少し前に書いた友達の子犬探しの件で、いろいろな人と話したり、コメントを頂いた中でも、
「そうそう子犬選びは慎重さが必要。でもねーうちの犬は偶然に見つけた。一番最初に寄ってきた。一目惚れだった。などなど、、、」というものが多かった。
私の知り合いでも、初めから慎重に選んで、様々な選択肢の中から、この犬でなければならない!と決めた人は、救助犬を育てている人以外にいない。
なにかしらのご縁があって、やってきた犬ばかりだ。
私もどちらかというと、犬種にこだわったり(犬種の特性を知るのは好きですが)、初めからスーパーマンならぬスーパードッグを探すなんて、無理だし、考え方としてあまり好きではない。
(使役犬を教育する目的の場合は別。)
後ろ足の筋肉が半端ではない飛びいぬ。 |
この夏知り合ったある男性。
マイを見て、溢れんばかりの笑顔で近寄ってきて、どこから来たのか聞いてきた。
ロシアからだと答えると、笑顔がもっと拡大し、やっぱりー!と、マイと地面を這いつくばって遊び始めた。付け足しておくと、彼は40歳半ばの肉体労働系がっちり体系の男性。
しばらくして、マイがこれ以上大きくならないと知ると、ちょっとがっかりしていた。
なんでも、彼の飼っている犬の幼犬時代にそっくりなのだそう。
ずっと犬を飼いたかったこの男性、子供たちも大きくなり、庭付きの家も手に入れ、やっとこの日が来たと、ロシアからの保護犬の掲示を見て、一目惚れしたとのこと。
シェパードMixということだったらしいけれど、日に日に大きくなり、どうやらアラバイ犬(中央アジアシェパード)が入っていると気づいた時には、犬は彼の心をがっちり掴んでいた。
わたしはアラバイと小型犬のMix? |
例えば、夜に彼がソファで寝転んでいると、絨毯の上に寝転がっていたアラバイ君は、ゆっくり彼の手首を口で挟んで柔らかく引っ張るのだそう。なされるがままにしていると、自分(犬)の体の横に寄り添うようにと絨毯の上に引きずり下ろし、彼がピッタリと犬の体にくっ付いたところで、安心したかの様にイビキをかき始めると言う。
こんな風に、普通の犬(ヨーロッパの犬)とは、ちょっと違った性格を持つこのアラバイ君に、初めは戸惑ったものの、全身全霊を捧げて育て上げた。
ただ、彼以外の家族(奥さんと子供)は、絶対に受け入れようとしない。
ここで普通なら、ティアハイム(動物保護施設)送りになってしまうのだけど、
彼(人間)もこの犬なしでは生きられなくなってしまったから大変だ。
と、私なんかはきっとあたふたしてしまうだろう。
でも、大工さん関係の仕事をしている彼は、さっさと家にもう一つ居間を作った。
絨毯を何枚も敷いて、アラバイ君と添い寝出来る部屋だ。
彼の奥様も、"旦那の離れ家通い"を許諾し、アラバイ君もそれで満足しているのだそう。
何が良い家庭犬の姿なのかは、それぞれの人と犬の関係でしか語れないとつくづく思う。
来年も皆様の間に、たくさんの愛が育まれますように。
よいお年をお迎え下さい。