Saturday 26 December 2015

難民の方と一緒に、クリスマス 






結局、車なしで迎えたクリスマス。

全ての予定をキャンセルし、二人+一匹で森の中で過ごすことになった。

普通なら、相方の家族がパッチワークファミリーでもあるので、最低2回はクリスマスを祝い、
北に南に、ゲルマン人の大移動が行われる。

そんなことから、今年は、なんと穏やかな、気楽なクリスマス、と思っていたのだけれど、少し寂しい気もする。


日差しが気持ち良いお天気に恵まれた。

ただ、犬飼いの身としては、同じ時間に散歩に出かけて、いつものコースを回っていると、そういった行事とはまったく関係のない生活をしているなぁと思い直すも、

森の頂上付近で


 クンクンクンクン(私の鼻)

数km離れた集落から、鳥の丸焼きの匂いが!

たぶん、殆どの家でオーブンフル活動なんだろう。お正月前のおせち準備のようで、なんだか心がふんわりした。



 さて、単に車が壊れただけという偶然の持て余した時間のお陰で、近所で行われた難民の人達を迎えてのクリスマス会に参加する機会が得られた。

集まってみると、この忙しい時間帯にたくさんのドイツ人も参加していて、少し驚いた。

誰かの提案で急に決まったことだというのに、持ち寄りのケーキやクリスマスクッキーで、テーブルが一杯になっていた。この時期、どこの家でも食べ物は飽和状態なんだろう。


今年のトップニュースでもある難民流出問題。

ここの小さな集落でも、受け入れの活動を始めて、様々な意見交換がなされた訳だが、私個人の難民との関わりは、かなり消極的だったとも言える。

様々な方面で取り上げられている様に、市民の不安は募るばかりで、一般市民と難民との溝を深めるような証言を耳にすることも少なくなくなってきた。

同じ人間であるという基本思想が崩れていく光景を、一移民の私としては、危惧の念を抱かずには見ていられない、といった自分本位の見方で、この問題を眺めていたように思う。


でも、問題はそこ(私のちっぽけな頭の中)にはないのだ。


クリスマス会に来ていた子供たちの中に、10歳くらいの女の子がいた。

両親を亡くし、二人のお兄ちゃんと一緒に子供だけで、トルコからドイツまで歩いてきたのだと言う。

後から聞いた話では、途中まで親類と一緒に逃げてきたのだが、ヨーロッパに着いたところで、「この先は関わりたくない。」と、子供だけ取り残されたのだそうだ。


 またある家族は、”手続き上”の問題で、母親と父親が別の街の施設での生活を強いられ、子供たちもそれぞれ父親側と母親側に分かれて住んでいるのだと言う。

ここまで命からがら逃げてきたというのに、ここでもそんな試練に耐えなければならない。


それでも、クッキーを口一杯に頬張って、楽しそうに遊び回っている子供たちの姿を見ていると、少し救われた気持ちにはなるけれど、

特に成人男性たちの、 隠せない将来への不安はひしひしと感じ取れる。


この問題は今始まったばかりなんだ。ここからが正念場。はて、私に出来ることは?


ものすごーい待ち時間の後で、自分で戻って来た。。


 夜になり、お隣さんの子供とお父さんが、森に出掛けるのだと言う。

なんでも、毎年恒例の行事で、森へキツネに餌をあげに行っている間に、サンタさんがやって来るのだそう。

素敵な方法。




世界中の子供たちと動物たちが幸せになりますようにーと、満月のクリスマスにお願いしました。










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6 comments:

  1. 素敵な散歩道で羨ましいです~。

    難民の受け入れの様子など興味深く読ませて抱きました。
    地理的にも近いので、難民問題も身近なことなんですね。

    私は、避けたい問題は避けたいし、優遇されすぎじゃないと自己中心的になったりしますが、直面しなければいけない時はもっとちゃんと考えないといけないのだろうなぁと思いました。

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    1. コメントありがとうございます!

      素敵な散歩道ーそうでもないんですよ~(苦笑)。ほぼ100%の確率で動物と出会いますから、狩猟本能との戦いです(汗)。

      自分で解決できない問題は避けるというのは、自己中心的ではないと思いますよ。私の場合は、安全な場所から客観的に物事を見る振りをして、あーだこーだ首を突っ込んで考えてしまう悪い性格があるので、今回は正面から顔をぴしゃっと叩かれた気分です。
      そして昨日は新しいドッグトレーナーとのセッション。またまたピシャッと叩かれました、、、またの機会に記事にしたいと思います(只今頭の中を整理中ー)。

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  2. こちらにおじゃまするのをご無沙汰してしまったおりました。
    目を三角にしてピリピリした年末を迎えておりまして(笑)。

    ドイツの難民対策は、どこまで本気なんでしょう。Integrationという言葉がどうにも表面的に聞こえてしまいますが、そうでないことを願います。
    恵まれた移民である私がキーキーと不満を言っているぐらいですから、難民の皆さんの不安な状況はどれほどかと。それでも、日々の暮らしの中で何か希望が見つかるといいなあと思います。・・・という日和見的なことしか言えないのって、もどかしいなあ。ほんと、何ができるだろう。

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    1. いやはや、そんな時にコメント頂けて、恐縮です。
      ちなみに、私は羽を思う存分伸ばしたクリスマス&年末です~(ほぼ嫌味に聞こえますね、すみません。車がないって良い事もある??)

      どこの国でも(私が知ってるのは日本とドイツだけですが)、市民レベルの助け合いスキルは向上しているものの、これも経済が安定しているうちの話であって、この先10年20年、市民に頼りっぱなしでは、危うい道だなぁと。
      根本解決は絶対無理(あそこを停止しても、違うとこで勃発)そうだし、この数の人達の人生を背負う覚悟を決めなければ、対策もその時々でころころと変わることはないと思うんですけどね。

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  3. そうですか・・ついに、車は直らなかったんですね。年に2回のクリスマスパーティに参加できないのは寂しいですね。でも、その代わり、貴重な体験をされたようですね!難民・・の問題は、どこの国でも難しいと思うのですが、特にフランスのテロ事件の後だけに、多くの人達はこの問題に消極的、且つ繊細になっていると思います。そんな中で行われたクリスマスパーティって、本当に大きな意味を持っていたことでしょうね!

    確かに、akaさんがおっしゃるように、自分も1移民であるくせに「難民」と「移民」は、違うだろう・・と切り離して、厳しく考えがちな自分がいますね。本来だったら、自国がしなければならないことを、他国がしている訳ですからねー・・。それに彼らは、ドイツの国籍になるわけでしょうし・・。

    難民や出稼ぎ、違法労働に不法滞在などがない世界であって欲しいなあ~と思いますよ。2016年は、明るいニュースが多い年になるといいですね。来年もどうぞ、よろしくお願いします。よいお年を!

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    1. 大雪のところ、コメントありがとうございます!

      はい、お陰様で余裕のあるクリスマス休暇となり、普段ならやらないこと、新しい料理に挑戦もしたり。。どーしても、そちらで見たサンクスギビングのターキー料理が気になって、、、作ってみました!いやぁ、良いヒントをありがとうございました~。

      そうですね、入ってくる時は難民でも、しばらく経つと、移民としての生活が始まるわけですから、同じ立場に立つことになりますね。その時に補償もなくなるわけですから、受け入れ側も本人の状況も厳しくなると思います。
      国籍はどうでしょう?詳しく知らないのですが、国籍取得にはまた様々な難関があるような、、、また、一世代前のトルコ人移民の流入では、あえてドイツ国籍を取らない人が多く、「トルコ人:自分達のアイデンティティを貫きたい。ドイツ人:じゃあなんでドイツにいるんだ?」と、文化レベルの意識の違いで問題が生じるということもありました。

      難しいですよね、、国と国、きっちり分けられているから安心できたり緊張が増したり、、、。

      ホントに、来年は少しは良い方向に向かってほしいです。

      こちらこそ、来年もアイダホ生活を楽しみにしています!
      うーん、西部は一番最後に年が変わる感じ?まだちょっとありますね(^^)よいお年をお迎え下さい!

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