Monday 29 December 2014

クリスマスの事件簿ー2







モモが引きちぎられているのは犬の仕業ではない。

この辺、クリスマスは、決まってガチョウの丸焼きです。
水はけの悪かったこの地方、飼育が簡単だったのは、ガチョウくらいだったとか。
なので、この子もご近所さんから頂いてきました。

ドライフルーツをギュウギュウに詰め込んで、オーブンで3時間。
私的には、もち米とキノコなんぞを詰めたら、もっとおいしそうだなぁと思いながらも、
口出しはしませんよ。作ってもらえるだけで、有難くいただきます。


さて、ディナーの写真、私が撮ったわけではありません。
なぜなら、そんな気分にはなれなかったから。

事件は食事の直前に勃発。


前回に書いたように、人間にとって、興奮ーストレスー感情の乱れ、満載のクリスマス。

犬はもっとストレスを受けます。

クリスマスなんて意味が分からないし、不安定な群れ(興奮状態の人間達)に耐えられないみたい。

午前中から人が出入りしていたアカ家。

こういうことに慣れていないマイを心配していたけれど、人にも犬にもフレンドリーなアカが
それをカバー。
率先して、初めての人に近づいていき、鼻をしばらくクンクンさせた後、マイのところに戻り、
アレは悪者じゃない、と教えてあげると、目を見開いて耳を立たせていたマイも安心してゆっくり
近づいていく。

二頭の役割分担で、一日目二日目までは興奮することもなく、うまく行っていたんです。
(これは、私が思っていただけで、犬は一杯一杯だったんだなぁ。)

そして、メインイベントの食事が始まろうとしていた時、寝床に隔離していたはずの犬がうろうろ歩き回っています。

アカは人がたくさん居るところが大好き=遊んでもらえると思っているので、例に漏れず大興奮。
それに加え、ある人がオモチャの銃を手に取って眺めていたのに、ビビるアカ(猟犬なのに未だに銃が苦手です。)

興奮+怯えで、訳が分からなくなっていたアカにマイが注意勧告。

今までにない大喧嘩が始まりました。



飼い主にとって、飼い犬の喧嘩を見るのは本当に辛いです。



前にも二頭の喧嘩について書きましたが、その後も小さいものが数回起こり、最初に思っていた見解とどうも違ってきていることに気がついたのです。


これくらいの取っ組み合いは普通の遊び。

色々な事例を読んだり聞いたりしてみても、こういう犬っているんですね。
仲間を統一させたいばかりに、この群れ変だよ!と注意してくれる犬が。

最初は、マイがアカを攻撃しているとばかり思っていましたが、喧嘩の始まる前をよく観察していると、
必ずアカが興奮しているか、怯えているか、もしくは、私達が立ち上がった瞬間に自分も立ち上がるなど、リーダー(人間)に対してドミナントな態度をとった時。

マイはそんな行為を制止しようとアカに近づく。

それをアカは攻撃だと思って、もしくは攻撃される前の防御として、先制に出る。

犬同士の誤解という状況をコントロール出来ていない飼い主失格です。


屋外で”犬だけの時間”も不足がちだった。

但し、そんなことを謝っても犬は理解しません。

喧嘩の後は、両方の犬を服従させて、如何なる場合も攻撃は悪いことだと教えます。

完全に興奮が治まるまで側に付いて待って、短いリードで2頭を沿わせて歩かせてから、
庭に(防寒用の小屋はある)犬だけを残しました。

ここまでの行為、平常心を保つのは相当難しい。
私は喧嘩を止める時に、大声を出してしまい、より犬を興奮させてしまった。


そんな後のこれ、



相方はそんな時も落ち着いて行動してくれるのですが、ぷつりと緊張が解けたのか、
食事中真っ青な顔で、誰が話しかけても、さぁ、知らん、どうでもいい、と一点を見つめたままで、
お通夜のようなクリスマスディナーとなってしまいました。


フーッとため息をついて、これからどうすればいいんだろう、と眠れない夜を過ごし、
基本からしっかりやり直すのが一番だろうと話しています。

餌、散歩、睡眠(寝床)、重要な日常活動を興奮状態では絶対に与えないこと。

居眠りしてしまうくらい落ち着いたら与えるようにしています。

常に二頭同時に行って、私達が全部コントロール出来ている、しようとしていることを見てもらって、
私達が居れば、何があっても安心出来るということを分かってもらうのが大事だと。


喧嘩の後も直ぐに舐め合って誤解を解こうとする犬って素晴らしい。


あれから5日、随分と落ち着いた日々を過ごしています。

足らなかったのは、やっぱり人間の引率力だったとしみじみ感じている年の瀬。





 アカ、マイ、ごめんよー。









6 comments:

  1. ショックなクリスマスでしたね・・・。おいしそうなガチョウも、味わうどころではなかったですね。
    akaさんのブログからは2頭の猟犬を買う大変さというのも伝わってきますが、「人(飼い主)の成長記」(失礼な表現だったらゴメンナサイ)という要素が、私はとても読み応えがあるなあと思っています。今回のような強烈な学びの機会を経ながら、akaさんたちの思い描く方向に進んでいく様子を、ぜひぜひ続けて綴ってください。
    引き続き、よい年末を~^^

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    1. はい、正しくその通りです!犬を飼っていると、常に試されている感があり、
      オチオチ昼寝も出来ないですね(笑)。まぁ、今まで昼寝ばかりしていたから、良い刺激になっていると思います。
      来年は(来年のことを言うと鬼が笑う?)職探しに引越しも考えているので、
      何かと変化のある生活になりそうで、その為にも犬を落ち着かせておかなければと、
      気を引き締めていきたい所なんです。
      いぷしろんさんも、穏やかな年末年始をお過ごしくださいー。

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  2. アカ&マイさんの喧嘩の件、我が家でも他人事ではありません。

    我が家の場合、小型犬でありますが・・・人間も何度も流血をし、昆布(シーズー)は肉球ざっくり切ったり、耳が切れたり、ポン酢(黒い犬)は骨折しました_l ̄l●lll
    一緒に暮らして6年。
    この喧嘩が始まったのは6年前。
    最初は止めるのも簡単なものでしたが、じょじょにエスカレート。
    しかしエスカレートさせて、本能の殺し合いの喧嘩をさせてしまうようになったのは、私たち飼い主が犯したいくつもの間違いからだったと今では思います。
    我が家の場合、繊細でキャパシティが非常に狭い昆布が、喧嘩後に平常心まで戻るのに大変な時間がかかります。

    最初の頃は、昆布に脳の異常でもあるのか。なんていう心配もし、周囲からも昆布を手離すように勧められましたが(!)ようやくここ数年で喧嘩の理由、飼い主が犯してしまったミスを理解できるようになりました。
    今も条件が揃えば喧嘩勃発です。
    その条件を揃えないようにしているわけですが・・・。

    なので、アカ&マイ家のストレス、私には他人事ではありません><
    繊細なあまり恐怖心があって、この恐怖心から来るアグレッションが一番大変ですよね><

    アカマイ家はケージを使っておられますか?
    我が家は、(狭い家なのに!)3つ個々のケージを置いてあって、基本、ポン酢のケージは他の犬は使用不可というようにトレーニングしてあります。
    トレーニングというか・・・この家の中で、ケージだけが犬の場所。
    逆に言うと、ケージは犬が一番落ち着く場所。
    というように教えました。
    なので、来客があって騒がしくて犬もちょっと落ち着かないな・・・という時は、勝手にケージに入っていたりします。
    このケージ=落ち着くところなんだよ、というので、犬も逃げ場が出来たというか、ここにいれば安心なんだ・・・ということが分かったお陰で、幾分かストレスが緩和されているところもあると思います(*´∀`*)

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    1. 貴重なコメントありがとうございます!
      2頭飼い、超初心者なので手探りで日々勉強、そんな理由から鍋コさんのブログにも辿り着いて、こうやって相談にものっていただけて、心強いです。

      やはり一緒に生活するとなると問題は付き物なんですね(人間もそうですが(笑)。散歩の途中に遊ばせたり、数時間同じ空間を伴にするのとは、まったく違うんだと噛み締めています。。
      今まで他の犬に攻撃的になったりしたことのなかったアカだったので、原因を新しく来た犬(マイ)に探すばかりで、アカの不安定な精神状態&躾のいい加減さを見落としていました。
      それと、メス同士なので、喧嘩はいつもヒート中に起こっていたことから、単純にそのせいにしていたのも間違いだったと今になって思います。。

      ケージではないのですが、寝床になっている締め切ることのできる小部屋があります。それぞれ隣り合わせで、間にドアがあります。
      一度、この状況でも喧嘩が勃発。
      マイのいる部屋に興奮したアカが入ってきたことから喧嘩が起こりました。
      縄張り意識が極端に強いマイと、境界線をまったく学んでこなかったアカの諍いです。今は中間のドアを締めきらず、眠らせていますが、問題はないようです。やはりウチの場合、人間が間に入ることで(アカが興奮する)問題が起きるようです。
      その、ケージのトレーニングは是非やってみたいと思います。特にアカに。
      その場にいなければならないとなると、ストレスを受けるようで、、そうではなくて、安心できる場所なんだと、誰にも邪魔されない場所なんだと教えていきたいと思います。
      鍋コさんの過去記事も徐々に読ませていただきますね。カツオ君の譲渡の様子は、とても為になりました!

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  3. あけましておめでとうございます。ドイツのクリスマスの様子(クリッペ!? ガチョウ!)を楽しく拝読しつつも、大変な様子にドキドキしてしまいました。しかし、先にコメントなさっていた方のように、冷静に事のあらましを分析して書いていらっしゃること、とても興味深くまた、参考にさせていただいています。でもきっと、当事者は大変な疲労感ですよね...(^^;)

    キャスカも典型的な保護犬イシューともいえる他犬に対する問題があり、ずっと試行錯誤しています。我が家は今のところ一頭飼いなので、家庭内での知見はまったくナイものの、外で会う犬たちはだいたい7割くらいに過剰反応して、アカちゃんとも似た興奮→過剰防衛が出てしまうのです。臆病さやキャパの低さも理由かなあと思っています。基本的に人にはサブミッシブな性格なので、人が割ってはいることによりシリアスな事故になったことは幸いにしてありませんが... 相手の犬のタイプ、状況もいろいろなので、飼い主が経験を積んで状況判断→事前にきっかけをつぶすということをコツコツと繰り返しています(それぞれの場合によって、そもそも接触させない、犬同士で解決させる、相手の犬のキャパも低そうであれば相手をまず止める、勃発の寸前にコレクション etc...)

    興奮しやすい性質は猟犬ならではの本能でもあるでしょうから本当に難しいなあ~と思いつつ、いまだに超基本の興奮落としが必要なときも。クラシックですが、よろしくない興奮が出た時には刺激物から少し距離をとりひたすらSit&Stay(それもきかないときにはリードを踏んでDown、落ちるまでコマンド以外は完全無視です)。「もうーっ! コンニャロー!」と叫びたいのをおさえて無心を心がけ、なんだか人の修行のようでもあります。ご存知かもしれませんが、イギリスの有名な「Keep Calm and Carry On」というスローガンを自分に言い聞かせちゃったり(笑)

    安心してもらうことの難しさにいつも凹んだりウウムと悩んだりしているため、思わず長々~!とコメントしてしまいました(汗)。でも、ケンカのあとの2頭の写真にはジワっときました。これからの変化やakaさんの分析にも興味津々(ふさわしくない言葉だったらごめんなさい!)ですので、喜怒哀楽ぜんぶ、今年の日記も楽しみにしております!

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    1. 新年おめでとうございます。そして、励ましのコメント有り難うございます。

      ”人の修行” 正しくその通りですね。まず自分の感情をコントロールするところで、既に挫折しているところも多いです。。このスローガン、始めて聞きましたが、壁に張っておきたいですね^^
      それと、、私は犬の行動を見て見ないふりをするところがあり、言葉は悪いですが、犬にバカにされているのに、それを信じたくないがために無視して、基本的なリーダーシップがとれていない場合も多いです。

      猟犬の場合、フィジカルな面で優位に立っているらしく、フリーで他の犬と合わせると、自分で回避出来ることを知っているせいか(さっさと逃げられる)、落ち着いて対応しているように思います。ただ、オンリーシュ、室内となると、ナーバスになる犬が多いそうで、、(猟犬学校での井戸端会議情報)
      かと言って、犬と会う度にフリーには出来ないし(逆に犬と出会えば、リードオンが礼儀になっていますし) やはり、tomomitさんのおっしゃる通り、回避する方法を教えていくことが重要ですね。そして、相手の犬を事前に見極めること! うーん、これは難しい課題です。。一見にして、犬のエネルギー量を見極める。。でも、これが出来れば、犬から”あんたよくやった!”と褒められる=信頼されるんでしょうね。がんばりますっ。

      こちらこそ、キャスカちゃんの成長日記とtomomitさんの鋭い分析、今年も楽しみに拝見させていただきます!それと、イギリスの犬社会の様子もいつも楽しんでいます。なんとなく、のんびりしている感じが素敵なんです。
      今年も宜しくお願いします!

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