、都市部だと、こういう場合に困難が出てくるのかと。
      私はミツバチに興味を持つ前は、ミツバチも他の蜂も区別がつかなかったので、とにかくブンブンいうものが怖かったんです。一度、日本でスズメバチに襲われたこともあったし。。。
      知らない人たちからしてみれば、あの大群は恐怖ですよ。人がたくさん住むところでは、きっちり管理も必要だと思います。

      そのおじさん。お詫びにハチミツ持ってこられました?

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  3. すごい!めっちゃ寄り添ってますね、蜂と。笑
    そっかー、そんな経緯があって飼い始めたんですね。

    うちも今、この家に住んでる3家族共同で飼おうか相談中です。
    共同だったらちょっと旅に出てる間も安心かなーなんて。

    それに最近ミツバチが年々減ってきているような気がしてるので
    野菜たちの受粉作業にも一役かえるか?なんて思ってるんですが
    果たしてそういう効果はあるんですかね??

    あ、ミツバチの大地っていう映画観ました??
    蜂が絶滅すると、人類なんてあっという間に滅びてしまうんだなーと
    蜂の偉大さを初めて知った映画でした。

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    1. そうでしょうー寄り添いすぎて、ベランダでお茶に誘っても、嫌がる人が続出、、。訪問客が減りました(苦笑)

      えーー絶対飼ってみて下さい!手間なんてあまりかかりませんよ。うちみたいに世話しようと思えばすることは増えますが、師匠アンドレアスなんて、ほぼ放置。自然の成り行きに任せる派で、ハチミツも半分も収穫しないんじゃないかなぁ。冬越しの準備だけしてあげれば、全部自分でやってくれますからねー。

      野菜や果樹には断然効果ありますよ!ご近所さんにまで感謝されるくらいですから。

      この映画、ブログでも紹介したいなぁと思っていたんですが、実は私、最後まで観られなかったんです。蜂の置かれた状況が残酷過ぎて、途中で止めてしまいました。。。
      自然に貢献したいなら蜂を飼え、と言われたのが、蜂を飼ってみてよ~く分かったような気がします。

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  4. ミツバチのお話、すごく興味深かったです。新しい女王蜂が誕生すると巣別れするなんて、ドラマですね~。ペットとして買うって発想もすごいですけど・・ってことは、ハチミツは取らないってことですか??ちょっと、残念だなあ。

    昔、部屋に迷子のミツバチが入って来たことがあったんですが、まあ、害もないしそのまま放っていたら、朝早く同じ時間になるとブンブン飛び出して、目が覚めた記憶があります。寝室の側で、ミツバチが毎朝ブンブン、そうして、時間に正確な犬が家に1匹いると、時計いらないかもですねー。

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    1. 本当にドラマな毎日ですよ~
      人間の知能とかを通り越して、革命的な手段で生き延びようとするところとか、ハラハラワクワク、一度始めたら止められない趣味かも。

      今年ハチミツは、3分の1くらい収穫しました。それでも20kg以上あったので、蜂の働きぶりには驚くばかりです。
      だいたい私が起きる頃には、とっくに仕事を終えた蜂たちが戻ってきて、それをコーヒーを片手にボーーーっと眺めるのが至福の時(私はサボってるだけなんですけどね)。
      時間もそうなんですが、雨が来そうな気配を感じとると、大急ぎで戻ってくるので、その慌て具合で、どれくらいの雨や嵐がくるのか察知できます。
      天気予報よりも正確ですが、蜂を眺めていないと分からないという欠点があります(^^;)

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