Thursday 12 January 2017

ドイツの犬ビデオーどんな会話をしているの? 








犬が遊んでいると、楽しそうで飼い主まで嬉しくなるものですが、ホントの所、どんな会話をしているの?というのを丁寧に説明してくれるビデオを紹介します。



数年前にこちらでも紹介した犬のポジションに関する本(その時の記事:犬をより理解するための教本)を基本に、犬との会話を試みている女性がいると書きましたが、

それから数年が経ち、独自で研究する中で疑問が生じ、自分のホームページで今までの考えを改めるという発表をされたのが今回のビデオを製作された方です。

基本的には似ているのですが、以前のように役割をきっちり7つに分けると言うことはしなくなりました。






本当はもう少し細かく分けられているのですが、ここでは大きく分けて、リーダー格の犬と従業員もしくは仕事仲間タイプの犬がいると考えて下さい。

このマリノア(ベルジアンシェパード)はリーダー格。黒のバーニーズMixは従業員タイプ。

始めはマリノアがバーニーズに寝転ぶように、自分が伏せをして試みています。
が、そうは簡単にいかないのが犬の世界!

人間の上司と部下の関係とはまったく違って、部下自らが、「どれだけ力があるのか、私に見せなさいよ!そうじゃないと、一緒に働けないわね!」と、リーダーの度量を試しにかかっています。

次に二頭が走り出しますが、これは意味のない追いかけごっこではなく、会話に持ち込めるかどうかの駆け引き。

スローモーションになったところを見るとよく分かるのですが、マリノアがバーニーズの行く先々に先回りして、線引きをしているのが分かります。(02:07)

これは、飼い主も学べる所で、犬を止めたいとき、犬の行く方向を先読みしてその線上に立つだけでいいのです。


その後、バーニーズが上半身を屈めてゆっくりとした尻尾の動きを見せ、精神的に落ち着いてきたことを表しています。それがマリノアが求めている状態。

その後もバーニーズが走り回ろうとしますが、今度は少しハードに注意勧告。
そして、自分から寝転がって、バーニーズも真似るように交渉しています。(03:17)


 (04:00)からは、穏やかな遊戯、関係の交渉に取りかかっている所。
バーニーズも寝転がって、マリノアが最初から求めていた姿になっています。

そこには、ゆったりとした穏やかさがあり、それをじっくり味わっているよう。綺麗な光景ですね。



さて、次のシーン。

大きなブロンドの犬がリーダー格。若いマリノアは協力者タイプ。かなり外交的な子。
ブロンドの犬はあくびしちゃってます。

こういった全てを早さで解決しようとする活発なタイプは往往に境界線を求めていることが多い。

ブロンド犬としては、「えー、まぁ、ここに立ってることにするか。それで落ち着くかもしれんしな。」


そこに、先ほどの二頭が入ってきます。

リーダー格同士の挨拶も迫力ありますね。

その後直ぐに、リーダー格の方のマリノアが若いマリノアを教育しにかかります。
エナギッシュで楽しんでいる様子が見て取れます。

こういう遊びは、一度で終わりではなく、毎日のように繰り替えされるそうです。うーん、そんなこと、人間関係で毎日やっていたら、すごく疲れそう。。犬って大変!


次に(07:30)バーニーズがマリノアの協力者として参戦してきます。

若いマリノアをストップさせて、おもちゃの兵隊のように動かず立ち塞いでいますが、その様子を付かず離れず見守っているリーダー格のマリノアをちらちらと見ているのが分かります。

これは、自分の意志でやっているのではなく、マリノアからの使命を受けてやっているからということが見て取れるのです。

(08:00)辺りで、若いマリノアの尻尾が柔らかく降られるようになると、全体の空気がゆっくりに変化し、そこでようやく一つのグループとして纏められました。


その後も他の犬のビデオが続きますが、良かったらご自分で分析してみてくださいね。







どの犬がどのタイプだとかは、二の次で、なぜ犬はこんな行動をするんだろう?という興味をどんどん増やせていければと思っています。


この本は去年出版された、彼女の4冊目の本。出版される前に注文してしまいました。

タイトルは、"adventure trust"
人生って、信頼に向かう冒険の旅かもしれない。







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4 comments:

  1. 興味深いビデオの紹介ありがとうございます。解説もとても勉強になりました。

    前半のマリノアは、変な性癖の上司が部下を口説いている感じがしました。(笑)

    ドイツの犬のコミュニケーションは関係を築くためのもので、密な感じがしました。ゆったりとはっきりとしたボディランゲージが多いなぁと思いました。

    このビデオを比べるとアメリカの犬たちの遊びってもっとスポーツみたいな機能的な感じがします。自分と同じ実力の人とテニスを楽しむだけで、テニス以外では関係を築かないみたいな。

    新しい本のタイトルも素敵ですねぇ~。

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    1. 長々とした記事を読んでいただいてありがとうございます!

      変な性癖の上司!?確かに命をかけて口説いてる感がありますよね。訳さなかった部分で、こういう犬はこうしかできない性質だと語られています。その辺、性癖と似てるかも!

      ビデオの試みは、計算されていると思います。セミナーに参加した犬から、もともと行動が明確な犬を選んで一緒にさせているのだと。
      散歩中の挨拶程度の遊びだと、もっとあっさりしている、というビデオもあります。

      プレイグループでも、一回だけだと走り回って終わり、のところ、回数を重ねると、関係が変化していくので、行動パターンのマニアには面白いと思いますよ。

      残念ながら、今のところドイツ語のみでの出版なのですが、上から目線のトレーナーではなくて、飼い主の延長線上という視線が好感持てます。

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  2. 凄く興味深いです。
    犬同士のコミュニケーションの解説が時には納得したり以外だったり。
    マリノアが伏せをした時 立場が逆になったのかと思いがちですが、 そうでは無く「こうしなさい」とマリノアが見本を見せたって事にビックリしました。
    声無き彼らの心の声が聞こえて来そうです。

    散歩中のナナの他犬との交流を観察してみようと思います。
    ナナはマリノアのようなリーダー格で無い事は確実ですが。

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    Replies
    1. 興味を持っていただいて嬉しいです!
      他の彼女のビデオも楽しいですよ。解説付きで見ると、本当に意外なことばかりで勉強になります。
      私も以前はお腹を見せて寝転がるのは、単に降伏のポーズ、というふうに思っていたんですが、犬のよくある行動で、自分が相手にして欲しい行動をまずは自分が相手にやってみる、というのが多いことを知りました。

      そう言えば、ナナちゃんが興奮した犬に対して、じっとしているのもそう言った意味があるのかなぁと思いました。
      このマリノアのように、活発なリーダー格もいれば、大人しいリーダー格も存在するそうなので、なかなか見極めは難しいですね。

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