Monday 14 December 2015

子犬を見に行く 






友達(男性30歳独身)から、子犬を見に行くのだけど、ついて行って欲しいとお願いされた。

彼、犬を飼うのは初めてで、仕事は子供と接するスポーツ関係。勤め先から犬同伴出勤は認められている。(ドイツはこういう犬OKな職場が多いです。相方の職場も犬だらけ^^)

ということで、条件は、子供好きな犬、一緒にジョギングしたり出来るアクティブな犬、初心者でも飼いやすい犬。

かれこれ数年来の夢だそうで、うちのマイと接するようになって、自分も犬が飼えるかも!と自信が出てきたそう。(うちの犬さまが扱えるなら、他の犬はもっと簡単だろうって思ったんだろうね。)

そこで、探してきたのは、スモールミュンスターレンダーという犬種。
WIKIPEDIA:スモール・ミュンスターレンダー


Kleiner Münsterländer II

アカはポインター系、その前に預かっていたのはスパニエル系、人懐っこくてスポーティ、いいんじゃない?

検索するうちに、スモールミュンスターレンダー1/2, イングリッシュセター 1/4, ラブラドール 1/4のMixが見つかった。

ラブが入っているなら、そんなに猟犬猟犬してなくて、もっと飼いやすいはずと、訪ねてみることに。


着いてみると、母犬の興奮した威嚇吠えが聞こえてきたので、しばらく外で待機していたら、リードに繋がれた母犬が出てきて、隔離するからとのこと。

気を取り直して、子犬部屋へ。

友達は、もうそこでノックアウト。コロコロ転がる子犬たちにとり憑かれて、心ここにあらず。この気持ち、もの凄く分かります。だから、私達が付いて来た理由がここにあるのですが(笑)。

殆ど私達が飼い主さんと話をして、一晩考えるということで帰路に着くことにした。







私達の客観的な意見は(子犬訪問後に客観的になるのは難しいですけどね。。。)、

不安要素として、

ー母犬の攻撃的な行動。
母犬アグレッションというのはありますが、程度があると思うのです。
母犬の表情と行動から、人に攻撃する可能性はかなり高いと感じたので、 しばらく外で待機していたのです。母犬の元々の性格が作用しているのか、もしそうだとしたら、攻撃性は高い確率で遺伝する。

ー子犬の環境。
飼い主さんには、3歳くらいの子供が居て、子犬部屋が子供部屋と化していました。
寝ている子犬を踏む、おもちゃで叩く。極めつけは、神聖でならなければならない産室にも、子供がズカズカと入り込んで、寝ている子犬を起こす。。。

そのせいで、子犬たちはそれぞれ、ヒーティングの下や、ソファの下に隠れていました。

もう一人、小学生低学年くらいの男の子も居て、近所の子供たちと頻繁に家を出入りしているのも気になりました。 (これが、母犬のストレスになっているのかも。。)


かといって、子犬が子供嫌いになるかどうか、確実なことは言えません。

ただ、あと1ヶ月、この環境で過ごすのかと思うと、今後の性格への影響に不安は拭えないですし、なんとも不憫でならない。


希望で満ち溢れている友達に、こんなことを言うのは気が重いけど、見てしまったものはしょうがない。。

もちろん彼は、「そんなの俺が教育し直すから、問題ない!絶対大丈夫!」の一点張り。

そうだよね、惚れてしまったんだもの、もう後に引けない。

それに、保護犬を飼っている私に説得力もないもんだ。
親犬も知らないし、どんな経験をしてきたかも知らないし、何か病気を持っているかもしれないけど、飼うことに決めたんだから。。


余計なお世話かもしれないけれど、もうワンクッション、私たちなんかよりももっと専門家に聞いてみようか?と提案してみた。


そして彼女も、私達と同じ意見。

それと、何も話す前に、
「一番最初に近寄ってきた子犬は飼っちゃだめよ~。」と。

くくく(苦笑)、正しく一番に彼の元へ飛んできた犬が、彼のお目当ての犬だった。

でもね、アカも一番最初に私達のところへ近寄ってきた犬だったし、飼い主さん曰く、一番最初に産室の囲いを飛び越えた犬だったらしい。。(道理で!!)


ずしーんと、落ち込んでしまった彼だけど、心は決まっているらしく、その後、他の友達も加えて、飲み会をしている間のテーマは、もっぱらどんな名前にするかで、一晩中盛り上がったのでした。


危ない!踏まれちゃう。

そして、2日後、彼に会うと、「やっぱり考え直すことにした。」と。

次の日に、もう一度、専門家の人と直接自分で話をしたらしく、今回の子犬の環境プラス、
冬に子犬を迎えるのは難しいこと、いくら仕事場に連れていけるとしても、最低2時間に一回はトイレに出さなければならないし、それでトイレトレーニングが失敗することも多いこと、などなど、

長期休暇の取れる夏に合わせて、子犬を迎えることにしたそう。

うん、偉い!
やっぱりきちんと初めから誠意を持って育てるという覚悟が出来ているんだ。

いつか、育児休暇ならぬ、育犬休暇がとれる社会になったらいいなぁ。


で、他の友達からも、子犬を見て、私も欲しくなったんじゃないかと聞かれたのだけど、
自分でも意外なくらい、そんな気持ちは起こらなかった。

そんな良好とは言えない環境だったけれど、絨毯の上で穏やかに眠っている子犬たちを見て、遅かれ早かれ、飼い主が見つかるんだろうなぁとぼんやり考えてしまった。

そして、無性にマイに会いたくなって、帰ってきたらギューっと抱きしめてしまった。










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8 comments:

  1. 犬同伴でお仕事っていいですね!そんなお国柄だったら、犬や飼い主に対する気持ちもお互いにわかって、助け合えるかもしれませんね。こちらも、職場に犬を連れて行くのは全然OKな所が多いです。ただ、1人1匹以上飼ってる人達ばかりなんで、小さい職場なんかは職員の数より、犬が多くなっちゃうんで、全員が犬を連れて行くのはムリみたいですね~・・。犬同士も仲がいいばかりとは限りませんしー。なので、うちの子犬様はいつもお留守番です。

    一番最初に駆けて来た犬を飼ってはいけないってどうしてですかね~?
    うちも、一番最初に駆けて来た子犬がデイジーで、そのままうちにやって来ましたよ!今では、一番最初に駆けて来てくれてありがとう・・って思ってます。今回は、残念でしたけど、お友達にも素敵な子犬がやって来るといいですね~。

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    1. うちのマイもお留守番組ですー。好き嫌いが激しいですから。。。
      相方の職場に限っては、同伴出勤(!)は小型犬が多いですかね。まぁ、大型犬になると、自宅の庭でお留守番しているほうが、犬にとっても気楽なんだと思います。ははは、人間よりも犬の数が多い職場なんて、楽しそうですが、ドッグシッターが必要になってきそう。

      >一番最初に駆けて来た犬を飼ってはいけないってどうしてですかね~?
      よく言われているのは、犬は一番弱いと思われるもの(人)に、最初に近づく性質があるので、飼い主となろうとしている人を初めから弱いと決め付けるところに問題があるという考え方があるみたいです。私としては、一日目の一回限りのことなので、今後の接し方で、改善できると思っていますし、アカの場合で言うと、興味心が強くて、新しいものになんでも近寄っていくという性格が表れていたと思うんですよねー。まぁそれも、マイナス点と捉える人もいるのかもしれません。
      でも、どんな犬であろうと、愛してしまったらアバタもエクボ。誰にも止められないもの(笑)!

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  2. タイトルを読んで「2頭飼い!」って思ったのですが そういう訳だったのですね。

    色んなブリーダーが居ます、ナナの場合 ブリーダーさんと電話で話した事はありますが実際訪問したわけでは無いので どんな環境だったのか分かりません。
    成犬を受け入れた場合は過去に拘らない方が良いのかもしれませんが、ブリーダーからの場合 親犬をよく観察すべきと言いますよね。
    可愛い子犬達をみれば すぐにでも決めたくなる気持ちは分かりますが じっくり考えてアドバイスを参考に決断出来て良かったです。

    子犬達から盲導犬候補を選ぶ際も 呼んで真っ先にすっ飛んで来る犬はダメだそうです。
    たとえ子犬でも衝動的では無く相手の様子を伺い考えてから近寄ってくるタイプがよいそうです。

    「愛してしまったらアバタもエクボ。誰にも止められない」、、全く同感!!
    それは 飼う前は慎重に犬を選び 飼ってからは犬の為に努力すべきって意味でもありますよね。

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    1. はい、残念ながら、私達の犬探しではありません(^^)
      私としては、また多頭飼いをしたいのですが(まずアカを引き取って)、マイが猛反対しますので、しばらく一人っ子ですね。

      そうですね、ブリーダーもそれぞれ。でも、ドイツの場合、ブリーダーの資格試験もあったり、一応は管理下にあるようですが、今回の場合は個人の”出来ちゃった”感がありましたね。ただ、家庭内で小さい子供たちと一緒に大きくなっているということで、それがいいかなぁと思ったのですが、逆でした。。私も勉強になりました。

      なるほど!使役犬となると、子犬の段階で、もっと見極めが厳しくなるのですね。生まれ持った性格を子犬の行動で理解する、なかなか興味深いです。友達の犬探しに、毎回ついて行こうと思います(^^)

      私達、飼う前の慎重さが欠けていたなぁと思っているので、人のことに首を突っ込んでいるところもあるのです。。(苦笑)
      人間でも動物でも物でも、そこに存在すれば、努力して育てる」のは、人としての使命だと思います。

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  3. 鍋こさんのブログからたどり着きました。

    どうなることかドキドキしましたが、最後は、論理が感情に勝っていたので、さすがドイツのお話と思いました。笑

    アメリカ在住ですが、仔犬はクリスマスプレゼントとしてポピュラーです。
    そして、半年がんばってそだてて、飽きたり、面倒になって、夏のバケーションを期に捨てられるというパターンがあるそうです。1歳になる前に手放すともらわれやすくなるという思っている人も多いので。

    夏のバケーションを利用して犬を迎えるって、よい姿勢だなぁと思いました。

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    1. ご訪問ありがとうございます!

      私はちょっと可哀相だったかな~と思ったりしたのですが、結局は彼にも子犬にとっても良い選択だったのではと思います。

      ペットをクリスマスプレゼントというのは、聞いたことはありますが、実際に見たことはないので、ちょっとショック。。。そして、バケーション期に手を余す。。これが、パターン化してしまうんですね。。最悪のシナリオ。
      もっとしっかりした新しい飼い主が見つかれば、そっちの方が犬にとって幸福なんでしょうけど、見つからなかった場合は?と考えると悲痛ですね。

      私も子犬を育てた経験から、躾うんぬんの方法論より、第一に一緒にいる時間かなぁと思いました。なので、あのホームレスの方の犬って、それでお利口なのかも、、とか(^^)。

      アメリカの犬事情、とても興味があるので、そちらにもじっくりお邪魔させていただきます!これからもどうぞ宜しくお願いします。

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  4. 偉そうなコメントしてしまいましたが 私も先代犬達&ナナ 全て慎重に慎重に犬選びをした訳ではないんですよ。
    一頭目のパッチ―は新聞広告を見て、行って即決めたし、2頭目は股関節形成異常で繁殖犬になれない犬をブリーダーから引き取ったし、ナナも前家庭に行って直観で決めたし。
    でも 他の人が犬を飼うとなると Akaさん同様 あれこれアドバイスしたくなるでしょうね。

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    1. 再度コメントありがとうございます!

      偉そうだなんて、とんでもないです!私なんか、自分のことをかえりみず、人(犬)の人生に首を突っ込んで、あれこれ言っているのですから、ちょっと反省したりもしたんですよ。
      色々な飼い主さんと話すと、犬と人との出会いとは、ほぼ偶然のいたずらのようなお話が多いと思いませんか?(特にペットショップがないドイツでは)そんな話を聞く度に、そこから始まった共同生活の波乱万丈さにいつも心踊らされます(^^)。そしてそのそれぞれのストーリーの純粋さに、心打たれます。

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