Wednesday, 4 February 2015

ど田舎の、シーザー ミラン







元野犬マイの学校二日目。


アカ姉さんは、直前になって、遊びに来ていた親類と一緒にドロン。


雪の日に学校なんて有り得ないー。しっぽふりふり

今日も、授業が始まるまで、敷地内にも入らず、犬たちが繋がれている所や、飼い主が団欒している所の側の道を行ったり来たり。

何やってんのー?食べないから入っておいでよー。

と言われても、いえ、うちの犬、まだなんです、、。

それぞれの事情があることを理解してくれる、飼い主さんたちのやさしい眼差しは心に響きます。


やはり前回同様、敷地に近づくにつれて、興奮度が上がり、キーキーと泣け叫ぶマイ。

トレーナーさんからの助言で、今日は朝ご飯も与えず、飛び切りのオヤツ(魚オイル漬けのハム)を持参しまして、餌で気を逸らす方法。

餌を鼻にかざして、気を惹いてから、リードは引っ張らずに、自分から私の方へ歩み寄り、アイコンタクトを取るまで待つーオヤツ、を気長に続けました。

ようやく少し落ち着いたところで、練習場に入り、今日も邪魔にならないようにウロウロと歩き回るだけの練習を始めました。


今日も10匹わさわさ居るぞ。逆光だ、、。

ところが、

今日は覚悟を決めたのか、餌が効いたのか、5分も経たないうちに落ち着きまして、

すんなり犬さんたちの輪の中に!


そうこうしているうちに、オビディエンスのクラスが始まり、

勢い余って、なんと、マイマイ、初レッスン参加。


ちょっと奥さん、真ん中できちんとお座りしてるの、うちの子よ。


一度軌道に乗ってしまえば、そういうものなのか、その後もぎこちなくではあるけれど、ホイホイと課題をクリアしていく。

喜びというよりも、驚きの方が強かったけど、
あーーー良かった、学校に来てみて、、、と、しみじみ眺めておりました。


そんな、幸福感に満たされたひと時に、突如亀裂が、、


巨大シェパードMIX大暴れ。

始めから、ちょっと危ないなーとは思っていたんです。
(もちろんうちのマイは、初日からガンを飛ばしまくっていました。君たちは同類なのか?)

飼い主は女性の方で、長身ではあるけれど、細身の体で、必死でリードを握り締めている感じ。

それに、他の犬に反応するだけではなく、ギャラリー席の人が動く度に、人間に突進して行く姿勢を見せていたんです。

そして遂に、リードを噛みだし、歯をむき出して飼い主に唸り、吠えまくるという始末。

飼い主さんは、必死に押さえつけようとするものの、興奮状態のシェパードの二回りは大きい犬をコントロールするのは、体力的にも厳しそうでした。

それに、既にシェパードMIXの口は飼い主の腕をパックリ掴んでいます。
 


遊具で息抜き&趣向替え。

トレーナーもすぐに気がついて、近づいて行き、少し観察してから、ある飼い主さんを呼びました。

その方に、見てやってくれ、というような仕草をとって、自分は訓練に戻るではないですか。

な、、何が起こるの? と、私はもう目が離せない。


この飼い主さん、なぜか全身作業着なんですよね。それも家でも着られるような普通の作業着ではなく、本格的な、如何にも、鉄工所からの帰りっす、という出で立ち。

始めて見た時、申し訳ないのですが、用務員のおじさん的なお手伝いをしている方だと思ってしまいました。。。


さて、そのおじさん、シェパードの飼い主に指示を与え、自分の犬も一緒にしばらく歩かせていました。

でも、興奮状態がまた出始めたところで、柔道のような軽やかな仕草で地面に押さえつけ、犬の体を横たえる姿勢に持っていきました。

もちろん、私は凝視していましたが、遠すぎて何をしているのか見えず、
おじさんはシェパードの顔付近でなにやら止まっているので、口輪でも装着しているのだろうと思っていたんです。

ところが、その状態で5分程経った頃、ゆっくりと起き上がったシェパードには口輪など着いておらず、
ブルブルブルッと悪いものでも振るい落とすかの様に、大きな身震いをして、

歩き出したのは、生まれ変わったような犬。


ガクブルものです。

これが巷で人気の、ドッグウィスパラー?!?!?!

作業着を脱ぎ捨てて、お面を剥ぎ取ったら、小麦色の肌がよく似合うメキシコ人が出てくるのか!?



お気に入りのバーニーズのペア。

山小屋生活するなら、こういう犬も飼ってみたいなー。

すみません、一人で興奮してしまいまして、、、

でも、今でも興味深々なんです。これは、なんとしてでも真相を突き止めないといかん!


あ、肝心のマイマイですが(ごめん、忘れていた訳ではないよー)、訓練中はともかく、
驚いたのは、次の日の散歩でも興奮ゼロでありました。

大きな希望の星が見えた週末でしたが、振り出しに戻るというか、克服する問題が増えてしまう出来事が起こってしまうという。。。

それはまた、別の機会に。








8 comments:

  1. akaさんのブログで覚えましたよ~、シーザー・ミラン。犬の気持ちは理解できても、妻の気持ちはわからず離婚、という人でしたっけ(偏った知識 笑)。
    魔法を使うかのような手なづけ方があるのですね。目の前で見てたら鳥肌たつかも。またぜひ「種明かし」をご紹介ください。
    でもって。。。また何やら出来事が?
    あ、飛び切りのおやつが「魚オイル漬けのハム」!これはakaさんちオリジナルおやつなのでしょうか。

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    1. もうなんだか、スス塗れのおじさまと、白い歯のメキシコ人とのギャップとか、
      西海岸の太陽と北ドイツのどんより加減のギャップが、私のツボに入りまくって、止めどなく仮想の世界で溺れる私(ヒマだなー)。
      これはもう、真相を突き止めなくては眠れません、、。でも、新入りなんで、様子見で(意外と奥手)。
      問題犬を抱えていると、次々に事件が起こります。そのせいか、他の嫌なこととか忘れてしまえる良さもあるんですがね!
      いえいえ、市販でござります。漁師&猟師の家ですが、獲物はあげない主義なんです。私はこっそり魚の残りを挙げていますが、、。それに、今日アカは、鹿の耳を咥えていました。。。掘り起こしたな、、。

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  2. すごいすごいすごい! 私のツボにもはまりまくりなマイ嬢連載?です。表出する問題の種類はちょっと違っても、同じく極端な社会化不足のキャスカ。日本ではまずマンツーマンレッスンでこつこつ下地を作っていたのですが、グループレッスンはイギリスに来て初めて参加。マイ嬢と同じように、最初の頃はひたすら距離をとって慣らすということをやっていました。

    akaさんのように、こちらが心配になるほどの興奮ぶりで(ブルブル震えてパンティング)、「まだ早かったのかなあ、迷惑かなあ」と凹み、それでもあたたかく見守ってくれる他の飼い主さんやトレーナーさんがどれだけありがたかったか!(^^) 「バタバタしている犬(← うちの犬のこと...)がいても、それを気にせずに飼い主に集中するという良い練習になるんだよ、他の犬にとっては♪」と言ってくれて、ほっとしたのを覚えています。今は逆の立場になることもあるけれど、ほんとに良い練習だなあ~と思ったり。みごとにそちらに気を取られるので...(^^;)

    今はすっかり馴染んできたので時には強めにコマンドをかけもしますが、最初の頃は焦らずプッシュしすぎず、良い経験をのんびり積んでいけるように、ですよね。2回目にして覚悟を決めるとは、マイマイすばらしい。akaさんの幸福感、ぶわーっと伝わってきました。課題がたくさんあると、嬉しいことも面白いことも倍増しますね~。そして、新たな出来事も気になって仕方ありませんが、作業着ミランの正体はもっと気になりますぞ!!(← ハイ、全シーズン観てました)

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    1. コメントありがとうございます!
      えー、そうだったんですか、、キャスカちゃんのトレーニングの様子を拝見していて、とっても馴染んでいるように見えたので、日本でも同じような猟犬トレーニングを受けておられたのとばかり思っていました。ううっ、また希望の星が見えてきたぞ。。

      確かに、様々な精神状態の犬が混ざっていた方が、より良い訓練になるのかもしれません。アカの通っていた猟犬学校は、基本訓練は終えている犬の集まりでしたので、場の空気を乱さないように、ちょっとピリピリしたところがありました。(飼い主の他犬チェックもちょっと気になる感じ。。)そのせいか、今の状態で訓練させるのは無理なんじゃぁ?と思っていたんです。でも、今回の所は、犬の性質も訓練度もバラバラで、訓練内容も臨機応変なところが、非常に助かっています。今回はこのシェパードくんを中心にトレーニングが進みました。

      なるほど、ここは良い経験を積み重ねるところだと、教えていくことが重要なんですね。私は厳しくしてしまう所があるので、気をつけないと、、。でも、少しでも気を抜くと、まだまだよそ見をする(他の犬を睨む)ところがあるので、どうしても緊張が解けなくて、次第に怖い顔になっていく…
      私も日本語版とドイツ語版は見てしまったので、不得意な英語の聞き取り練習も兼ねて、必死にオリジナルシーザー語を勉強しとります。

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    2. akaさん、いやいやキャスカは去年の5月(渡英してすぐあと)からあのグループレッスンに参加し始めたのですが、最初はそりゃもうひどかったです! 1対1だとだいぶトレーニングらしきものになっていたのですが、新しい場所・犬・人にもう興奮&ビビリでわけのわからないことになっていましたよー。フィールドのはじっこでひたすらリード固定して、ちょっとでも私に意識が戻ったらスペシャルおやつをポイッって、まったく同じことしてました。基本は無言で、もうひたすら条件付け!

      全部の犬がわけわからない状態だとおそろしいカオスになりそうですが(汗)、いろいろ混ざっていて、かつトレーナーが場をコントロールできていると良い相乗効果がうまれる気がします(^^) 私もキャスカがジタバタしていても無視してくれる上級犬には積極的に練習相手になってもらったり。「あ、この犬とはまだダメだな」と思った時は逆に落ち着いていられる距離を取ったり、たしなめるタイミングをはかったりと(といってもいまだに失敗することもよくあるのですが。トホホ)私自身の見極めの練習にもなってありがたいのです。

      でもakaさんの言うところの、厳しいのもアリだと思うのですよ。犬も飼い主もきっとそれぞれですし、キャスカの場合は臆病なところがあるため、まずは「良いことが起きる場所」と刷り込もうと、こちらのグループレッスンの初期の頃は特にポジティブなやり方を多くとっていました。今はポジ・ネガとりまぜています。人によってはそれこそシーザーwayを虐待と見なしたり、ポジティブトレーニングだけが正しいのであーる!とする方もいますが、個人的には犬と飼い主と状況と、それぞれに応じていろんなやり方を繰り出せるのがいいなーと思ってて。ポジだけで(名前呼んでオヤツ☆とかの)そのシェパードくんが落ち着くとも思えませんものねえ。そんなわけで、私もシーザーは100%支持か?と言われると必ずしもそうではないのですが、自分の苦手分野(?)の「毅然とした姿勢」や「平常心」、あと厳しさかな、、をパクろうとせっせと見ているのでした。それにしてもドイツ語版シーザー、見てみた~い!

      あ~、ついまた長々とコメ書きしてしまいました。ごめんして~!です(^^;)

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    3. いえいえ、貴重なお話、いつも参考にさせてもらっています!
      そうだったんですね、そんな時期を乗り越えられて、今があるんですね。(感動)
      それに、tomomitさんの行動の早さにも、驚きです!お引越しされて、知らない土地で直ぐに学校通いを始められたなんて、、この行動力、、、きっと愛ですね!!

      確かに大きなドッグスクールでは、クラス分けが厳しくて、落ちこぼれ組のようなクラスもあると聞きました。(想像しただけで恐ろしいですが、、)うちもキャスカちゃん同様、無視してくれる犬と合わせると、落ち着きます。それに、そのオーラから何かを学んでいるようで、始めは興奮していても、徐々に自ら落ち着きを取り戻しています。本当に、犬は犬から学ぶことが大きいんですよね。これだけは、人間には真似できない。
      そういう意味でも、ウィスパラーさんもすごいのですが、彼の犬たちの行動から目が離せません。ダディーは、100%支持だわー(^^)

      先週末は3回目でありましたが、やはり最初の10分は興奮状態なんですよね。オヤツで気を反らせる作戦は、成功しますが、なかなかここは楽しい、ここに来ると良い事がある、とまでは行っていないようです。
      一度付いたトレーナーは、絶対トレーニング中はこの犬には褒美を与えないほうが良いと言われたのですが、最近はちょっと疑いを持つようにもなりました。そうですよね、今はまだトレーニングの段階でもないので、犬がたくさんいるところで、ポジティブエネルギーを吸収出来るように向けていくべきですよね。
      シーザー談義ってどこもかしこもすごいですね。ドイツでは、彼のツアーの際に愛護団体まで動き出していましたよ。でも市民はすごく冷静でしたけど。。
      ドイツ語版、Hundefluesterer で、検索していただくと、ドイツ語を話すシーザーに会えます(^^)めちゃ、堅くなりますー。

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  3. 学校二日目にしてもう授業に参加できちゃったそうで、しかも課題を軽々クリアしちゃったりもして、良かったですね。あきらめずに訓練を続けたことや、授業前の丹念な準備などが、しっかり実を結んだんだと思います。本当におめでとうございます。

    ん? でもまだ続きのどんでん返しもあったようですが(さすがマイ姫)、きっと関係は落ち着いてくるはず。これからも気長につきあってあげてください〜。

    それにしても落ち着いた、しかも決めるところはきっちり決める、いい学校のようですね(うちの村の学校はなぁなぁです。でもだいぶ慣れました)。今後北ドイツのシーザーミランの正体が、白日の下にさらされる日を(大げさ)楽しみにしています。あ、もちろんアカ姫の活躍も期待していること、よろしければご本人にお伝えください。

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    1. コメントありがとうございます!
      ”こっちを向いてくれさえすれば” どんなコマンドも出来るのですが、一度そっぽを向いてしまうと、何が起ころうが、反応しませんー。人間なら、肩を揺すって頬っぺを叩いて、ちょっと!大丈夫?と言ってしまいたいくらい。
      それと、他の犬にナーバスになるところも、気を逸らさないと、毛を逆立てて威嚇吠えを始めてしまいます。
      なので、学校の間は常に気を配って疲れますが(シーザーおじさんに気を取られていたくせに…)、犬はそれ以上に疲れるようで、次の日は一日ぐったりしています。

      あはは、ありがとうございます、、アカには伝えました!でもどうでしょう、犬がたくさんいる=遊べる、と思ってしまうタイプなので、遊びが一切ないここの学校(マイには好都合)嫌がりそうだなー。でもまた、出会いがあるかもしれないし(惚れやすいアカ)オヤツをダシに誘ってみます(やっぱり食い気^^)。

      あ、もしかしたら、いつの日か、”北ドイツのウィスパラー”、メディアに載るかもですよー。その時は私が一番に取り上げたこと、投書してくださーい!

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