Thursday 6 February 2014

ヘルシンキ空港の想い出、失敗、失態







乗り換え空港は嫌い。

買い物もしない私は、できるだけ乗り換えの時間が短い便を選んで、いつもダッシュで乗り換える。

パリ経由は一番嫌い。

無駄に広く、機能的ではない空港。今回仕方なく使ったら、行きも帰りも預け荷物のトラブル。。


そんなわけで、乗り換えには、出来るだけ小さい空港を選びたいのです。そして小一時間でささっと

乗り換えたいのです。


でも、この時期になると思い出す、あのヘルシンキの夜。(正確には昼だけど、夜のように暗い。)

いつものように待ち時間が少ない便を選んで、急ぎ足で日本行き便ゲートへ。

いつも思うんですが、この時点でもう80%くらい日本に帰ってきた気分になりますね。

出国審査を過ぎて、ゲートに近づくにつれ、一組、二組、三組、、、、と増える関西のおばちゃんグループ。

ゲートに着くと、そこはもう御堂筋。

ものすごーい心の底からの安心感を得ます。ここで何が起ころうと、この人たちなら何とかしてくれるって。

ま、逆もそう思うんですがね。ドイツ行きゲートに近づいてくると安心するというか。

でも、おばちゃんの安心感は世界一でしょう。


そんな、安心しつつある心境で向かった先には、”降雪の為、フライト遅延”

いつ飛べるかも未定ということで、お食事券が配られた。

このお食事券、一つのお店で引き換えしてしまうと、残りを他では使えないという代物。

連れがいる人なら、一枚で食事を、もう一枚でドリンクを、という使い方が出来るけど、私のように

一人者は、飲むか食べるか決めなきゃならない。

朝にパンを一切れ食べただけの私は、お腹も空いていたけど、喉の渇きが強烈で(水買おうよ)

思わず”バー”という選択をしてしまう。

もちろん使い切りたいので地ビールを二杯。親切なバーキーパーさん、”少し金額が残っちゃうから

お勧めのシュナップス(火酒)も一緒にどう?” なんて言われたら、絶対断れない。

だって、機内でアルコールは取りたくないし、もうほぼ日本です気分だし、いいかなと思って。。

なみなみの二つのグラスにシュナップスを抱えて、空いている席に向かう私を驚愕の眼差しで

見つめるおじさんの近くに座ることに。

ラガーだな。ドイツでは滅多にお目に掛かれないので、苦味があっておいしい。

おまけで付けてくれたサーモンにも合う。

さすが本場だなーなんて、初めは余裕だったのに、だんだんと様子がおかしい。

日本行きの便が遅れているということもあって、飲食コーナーには日本人がたくさんいた。

みんなグループで楽しそうに談笑している姿を見ていると、急に真っ暗な穴に突き落とされたような

とてつもない孤独感に襲われて、なぜか涙が止まらない。

一部始終を見ていた先程のおじさんは、とても困った表情。あんな小さい人間がそんなにグビグビ

飲んで大丈夫なのか?と心配しているうちに、おいおい、今度は泣き始めたよ、と。

その後、徐々に自分を取り戻して、おじさんにも大丈夫だと合図を送ったものの、自分でも

何があったのか分からない。

ムーミンの仕業か?

いや、北欧ビールはアルコール度数が高いって誰も教えてくれなかったから。

そう、ただの飲みすぎや!という話。


しかしながら、アルコールの勢いだけではないみたいですよ。

今時、ヨーロッパへも、10時間ちょっとで移動できてしまうし、行ってしまえば一生帰れないとか、

国を背負ってとか国を捨ててとか大層なことを考えてる人も少ないと思う。

日本人に至っては、海外という感覚、国境なんて感覚もなくなってきているんじゃないかな。

でもそんな中で、心身ともに、ふと、この状況に着いていけないことがよくあるそうです。

フランクフルトの空港にはキリスト教の教会とかイスラム教のモスクがあり、空港という異空間で

情緒不安定になる人が多いために設置されたと聞いたこともありますし。





と言うわけで、乗り換え時の落とし穴にはまった体験談でした。


あ、その後の機内は、もちろん爆睡でしたよー。









8 comments:

  1. シュナップス飲んでゴキゲン、なんて記事を書いて、こちらにおじゃましたらば!
    出発とか乗り換えの空港って、「どこでもない場所」って感じがしますね。
    閉じた空間だし、足は妙に浮いてるみたいだし、日本に帰る時でも旅行に出かけるときでも、空港にいる間は全く楽しい気持ちになりません。でも、そういう、人を情緒不安定にさせる場なんですね。
    フランクフルトに教会やモスクが?知りませんでした。B○○te Uhseには興味本位で入ったことがありますが。。。

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    1. このお店、知らなかったですよ。
      余計に情緒不安定になるか、安心できるか、出入り口でチェックして
      みたくなりました(笑)

      その浮いた感じが旅行気分を盛り上げて、楽しいというのも
      分かります。だから空港の建築って独特なんでしょうかね。
      目一杯盛り上がってもらおう、みたいな。
      私はもうちょっと空港を楽しみたいですね。

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  2. 乗換えのストレスって大きいですよね。やれ税関だ荷物だチケットだパスポートだって
    ひっきりなしにチェックしていてそれだけでもう疲れます。
    私は乗換えの地の言葉を知らないと微妙にかなり不安です。
    日本人観光客は独特のほんわかした感じを醸し出してますよね、どんな所でも。
    ちなみに乗ってしまうと安心派なので私は隣の人に勧められて
    (彼はビールで私はワイン)機内でお酒飲みすぎてトイレの前でぶっ倒れました。
    人それぞれですね(笑)

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    1. ええーそんな体験談もお持ちとは!
      色々とあるんですね。アルコールの威力。。
      私もあのアウェイな感じが苦手というのもありつつ、
      私は外国人だーと解放感もあったりと、なかなか慣れません。
      この前は急いでいたのでファーストクラス用の税関を
      通ってやりましたよ。本当に知らなかったのですがね。
      注意されても、ヘラヘラ出来る自分はいい感じだと思いました。。

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  3. ヘルシンキの白夜の空港で何が起こったんでしょうね。

    前になんかの本で読んだことがあるけど、空港で突然精神が不安定になって
    奇行の末、警察に保護される人もけっこういるみたいです。
    Akaさんを見ていたおじさんも、(奇行じゃないけど)びっくりしたでしょうね。

    空港での楽しい過ごし方は、登場時間、なんなら出発時間ギリギリまで飲んで
    アナウンスで呼ばれてゲートまで猛ダッシュして、その疲れと酔いで離陸前から
    爆睡し、気づいたら目的地という、昔出張で海外を飛び回ってたときによく
    やってました。
    この方法が一番つかれない。
    出国前にバーに行くのは、正解です^^

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    1. なるほど、税関なんかで騒いで連行される人は
      たまに見かけますが、あれもそうなんでしょうかね。。

      おぉ、ことみさんの社長時代ですか?!かっこいいっす。
      確かに、機内では眠れることが一番重要ですものね。
      アナウンスで呼ばれてから、千鳥足でダッシュする体力があれば、
      という話ですね。
      よし、体力作りがんばろうっと。
      シュナップスひっかけてから、犬とダッシュの練習でも始めよう。

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  4. ドイツ生活にそこそこ慣れた頃に、こういう感覚がありました。空港の手続きが全て終わり、まったく面識のない日本人の皆さんに囲まれ、ほっとした気分と、でもその人たちと日本に帰るわけじゃないんだよなぁ、という、なんだか異邦人のような感慨がこみ上げ、そこにアルコールが混じって、ごぉーっとブラックホール…。こちらの生活を主流にしてきたのが、急に日本人の自分を意識させられたといいますか。
    ドイツや日本で実際時間を過ごす間にこういうのはないので、空港ってやっぱり特別な空間なのかもしれないですね。でもって、空港を離れるとそんな感覚はさっぱりすっぱり消えます。

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    1. TKKGさんのコメントを読んで、今その自分の感覚が分かりました!
      確かにそうなんです。ドイツ生活に少し慣れてきて、自分の生活はドイツにある、
      でも自分がもともと属しているのは日本という文化体系。
      日本に帰国する喜びと同時に、また一人でこちらに戻ってこなければならないという
      条件付き、しかも日本にはもう居場所といえる所はない、、、うんぬん、、
      そんな感情が一気にこみ上げてきたんでしょう。。
      今すっきり納得がいきましたよ。ありがとうございます!
      そして、そうですね、空港を離れるとホントに何もなかったように日常に戻れます!

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