Sunday 7 February 2016

失敗する子は伸びる?(狩猟本能) 









前回の続きです。

群れと歩くのにも、すっかり慣れ、それを通り越して、すっかり気が大きくなった元野犬くん。

散歩も後半に差し掛かったころ、
私もトレーナーさんもまったく気がつかなかった、薮の後ろにいた牛が急に動き出した。
(牛にしてみれば、風除けで薮に隠れていた所に、人と犬の気配を感じて、移動しただけかと。)


2、3頭の犬がそれを追いかけようとする。

もちろん、マイは待ってました!とばかりに便乗。

先の2、3頭の犬は、呼び戻しの合図ですぐに戻ってくる。

もちろん、マイは戻ってこない。


さぁ、どうする?

普段なら、距離を縮めて、声が掛かるところ(いや、犬は耳がいいから聞こえてるはず、、、。気迫が届くところ、と言った方がいいかも。)まで詰め寄って、呼び戻すことが多い。

でも、トレーナーさんに、
今さら呼んだ所で100%戻ってこないし、呼んだことで、それを無視をすることを覚えてしまう。

と、犬をまとめて、逆方向に歩き始めた。

あ、あ、あ、となっている私も、ざわざわしている犬も引き連れて、何もなかったようにずんずん歩く。





数十秒もしないうちに、牛に吠えていたマイの鳴き声は聞こえなくなる。
何をやってるんだろう。牛にでも蹴られたのか?

静かに歩き続ける。

自分でも意外だったのが、落ち着いて歩く犬たちを見ていると、群れの力を信じてみようという気持ちになるものだ。

声が聞こえなくなってから、何分くらい経ったのか、

タッタッタッタッター

半泣き顔で、必死にこちらに駆け寄ってくるマイ。

しかも足から血を流している。。。

それでも、褒めても叱ってもダメ、無視して歩きましょう、ということで、今まで通りに落ち着いた歩調で歩き続ける。犬たちも、チラっと見るだけで何もしない。

一方マイは、なんという情けない顔。うつむき加減でひょこひょこついてくる。

はは、一番懲りているのは張本人のこの犬だな。


想像ですが、勢いよく数匹の犬で駆け出したはいいものの、いつの間にか、一匹になっていたマイ。
知らない場所に取り残されて、パニックに陥る。探しまわっているうちに、どこかで怪我をしたのだろう。(爪が少し割れただけで、大したことはなかったけど。)
 



これで、次のレッスンの課題は、狩猟本能の制御についてということになったのだけど、
一番難しいと言ってもいいかもしれないと言われた。

0(ゼロ)にすることは不可能なので、どこを許容範囲にするかは、飼い主(住環境)次第というところがあるのではないかと思う。

例えば、動物を追いかけて、2分で帰ってくればOK,5分もOK,10分はちょっと、、、とか、
2時間居なくなるのは普通という人もいる。

交通量の多い街中などでは、一瞬で事故に繋がることもある。


うちの場合は、外泊事件から、帰って来てくれさえすればいい”感覚でしたが、徐々に制御を強めているところ。

外泊(冬に外で過ごす夜)も、それなりに堪えたようにも思うし、今回のことも、とても良い教訓になったと思う。次の日から、私の方を振り返る回数が増えた。


「つながりー絆」は徐々にしか育めないものだけど、後退することはないのかもしれない。







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4 comments:

  1. 先生の犬たちちゃんと戻ってくるのはやっぱりすごいですねぇ。

    わたしも失敗するのが怖くって、ココに対してもComeってほとんど使ってないんです。Let's goは、移動するよという意味でつかっているので、その情報をどう使うかは犬に任せてます。言っちゃった後は、後ろ向いてスタスタと歩き始めるんですが、気になって後ろ見ちゃいます。この間は、車で走り出すところでやっと急いで戻ってきました。

    狩猟本能のトレーニング楽しみですね。マイちゃん、頑張れ!

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    1. 先生の犬といっても、2匹以外は一時預かりなんですよー。口輪、ロングリード付きも居ましたが、基本的なことは守るというところが凄いです。何かが違うというのは分かりますが、何が違うのかは徐々に学んでいきたいところですね!

      ドイツ語だとKOMM!なんですが、既に没にしてしまいました。(使いすぎた。。。)おいで!は、長すぎるし、今はHere!を大切に大切に使っています(^^;)
      前を歩かせる、後ろを歩かせるは、あまり意識していませんが、犬にしてみれば、前を歩いていて戻ってくるより、ついて行く(来る)ほうが、楽な行動のように思います。後ろで横道に反れても、戻ってくる確率は高いですね。前に走り去ってしまうと、リードを踏んでいたとしても、なかなかこちらにやって来ませんし。。
      シェイピング法と一緒で、なんとか自分で戻ろうとしたときに、つかさず来い!のコマンドを使ったり、なかなか根気のいる作業ですが、頑張ります!

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  2. まさにうちの犬との関係で私が悩み続けている話題です。読んでいてぐぐっときました。

    マイ嬢が戻ってきた時に、大きな反応を見せないまま歩き続けたのはとてもよかったと思います。そう、群れで常に移動していたら、きっと個体の単独行動はかなり制御できるだろうなぁ、と感じることは多いです。

    でもそれは我が家の場合無理なので、犬が抱える狩猟本能をどこまで許容して、どのあたりから制御するか、はぁ、悩みますね。

    地道ですが、Schleppleine(アドバイスありがとうございました!)を使い始めて半年、よくなったなぁ、と思うことが多いので、うちはとりあえず、もう一年ほどこれを続けてみようと思っています。まずはアイコンタクトの強化と、勝手にどこでも行くと私がよく思わないというのを、あらゆる状況下で、犬に覚えてほしい…。でも、この手法もどこかで限界につきあたるのかもしれませんが。

    以前の動画にあった、aka家の森の散歩の様子を見て、私の頭の中の、犬との散歩のイメージが少し具体化しました。初めての犬で、こちらは努力しているつもりでも、どうもずれていたかなぁ、と思う部分もあり、勉強になります。

    犬以外のお話も毎回面白く読んでいますが、やっぱりマイ嬢の話題はわくわくしてしまいます。お互い悩みながらも、今後も楽しく犬と生活していけるといいですね!

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    1. うちの場合、やっとここに辿り着いたか、、という話題です(もちろん以前から狩猟本能はテーマだったのですが、その前の段階、「普通に落ち着いて生活する」に、2年かかっています。)

      私も普段は、だいたい一人で散歩をしているので、今回のことは本当に勉強になりました。前のコメントにも触れましたが、犬の数ではなく、どんな群れなのかが重要なポイントのような気がします。友達の犬で、みんなで散歩中、全員で狩りに出てしまい、遅れをとった犬が行方不明になってしまったことがありましたので、逆効果なグループも多いかと。。

      そうそう、で、普段の私一人での散歩ですが、常にフリーにしているわけではなく、一回の散歩の中に、いろいろ取り混ぜています。そこは、私の感覚で、前半の”私と散歩をしていること自体が楽しい”ときは、フリーに。飽きてきたなと感じたら、ツケ(BeiFuss)で2分ほど。または、狩猟感覚が冴えてきたな(匂いを執拗に嗅ぎまくるとか)と思ったら、停止させたり。それでも治まらないときは、リードを5mくらいで持って、ブレーキをかけながら、ゆっくり歩かせたり(これは結構効果があります)。
      やらなくなったことは、こちら側に引き寄せようとリードを引っ張ることです。ロックオンしてしまって、動かなくなっても、リードを踏んだままで、犬の元へリードを踏みながら近寄って、方向転換させる。声を使ったり、体で促したり、その時の興奮度で方法を変えながら。

      今の所は、これで十分お互いストレスなく、満足のいく散歩が出来ているので、地道に続けるのみだと思っています。

      あとは、今探しているのはプレイグループです。専門家の監視下での遊ぶグループというのがあるようで、車が直ったら(買ったばかりなのに、故障したんですよー信じられない!!)出掛けてみようかなと思っています。

      うちも先はまだまだ長いですよ。先生にも「この調子で続ければ、あと二年もすればうちの犬くらいにはなるから!」と、言われました。一瞬、ああ良かった~と喜んだものの、あと、、、二年か、、、と、気合入りました。。

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