Saturday, 21 March 2015

犬の飼い主免許、ドイツで導入






魚を釣るのに、免許が必要なの?!と、よく聞かれることがあるのですが、

今度は、犬を飼うのに、免許が必要になりました。


と言っても、最近の話ではなく、2013年7月から、私の住むニーダーザクセン州で導入。

ドイツ語では、 Hundeführerschein いわゆる”飼い主免許”と呼ばれています。

この免許導入は、まだ、ドイツ全体ではありませんが、今までにも、番犬や闘犬種、問題犬として指定された犬の飼い主に、専門知識を習得したという証明を義務付けた法律はありましたし、ハンブルグやベルリンといった大きな都市ではそれぞれに細かく条例が定められています。


また、これとは別に、全ての飼い犬にマイクロチップの埋め込み、その番号を州の定めた機関に、個別で登録しなければならない法律も加わり、ますます犬に関する決め事が増えてきたという状況。(注*犬税を支払う市町村への登録とは別の機関。)


では、飼い主免許とは一体何なのか?

質問形式で分かり易い説明があったので、簡単に訳してみます。(元記事はこちら、(ドイツ語)


誰が飼い主免許を取らなければならないのか?

初めて犬を飼う人、全員。


例外は?

過去10年間のうち、何の問題も起こさず、2年以上犬を飼っていたことを証明できる人。

その他、ハンター、獣医、動物保護施設を運営している人。


家族全員に免許が必要?

いいえ、家族が散歩に行くために、免許を取る必要はありません。

但し、責任は全て飼い主が負うこと。


試験内容は?

学科、35問。
犬を飼う前に、合格する必要あり。
内容は、躾、教育、世話、関連した法律。
費用:14ユーロ

実技、犬を飼い始めて一年以内に、”日常的なシチュエーション”をマスターしていることを証明しなければならない。
費用:約200ユーロ




みなさん、どう思いますか?

犬を飼うことに、ハードルを高くして、問題を予め回避する方法なんでしょう。

マイクロチップに関しては、より合理的に犬の管理を行い、犬税(ドイツでは犬を飼うと、税金を納めなければなりません)の申告漏れを防ぐ効果を狙っているようです。
*二次的な効果として、犬の管理を徹底することによって、放棄や無闇な売買を防ぐことも挙げられます。私はこれが有効的だと思っています。

軽い気持ちで犬を飼う人がいなくなる=犬が幸せに暮らせる、ということはもちろん重要なポイントだと思います。

でも、少し引っかかる部分もあるんですよね。

今でさえ、犬を飼う人が減ってきているドイツなのに、これ以上”犬離れ”を増加させたら、本来育てていくべき、人間と犬との関係はどうなってしまうのか?

釣り免許に関しても、私は環境を守る良い制度だと思っているけれど、一方で、悲しい現実も見えてくる。

例えば、いくら釣りに興味を持っても、日本の様に、子供同士で自転車に乗って、溜池に釣りに行くというのは不可能で、身近に釣り免許を持っている大人がいなければ、その子供は魚を触ることすらなく、大きくなる。

近所に犬が居なければ、身近に犬を飼っている人が居なければ、、、というのも同じこと。


確かに、まだ行政による殺処分があったり、物の様にペットを売り捌くことが可能な国々では、少しでもペットの管理を強制するシステムがあれば、と望む気持ちでいっぱいだけど、

ドイツのような、動物保護、自然保護、先進国の取り組みを実際に見ていると、それはそれで問題点も見えてくるんです。

無知が生む、無関心ほど怖い物はないんじゃないかなーと。









参考資料:ニーダーザクセン州、犬に関する法律(ドイツ語)

より詳しい説明は、こちら (FAQ) Cov Connect (ドイツ語)









10 comments:

  1. こんばんは。
    マイちゃん、いい表情していますね。

    犬を飼うのに免許が必要だなんて、びっくりです。
    初めて犬を飼う人にとっては、かなり敷居が高くなりそうですね。でも、ブリーダーさんの信頼が得られて、犬を手に入れやすくなるという利点もありそう。
    (初めて犬を飼うことにしたとき、意外に大変だったのが、ブリーダーさんから快い返事をもらうことでした)

    ところで、ドイツで犬を飼うときには、いったいいくつの機関に届け出をしなければいけないのでしょう?税金とマイクロチップの番号は別なんですよね。飼い主免許はまた別の機関なのでしょうか?
    なんか複雑そうですが、それでもきっとそれなりに、ちゃんとまわっているんですよね。さすがはドイツ…

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    1. コメントありがとうございます!
      私がpc作業しているときは、背中の後ろにこうやって座っているんです。窮屈だと思うんですけどね。

      私も、一般的には良いことだと思うのですが、例えば移住したばかりの外国人が犬を飼いたい場合はどうなるんだろう?とか、10年以上前に犬は飼っていた人が、ご近所の犬を好意で譲り受けたい場合など、線引きをしていまって、外れてしまう人が出てくるのでは?と思ってしまいます。
      確かに、譲渡の段階ではどちら側も、スムーズに話が運びそうですね。そうですか、オモさんは確か高貴な家柄ご出身でありましたね(犬種を教えていただいて、ちょっと調べてみました^^)。

      うちの州では、今のところ大きく2つの機関になりますが、試験の登録は各自で行わなければなりません。また、個人で民間の機関(失踪した場合等の対策として)にも登録できます。あと、掛かりつけの獣医は自分で見つけなければなりません(確か日本は、予防接種の呼びかけなど、自治体から送られてきた気がしますが、こちらではないです。)
      ドイツで面倒なのは、2つの機関は、同じ行政によるものなのに、一つに登録すれば自動的にカバーされるということがないのです。他の事に関しても、そういうことが多々あり、こちらが怠ると、直ぐに罰金という制度です。
      なので、自分でしっかり把握していないと、嫌ーなサプライズが待っているのです(笑)。

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  2. こんにちは。はるか遠く、海を渡ったアイダホ州のKAOです。
    先日は、わざわざのご訪問ありがとうございました。

    ブログ読ませていただきました。ドイツの風景と生活・・素敵ですね~。
    それとー・・マイちゃんなんですね?うちの子犬様に似ていると言うのは・・。
    かわいいので、すぐにわかりました!(すいません、親バカで・・)
    似ているのは、姿・顔だけではないですね。マイちゃんの行動全てが、うちの子犬様に当てはまります。間違いなくレッド・ヒーラーの血が入っていると思います。

    レッド・ヒーラーは、オーストラリアの牧羊犬で野生の犬「ディンゴ」の掛け合わせだと言われています。なので、特徴的な大きな耳を持ち、ひじょうに高い独立精神を持ち合わせています。また仕事柄、牛の踵を噛んで誘導する為、生まれた時から自然に動物の踵を噛む習性があります。デイジーも生まれて8週間目で、すでに人の踵を噛んでました 笑)なので、名前がHeeler(踵)と呼ばれています。

    私にとって、デイジーは人生初めての犬なんですが、レッド・ヒーラーで、デイジーでよかったな・・って本当に思います。うちに来てくれてありがとう・・って。
    だから、マイちゃんもきっと、「あー、マイちゃんでよかったなあ~・・」って、みんなが思っているんじゃないかな・・って、勝手に思ってます 笑)

    また、これからも訪問させてくださいね。マイちゃんの大活躍の巻も楽しみに待ってます。

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    1. こちらこそ、遠くから(^^)、そして早速のご訪問、ありがとうございます!
      実は今の今まで、アイダホがどこにあるか知らなかったのですが、KAOさんのブログに出会って、色々と基本情報を調べました。勉強になるキッカケをいただき、ありがとうございますー。そしてこれからも、生の情報を楽しみにしております!

      そうなんです。事故で、バッファローのような牛の牧場に逃げ込んだとき、踵を必死に噛んで集合させようとしていたのを見て、これは?!と思った次第です。
      でも、実際は(現実的に考えると)、ヒーラーの血は入っていないと思うんですが、ロシア犬なので、ライカとか? 
      野良犬は、生き抜くために、人間に改良された特徴をどんどん捨てていき、犬本来の姿に戻ると聞いています。なので、古代犬ディンゴに近づくのは納得いきますね。アジアの山奥などにも、よく似た犬がいるのを、映像でよく見かけますし。
      それにしても、8週間目で人の踵を噛むとは、なかなか強者ですね(笑)。ディンゴのドキュメンタリーを見たことがありますが、本当に素敵な動物ですよね。それに、オーストラリアが保護している方法なんかもユニークで、もの凄く感動したのを覚えています。

      デイジー子犬様、そんなに愛されているなんて、なんて幸せな犬!いや、そう思える飼い主がもっと幸せなんですよね。うちのマイは私にとっては、初めての保護犬(野良犬)で、今のところ、山あり谷ありですが、一日ずつ一緒に年を重ねていきたいと思っています。
      こちらこそ、これからも宜しくお願いします!

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  3. BW洲では HundeführerscheinはまだPflichtでは無いですが、いずれそうなるでしょう。
    確かに利点もあれば難点もありますが、安易に犬を飼ってしまう人を減らす為の効果はありそうですね。
    ただ実技の200ユーロが辛い人はいると思います。

    免許って一度取ればいいって感じで 特に運転免許に関してはご老人達の再試験が必要なんじゃないかと。
    犬の免許にしても犬免許を取得イコール犬が幸せと言う方式が成り立つわけではありませんし。

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    1. コメントありがとうございます!
      確か、スイスでも導入されていると聞きました。そうですね、ドイツ全土になるのも時間の問題かなと思っています。
      費用もそうですし、一年以内というのも、例えば問題犬を時間をかけて躾をしたいというのも却下されてしまいます。お金に余裕のある人が、ブリーダーから子犬を譲り受ける場合”という、一般的な場合のみのための制度としか思えません。

      そうなんですよね、免許があるから、犬を飼ったことがあるから、ハンターだからといって、犬を幸せにしているかどうかは測れません。
      締めつけが強化されて、実際に犬を飼っている私が困ることは少ないですが、これから犬との関わりを始めたい人が制度のせいで、諦めてしまうのは、悲しいなぁと思ってしまいます。

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  4. マイさんの表情たまらないですね~。
    ドヤ顔( ̄▽ ̄)

    免許に関しては、あれば良いのにと思っていたこともあるのですが、なるほど、確かに問題点や疑問点も出てきますよね・・・。

    こちらは欧州と比較して、犬に関しては、後進国ですが、ライセンスに関して、飼い主ではなく、まずは売主に課せば良いのではないかと思ってしまいます。
    恐らくライセンスそのものは存在しているのだと思いますが、誰も取れちゃうようなものなはずです。
    売るものがいるから、買うものがいる・・・。
    とにかくパピーミルや安易に繁殖させて小金を稼ごうとする人間が多いわけで、そのようなところから買う人間が全て悪い飼い主と言うわけではないですが、多くが無知で負の連鎖に陥っている部分が大きいと思うのです・・・。
    でも政府は動物の方まで手が回らない。
    ・・・ということはやはり飼い主の教育を徹底するほうが手っ取り早いのか・・・。
    難しいですね~(´;ω;`)

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    1. コメントありがとうございます!
      少しずつ太陽が暖かくなってきて、犬も喜んでいます(^^)

      えー、後進国とは思わないですよー。ペットに関する新しい考え方、グッズ、スポーツなどなど、殆どアメリカ大陸からやって来ますもん。
      政府が関わっているかどうかという点なんでしょうか。
      ブリーダーについては、あまり詳しくないのですが、かなり厳しいと聞きました。なので、東欧などで繁殖させて、闇で販売されています。でも、これって、買う側もハッキリ違法だと分かっての行為なので、知らないで買ってしまうのとは違いますよね。というか、もっとたちが悪い。安ければ良いという人達。その辺は、法律では変えられない、、それ以前の人としての教育が、、、と思ってしまいます(苦笑)。

      犬を迎えての楽しい生活も、税金に、保険に、チップ登録手続きに、パスポートに、学校入学手続きに、と、直ぐに一冊フォルダーが一杯になるのも何とも不思議な光景だと思ってしまいます。。。

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  5. 面白い記事をいつもありがとうございます。これを読んで、いろいろ思いにふけってしまいました。が、結局のところ、犬飼いの身として、不平等を感じてしまうことは否めません。

    これだけの金額を取るのであれば(200ユーロってすごい)、犬の学校の紹介や、犬飼い経験が豊富な飼い主との交流の場の斡旋など、犬飼い初心者を対象にした事前事後のケアまで、行政が積極的に取りもってほしいと思います。

    もう一つ、車の運転手だけが規則を遵守しても事故は起ります。歩行者や自転車、電車など、交通に参加しているすべての人が交通規則を守ることで、事故が避けられるわけですから、犬についても、犬飼いだけに一方的に規制をかけるのではなく、犬を飼っていない人にも、犬側の信号について学習してもらう機会を与えなければ、やや片手落ちではないかと感じます。

    その意味でakaさんの、飼い主側の無知はもちろん、犬を飼っていない人の知識不足も見逃されるべきではない、というお考えには同感です。

    ドイツで、犬を飼う人が減っているとは知りませんでした。犬を飼っていると、また違う視点から社会や制度を見ることになり、貴重な体験をさせてもらっていると思います。今後はどうなっていくんでしょうねぇ…。

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    1. こちらこそ、いつもコメント&アドバイスをありがとうございます!
      なんでも制度にしちゃうドイツ、そしてそれが出来るシステム作り大好きなドイツ。良い面もたくさんありますが、違和感を感じてしまうことも多いです。

      なるほど!そういう行政側のサポートの方がよっぽど重要ですね。私も学校なんかはネットで探しましたが、犬を登録した時に、そんな地域の情報なんかが貰えれば、活用できていたと思います。州に手紙書いてみようかな、、。
      この実技試験の様子や規則の導入に関してのドキュメンタリーがあったのですが、ちょっと見つからない、、、見つかったらまたお知らせしようと思いますが、spiegel TV Hunde で検索すると、他にも色々と興味深いドイツの犬事情の番組が出てきます。良かったら見てみて下さい。

      確かに犬飼いだけが肩身を狭くしているなと、正直感じることもあります。そういう世の中になってしまったんだと、悲しいですが、諦めているところもあります。犬を飼う人が減っているというのも、今の生活スタイルに合わないからとのこと。結局人間の趣向で増えたり減ったり”させられている”生き物なんだとつくづく思わずにはいられません。
      私の友達にも何人か、”犬嫌い”が居ます。犬自体が嫌いなのではなくて、その回りのもろもろの事情が窮屈に感じ、犬を飼っていること自体に嫌悪感を抱いているという人です。だから、野良犬はOKという、、。これが、私が正に言いたかったことで、締め付けられることで、離れていってしまう例です。極論を言えば、一家に一匹ペット令を発行して、動物との共存とは何か、というのを学ぶべき!と思うのです。

      すみません、ちょっと支離滅裂になってしまいました、、。

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