Wednesday 28 January 2015

犬の学校、一日目







先週の週末、マイくん、初めて学校へ。

興奮するだろうなーと、踏んでいたので、たっぷり散歩してから行きました。

それなのに、そんな努力は酬われず、大興奮

それどころか、思った以上に混乱を見せ、最高値に達したときに出る、高音のキキキキーーという叫びまで披露する始末。

ギャラリーからは、この子、歌が歌えるのねーなんて言われつつも、トレーナーの指示に従って、
練習場へ。




田舎のせいか、クラス分けしているわけでもないのに、大型犬のみ!

その中でも、シェパードとシェパードミックスが多かったです。

マイには重々に、勝ち目ないわよ、と言い聞かせました。


さて、マイの興奮がそんな状態だったので、トレーニングなんて受ける余裕はなく、落ち着かせる方法を色々と工夫していました。

こちらの先生、先週話をしていただけでも感じていたのですが、とーーーっても落ち着いた精神をお持ちで、なんとも話しやすい。

訓練中も、多数になると、大きな声で次の指示を出したりするのが普通ですが、この方は、一人ずつに近寄って行って、アドバイスをしてくれるのです。

だから、訓練が長引く、待ち時間が長くなるのかもしれませんが、私には合っている気がする。
学校の先生とかに、教壇から指されるのがすごく不快になるんですもん。。


明後日の方向を見るふり。

まず、二人のトレーナーが、マイと向かい合いましたが、犬がわさわさいる練習場では全く反応なし。

オヤツも、ボールも、ダミーも、意味なし。

場所を変えて、他の犬が見えない柵の中で、やっとアイコンタクトと従順な姿勢に。

その後は、基本のコマンドも、呼び戻しも、なんなく粉すのです。

うーん、私達も薄々気づいていたんだけど、極端な社会化不足ですね。


それでトレーナーに、どこに住んでるの?と聞かれ、答えると、

ああ、それじゃあ、犬に会うこともないはずだ、

はい、人に会うこともありません。鹿とうさぎと雉にしか会いません。と、付け加えておきました。


それでもしつこく前に立っていると、カーミングシグナル。

というわけで、学校一日目は、
大型犬さんたちが真面目に訓練を受けている中を、ただただ行ったり来たり、

とても迷惑な話ですが、皆さん文句も言わずに我慢してくれていました。 感謝。

それで気づいたのですが、マイに反応する犬が二頭いまして、その犬の横を通る度に、マイはギャンと泣き叫び、相手の犬はガウガウと威嚇するのです。

それがいつも決まって同じ犬。

なんとも、お互いに悪いエネルギーを嗅ぎ合っているんでしょうかね。

それでも、練習が終盤に近づいた頃には、興奮状態もレベル10から4くらいに落ち着き、少しは顔を見てくれるようにもなりました。


しばらくはこんな感じで、学校には行ってるんだけど、授業は受けないで、まずは廊下で学校に慣れる練習から始めたいと思います。



そして、呑気に留守番をしていた姉さん、


相方か私がギャラリーで見ているだけというのも、退屈なんで、

家で、ろくな事もしない(木を齧る)んだったら、アカも一緒に学校行こうか?

なんとなく、後戻りしているような気もするけど、

ほら、免許取ったけど、二輪免許も欲しいーという感覚で、無駄ではないと思うのよ。


………。

ねっ!








Saturday 24 January 2015

北ドイツの方言と歌ーDe Hamborger Veermaster





北ドイツといっても、かなり広い範囲で話されている(話されていた) 低地ドイツ語

私もこれには苦労しています。。

基本的に挨拶は、モイン( Moin!)、この辺ではモインモインと、二度言うことはありませんが、
決して豚の鳴き声を真似ている訳ではありません。

ここに来たとき、意地でもモインなんて恰好悪いことは言わないぞ!と決めていましたが、
この思いは直ぐに破れ、毎日モインな日々。

受け答えの”はい”も、Ja(ヤー)ではなく、Jo(ヨー)。頷くときは、ヨーヨー。

ラッパーな感じです。

恥ずかしいのは、出掛け先でも言ってしまうこと。。(かなりウケられます。)


一体どんな言葉なのか、聞いていただくのが早いかと、有名な歌(wikiにまで載っていました
の中から、私が一番気に入っているバージョンを。おじさんの声が渋い。

英語と混ざっているのが、如何にも船乗りロマン。

低地ドイツ語の部分も、英語だと思って聞けば、なんとなく理解できるのが、習得のヒントかも。
あ、習得したくないですか、、。

昔はこの言葉で、ドイツの上半分はもちろん、オランダ、西ポーランド、スカンジナビアまで、なんとか会話が出来たというから、標準ドイツ語よりも便利な言語だったみたいです。(元商人おばあさん談)

なーんにもなかった北ドイツ地方、思いを馳せたのは、海の向こうにある外国。でも、船上の様子は散々だったというような歌詞です。







Ick hew mol en Hamborger Veermaster sehn,
to my hoodah, to my hoodah!
De Masten so scheef as den Schipper sien Been,
to my hoodah, hoodah ho!
Blow boys blow, for Californio.
There is plenty of gold so I am told
on the banks of Sacramento.
Blow boys blow, for Californio.
There is plenty of gold so I am told
on the banks of Sacramento.


はい、みんな一緒に、

とーまほーでぃー♪

かーりふぉにおー♪

さーくらめんとー♪








Friday 23 January 2015

野犬よ、書を捨てよ、町へ出よう






どうもうちのマイくん、ストリートの経験もあるし、先祖代々野犬であっただろうと思われる
野性的な勘や本能も備わっているのに、頭でっかちなところがある。


現在推定1歳。
その間の数ヶ月をシェルター、ロシアとドイツの一時預り所で過ごしている。

ということは、飛行機での輸送や、多数の犬との生活といった、極端な経験以外は、自分でよくよく
世界を見ることは少なかったのかと。


雪も初めてだったのかな、、というはしゃぎ様。

そんなマイを観察していると、

ぐぐぐぐーーーと、頭の中で何かを追求していたり、

ぐねぐねと、想像だけで何かを組み立てていたり、

考えていた通りにはいかなくて、ククーっと、苦悩していたり、


ふと、思春期の頃の自分を思い出したんです。

結局アカとの葛藤も、そんなところから、溜まってきた鬱憤を吐き出したようなところがあった様な気がしています。


待っている間は、ここに座ってもいい事にしたらしい。

夏から秋に掛けては、私が忙しくて、散歩以外にあまり構ってやれなかったので、秋以降はとにかく連れ歩いています。

初めは、近くのスーパーへ買い物に行くのにも、連れて行ったり。

約10分の道程、10分ほどの買い物の間、車の中で待つだけで、犬にとっては全然おもしろくもないことなんだろうけど、とにかくどんな状況でもクールに過ごす練習。

最近では、待っている間は助手席で眠るようにもなりました。

ちょっとした街にも出掛けていますが、今のところは街中を100mくらい歩くのが限界かな。
人混みは大丈夫でも、自転車と車が苦手。(うちの辺りは、車も自転車も通らないので、練習が出来ない。)

目標は、お店の前でも静かに待っていられること。

その他、友達(他人の家)を訪ねることも覚えつつ、一昨日は、初めて会った人の足元で寝てしまうという進歩。

かと思えば、鼠が居るらしい部屋でパニックになったり。これは、仕方ないか、、、。



運転中は、この定位置で座っているか、丸くなっています。


とにかく、外へ外へ、向けていこうと、随分迷っていた犬の学校も2件見学して来ました。

アカの猟犬学校がとても良かったこともあり、やはりトレーナー選びは肝心だなーと調べるばかりで、
時が過ぎていたんです。

それが、もうどこでもいいから始めてしまおう、と手当たり次第に行ってみたら、、、

楽しいですねー。

なんというか、ごちゃ混ぜな感じ!

どうなってこの犬が出来たのか?という元野良犬くんから、ドーベルマンまで、

全員同じ訓練を行っていて(確か、基本の試験内容)、全くそれぞれな性質の受け答え方をしているのを見ているのが楽しくって。

猟犬学校の場合は、専門の犬が専門的な訓練を受けるところでしたからね、性格に多少の差はあれ、
似た者同士の集まりだった。




飼い主さんたちとの会話も、犬がそれぞれなこともあり、話題が豊富で、おもしろい。

見学には、犬は連れていかなかったから、どんな犬を飼っているか聞かれ、

たぶん、テリアミックスだと答えると、みんな揃って、あちゃーという表情。

野良犬3匹の飼い主さんは、犬飼い歴30年らしいが、この度初めてテリアを飼うことになり、
犬飼い初心者に成り下がったのだと嘆いていた。

確かに、練習しているところを見ていても、言っては申し訳ないが、愉快。
でも、こういう子が存在しているというだけで、犬社会が楽しくなっているんだろうなー。


それに、先週はマイナス気温の寒さでしたが、半日こうやって、外で震えながら頑張っている飼い主さんたちを見て、つくづく犬バカは素敵だ!と思ったのでした。





お気づきの方もいると思いますが、

犬ではなく、私が書を捨て、町に出る時なのです。




『書を捨てよ、町へ出よう』寺山修司
(初版:芳賀書店/改(現行)版:角川書店・角川文庫)

寺山世代じゃなくても、青春の一冊!









Monday 19 January 2015

人に厳しく、動物に弱いドイツ人







と、書くと、本質はとても優しくて心の暖かい人なのよーと、少女マンガに出てきそうな男子を想像するかもしれませんが、

そういう話ではなく、ちょっと困った人間の話です。



事例1:老犬を預かっていた時のこと。

ある朝、起き上がろうとした犬がバランスを崩し、倒れてしまいました。

私は驚きつつも、犬を安静にさせ、動物病院を調べ、服を着替え、タクシーの番号を調べ、というのを同時に取りかかったのでした。

しかし、そんな私に声も掛けず、
この方、犬を抱え、ジャケットも羽織らずに、外へ飛び出してしまったのです。(真冬でした)

一番近くの動物病院まで(その頃、私達は街に住んでおりました。)何kmくらいあったんでしょうか、
とにかく走ったんでしょうね。直ぐに自転車で追いかけましたが、追いつけませんでした。

幸い、早急な処置をしてもらい、大事に至らずに済んだのですが、

こんな場合、動かしたりしては、いけないのでは?

本人曰く、頭を固定させて走ったと。

そのせいか(腕を不自然な形で、20kgの犬を抱えた)、治療が済んだ頃に、自分の腕が麻痺している事に気付き、

帰りは、友達を呼んで、運んでもらうことに。



事例2:最近の出来事。

マイが高台に飛び上がった勢いで、転落してしまい、数時間後、目の白い部分が赤く染まってきたので、直ぐに動物病院へ。

頭部に衝撃を受けた徴ということで、血液を固める注射をしてもらい、48時間は様子見を言い渡されました。

帰りの車の中でも、様子がおかしいなーとは思っていたんです。犬じゃなくて、ドイツ人。

次の日、二人揃っての仕事の打ち合わせが入っていたのですが、帰ってきて直ぐに相手先に電話をかけ、

犬が病気なので、明日は行けません。

とだけ言って、電話を切ってしまった。


夜になり、マイの食欲もあり、目の色も少し良くなってきたところ、ようやく正気を取り戻したドイツ人、

犬が病気って、アホだと思われたかなぁ?

私:もうこいつらとは関わりたくないと思っただろうね。

せめて、私が病気ということに出来なかったのか?

ドイツ人、目を見開いて、アアッ!

うっそー、今気づいた?



弱い、ほんとに弱い。

なのに、人間に対しては絶対に怯まないという。。

学生の頃なんて、嫌な奴に出会うと、一晩中討論して喧嘩別れ。その後は100m以内近寄らないくらい警戒しあう仲の人がちらほらいた。

この人、いつか殺されるんじゃないのー?と思うくらい敵を作るのが好き、というか討論するのが好き。

相手が討論好きだと分かると、ほいほいと乗って行ってしまう。

首輪が付いていれば、直前にクイッと引っ張って、止めさせたいくらい。

特に女性に対しては、気をつけないと大変な事になる。

ちょっと生意気な女子というのが、ドイツには比較的多い(ココ同感な人多そう)。

そういうのに、いちいち腹を立てていたら、前に進むことも進まなくなってしまう。
それに、そういうのに、一度火を点けてしまったら、取り返しがつかなくなるのに。。

なので、それっぽい人が近づいてきたら、私が前に出て話をするようにしている。 ←犬と一緒。


事例3:犬ではないのだけれど…

パーティーの最中に消えてしまったドイツ人。

友達の証言によると、パンクな人が通りかかり、ついて行ったと。

数時間後、のこのこと帰って来て言うには、泊まるところがなかったその人をパンクスがたくさん住んでいる地区に連れて行ってきたそう。

連れて行ったところで、キオスクでビールを買ってくれと駄々を捏ねだしたらしい。

拒否したら、ケチー、死んじまえーと、暴れだしたそう。

それをヘラヘラと楽しそうに話すので、もう一度思い出させました。

この人、子供の頃に、社会見学で鶏農場を訪れました。

そこには、捨てられるオスのヒヨコたちがおりまして、それをポケットに隠し持って帰りました。

両親に内緒で、押入れで飼っていたそうです。大きくなったヒヨコたち=雄鶏。バレるわな。

そして、噛まれるわな。

同じことだよー。

忘れるなー。








Saturday 17 January 2015

やってしまった…犬の保険と牧牛犬






失敗失敗、、。



友達の犬と遊ばせていた時のこと。

主役は、

ロシア犬マイ。

一匹の犬が何やら大きなゴミ袋みたいなものを引きずっていて、犬も人間もなんだなんだと興味を
惹かれ、それが鯉の死体だったから、食べるなーとか、でも触りたくないーとか騒いでいるうちに

ひっそり抜け出したコが一匹。


遠くから響く、ギャンギャンというマイの声。シマッターと思っても、取り返しがつかないので、
一目散に声のする方へ。

一瞬、目を疑い、次に絶望感に襲われた光景。

この方たちに、挑んでいる小さな犬。





旨い牛肉としてこちらに記事にしたことがあるガロウェイ(Galloway)君

迫力のある体格&ツノです。

柵は電気が通っているので、人間は入れないし、入ったところで、自分の身の安全も定かではない。

アカを送り出して、連れ帰るように仕向けようかとも思ったけれど、ハンター雑誌をよく読む私は
それが危険な事だと承知している。

体の大きな犬は、猪のような牙のある動物に襲われた時に、大怪我を追うが、体の小さな犬は投げ飛ばされるだけで、怪我を追うことは少ないと。(だからと言って、小型犬をイノシシ猟に使うのもどうかと思うけど。)

必死に呼び寄せるも、もの凄い集中力で、、、

集中力?

そう、仕事モードに入って、

バラバラに散らばっていた牛を、一つの角に集めたんです。


集まったところで、誰も一歩も動かなくなったところで、満足度100%のドヤ顔で戻ってきました。


近所の馬牧場。必死に見てるけど、、、
冬は誰も居ないよー

アカと追いかけごっこをしているときも、アカの踵を後ろから軽く噛む癖があったのは知ってたんですが、、、。

羊に反応するのも、単に逃げる動物を追いかけたくなる犬の普通の狩猟本能だと思ってたし、、、。

早速牧牛犬で調べてみると、コーギーやオーストラリアンキャトルドッグが出てきて、うーん、似てなくもないな、と。(首回りもアカと1cmしか変わらないという、首太。)


とはいえ、二度とあってはならないことなので(牛君ごめんー)、反省しています。

それと同時に、即、犬の賠償責任保険(Haftpflichtversicherung)に入る手続きをしました。

アカは、もともと働く犬として飼っているので、猟犬の保険に入っているのですが、マイの場合は、まだフリーで歩かせたりしていないし、様子見をしていたんです。

でも、もしもの時が、あってからでは遅いですからね。

この保険は、犬が人や犬に危害を加えた場合という、直積的な事故のためでもありますが、

今回のように、犬が牧場の牛を刺激→牛が驚いて、柵を越える→その牛が自動車道路に出てしまう→車10台の玉突き事故が起こる

といった、間接的に起こる事故のために入っておくと言ったほうがいいかもしれません。

犬を飼っていると、何が起こるか分かりませんからね。。。


ドイツでは、全部の州で義務付けられてはいないものの*、ドッグスクールでは、保険の加盟を命じているところも多いです。

それに、保険好きのドイツ人の性格から、犬も保険に入るのは当然だという考えの人も多いですね。

*Thüringen, Sachsen-Anhalt, Niedersachsen, Berlin, Hamburg では義務となっています。



ふむ、この子にも何か仕事を与えてやらねばならんかな。








Tuesday 13 January 2015

酒が飲めるぞー新年の風習@北ドイツ








何かにつけて酒が飲めるという歌がありますが、ここもそんな感じ。

クリスマスや大晦日を盛大に祝ったのに、


きちんとお正月があります。


元日の夕方くらいになると、ドスの聞いた威勢の良い歌声が響き始めます。

各家の前で、村人(ここは集落の人)が集まり、新年の歌を歌ってくれます。

これの子供バージョンも大晦日にあり、歌ってくれたお礼に、御菓子をあげます。


そして大人には、シュナップス(蒸留酒)をあげます。


歌う曲も昔から引き継がれた3番まであるという、結構長いもの。

家の前で集まっては、歌い、新年の挨拶をして(1人ずつ!)、ドヤドヤと居間に入って、
シュナップスが配られ、クッと飲んで次へ。

ここの集落、40世帯って言ってたかな、、、

そう、単純計算で、最低40杯飲むことになる。


始めは、サクサクッと次へ次へと進むのだが、これが20杯目くらいになると、そうはいかない。

くだを巻く人が出てきたり、暖かい居間にうずくまる人が出てきたり、家の前での集合がグダグダに
なってくる。

近所を回っているので、途中で抜け出す人も続出。

そして、最後まで居残った人達は、もちろん泥酔。

ウチは幸い、最初の方なので、みなさんまだマトモで元気で微笑ましい。
私は、お酌ちゃんとばかりに、シュナップスを注いでまわってたのだけど、

いやいや、ここで張りきっちゃうと後が持たないから、一杯だけにしとく!

と言っていたのがよく分かる。


そうですねー、12時前だったかな、、、犬の用足しに外へ出たら、まだ歌ってました。

6時間耐久レース。。。




一週間後に、これのごく身近なご近所バージョンもあり、
隣接する4軒だけで、同じことをもう一度。

これは、もう少し丁寧な、ゆっくりとしたもので、歌った後は居間で30分ほど寛ぎタイムがあり、
最後の家では、夕食が振る舞われます。

とは言っても、ごく簡単なもの。鶏のスープとか、豆のスープとか。


料理人のいないウチは、素材で勝負。鹿のソーセージとポテトサラダ。

もう少し寒くなると、北ドイツ名物のグリュンコール(Grünkohl) =ケールを食べる会というのも行われる。

単にレストランに集まって食べることもあるが、

Kohlgang(コールガング)と言って、グループで散歩をしてから、最後にレストランへという風習がある。

アルコール飲料を積み込んだ木製の荷台を引きずりながら、ゲームをしながら練り歩く。

ゲームも色々とあるようですが、酒はしんみり飲みたい私は参加したくない派で、よく知らない。

まぁ、飲み会のゲーム同様、最後はグデングデンになるための言い訳のごとく行われる。


週末になると、そういったグループがぞろぞろと歩いているので、車の運転には気をつけたいのと、
犬の散歩も、そんな集団になるべく出くわさないように気を付けたいところ。。



新年の御菓子。パリパリのワッフルに生クリームを入れて。隣のおばあちゃん作。

そんな新年を祝う風習、私は好きです。

子供達に至っては、貰えるチョコレートが好きじゃないものだからって、道に捨てたりする行動が出てきて、もう止めた方がいいんじゃないかと、言われていたりもするし、

大人も、若い世代は、そんな焼酎のような酒を飲むのは嫌だ、出来ればワインで! とか、
趣向が変わってきているのも確か。

でも、ご近所同士で新年のお祝いを言い合えるのって、素敵だと思う。
ただし、そこまで酔っ払う必要もないけど。。


先週末の出来事だったので、うちでの食事会では、もっぱら、フランスのテロ事件の話題で夜が過ぎていきました。

戦争も経験されているおばあさん達ですが、底知れぬ不安でいっぱいのようです。


ヨーロッパは(世界全体か)、悲しみと不安で包まれています。


犠牲者のご冥福を祈るとともに、平和的解決を心より望みます。








Thursday 8 January 2015

子豚をおばあさんに運び続けた犬






今日は小話を一つ。



ウチの森を挟んだお隣は、長い間、空き家でありました。
去年、やっと買い手が付き、只今改装工事中。


昔は、この家に、おばあさんが一人で住んでいました。
おばあさんは、スクールバスが着く時間になると、窓を全開にして、その前を通る子供達に、
おいでおいで、をしていました。

子供達は、おばあさんの話し相手になると、お菓子が貰えるので、交代で昔話を聞いていたそうです。

子供にとっては、全然おもしろくない話だったらしく、話の内容は誰も覚えていません。


さて、そんなおばあさんには、唯一の家族とも言える、一匹のワイヤーヘアード ダックスフントの相棒がおりました。

当時はどこの家も犬は放し飼いだったので、そのダックス君も一日中、庭で転がっているか、穴掘りをしている典型的な田舎の犬でありました。



一昨年の暮に預かっていたダックス♀
シーツが汚いのは目を瞑って…

でもこのダックス君、得意なことがありました。

それは、隣の村の養豚所に行き、そこのゴミ箱を開けることでした。

養豚所のゴミ箱には、死産したり、生き延びられなかった子豚が捨てられています。

ダックス君はその小さい体にも関わらず、自分よりも大きな子豚を、4ー5kmはある道のりを
ズルズルと引きずって、家まで持ち帰ったと言うのです。


そして、それは、一度だけではありませんでした。


村の人も、ああ、またダックス君が子豚を運んでいる、という光景を数回は見たそうです。
(証言者の数 x 数回 = 相当数)


そして、村の人も疑問だったのは、ダックス君が運んでくる子豚は、いつも新鮮だったということ。

毎日偵察に行って、新しいものをチェックしていたのか、

子豚が生まれる時の声なり、匂いなり、もしくは第六感を働かせていたのか、


今となっては誰も分かりません。



おばあさん、困ったでしょうね。私は、その後の処理とか心配してしまうんですが、村の人は

へ? そんなの庭に埋めたら終わりでしょ。



………。



えええええええーーーーーーー!!!



この辺で昔から飼われている、ぶちブタ。


新しく入った人、そのこと知ってるんでしょうか?

何言ってんの?ここだって、昔はブタにヤギに鶏にガチョウに…
ああ、もういいです。
怖いの?
ううん、怖くない。
じゃあ、いいじゃない。

まぁ、田舎の家を買うときは、覚悟して買うべきだと学びました。



それに、、、

ここの家代々の犬たちも、この庭に眠っています。


やっと写真を見ることが出来るようになった先代犬。でも涙。。


庭の、いつも寝転がっていた、それぞれのお気に入りの場所に。




そう考えると、なんとなくそれが自然な行為のようにも思えてきて、

私も同じ事をしてもらいたいなぁと。

そして、土にゆっくり還っていきたいです。 (ムリだから。。)




というわけで、みんなが仲良く眠っているという、心温まるお話でした。


あっ、おばあさんはもちろん墓地ですよ!








Monday 5 January 2015

しつけ強化期間とその後







クリスマスの喧嘩後(犬のですよ。人間のは、ほっとけ(=放置するの意)犬も喰わん。)
基本を取り戻す為にやったことを綴ります。





犬のしつけに関することは、全てドイツ語で学んできたので、言葉が合っているかどうか分からないのですが、徹底して行ったのは服従訓練

かといって、お座り”とか、伏せ”とか、来い”とかをやらせたわけではありません。

こういうコマンドを使っても、ドミナントもしくは興奮したままやる犬が居るので、お座りしても従ったことにはならないからです。

特に、来い”は、ウチの場合逆に興奮させる言葉で、この期間、禁止用語にもなりました。


心は揺れるが、まだまだ、もちょっと我慢させる。


詰まるところ、禁止の掛け声(ヘイ、シュッ、ナッ)だけを使っていたと言ってもいいくらい。


前回に少し書きましたが、日常活動を二頭同時に、完全に落ち着かせた状態で行わせる為に、
ウチの場合、どうしても服従させる必要がありました。

興奮度の高い犬(アカ)を落ち着かせ、それを鋭い目で見張る犬(マイ)に、そんなことはしなくて良いと教えることを同時に行うには、リーダーは私なんだと叩き込む方法しか思い付かなかった。(リーダー論うんぬんは賛否両論ですが、リーダーになるというより信頼関係を改善させること?)

一番の興奮要素の散歩と餌は、

散歩の前には寝床で落ち着いたのを見計らって、ゆっくりと立ち上がらせてから、首輪をする。
(今までは、飛び上がって喜ぶ犬を無理やりお座りさせて、首輪だった。お座りしても、テンションは高いままだったのに。)

餌は、マットの上で餌のことなど忘れて居眠りしたくらいに与える。
(これも、お座りとか伏せをして、思いっきり眼力で餌をくれ!と訴えさせることを止めさせた。)

休息する場所も、自分では選ばせない。 (自分の寝床はきちんとあるので、そこは神聖な場所。)

その他、家の中のドアというドアは、OKが出るまで踏み出してはならない。 などなど。

とにかく、興奮状態で何かをすることを禁じさせた。

好きなところで寝転がる犬。大抵、人間の側。


これを一週間以上続けたかなぁ。
(この間、おやっさんは一切犬には関与させませんでした。)

この間、撫でることも少なかったなぁ。

二人共、精神的にすごく疲れ果て、
なんか私達、監獄の監視員みたいだね。 と、夜な夜な深いため息をついたり。

はっきり言って、この訓練、楽しくないです。


でもね、効果はすぐに出ましたよ。
特に散歩中。

常に私の顔を見て、次の行動に承諾を求める眼差し。
リードなんて持ってないのかと思うくらい軽いし。

そして、よく寝る。
正しく言えば、小さいことで、いちいち起きなくなった。


これを安心した睡眠と言うのかな?


それと、人間の関与しない犬だけの時間をたっぷり取った。

冬になると、どうしても寒かろうとか、どうせ寝ているだけなら、家の中でもいいじゃないかと、
ついつい庭に出す機会が減ってしまう。
(家で仕事をしている私達、犬だけで留守番することも皆無。)


日中まだ氷点下にならない暖冬の今年をうまく使ってみようというのもあって、
一日数時間、小屋と走り回れるスペースが一緒になった庭の一部に放置しました。




夏の間は殆どここで過ごさせているので、あまり注意深く観察していなかったのですが、
よくよく観察していると、行動パターンが見えてくるんですね。

例えば、重要かと思われる、役割分担。

一匹が就寝中は、もう一匹が屋根や高台に登って、見張っています。
それも、ものすごく落ち着いた表情で、そして当たり前のように交代しています。

そして、訪問者が現れたときも、
どちらかが前に出て威嚇、もう片方は後方でそれを支援、というのを、
ある時はマイが前方、ある時はアカが前方という風に、交代しているのにも気づきました。

たぶん、こうやって、仲間意識=信頼関係が芽生えてくるんでしょう。






そんなことで、一時的に躾を強化しても何の為にもならんよ、持続が大事だぞと、どの教本にも
書いてありますが、

うちの場合、一度は徹底して、やってみて良かったと思っています。

そして、上記したように、これを続けるのは全く楽しくないので(精神的に持たないし、私の性格上合わない)、
犬の状態に合わせて、20%、40%、60%、ある時は今回みたいに100%という感じで、
取り入れていこうと思います。

*躾の瞬間はいつも100%という意味で、生活の流れの中で何%取り入れるという意味です。


犬に合ったしつけ法、飼い主に合ったしつけ法、どちらも大切なんだと思いました。

どちらも幸せじゃないと共同生活出来ませんから。








Friday 2 January 2015

めずらしい羊の家族 2015








元旦の朝、珍しく太陽が燦々と降り注いだ北ドイツ地方。

初日の出を拝める有難さというより、太陽が出てきてくれただけでもう嬉しくて。何ヶ月待った?

昨日の騒ぎ(大晦日)が嘘のような清々しい朝。まだみんな寝ているんだろうな。

うちは今年は年末の事もあり、そんなパーティーも急遽キャンセル、犬と静かな大晦日を。


初走り。
初草。


初…なんだろ?(ドイツ語ではmänchenと言う。) 
こういう芸が出来る犬がいますよね。でもこれは、単に遠くを視察したいが為に、自らあみ出した技。引っ張ってないのに、数十秒立っています。。



それが、今年は未(ひつじ)年だということを元旦に気づいた私。

夕方の散歩は近所の珍しい羊を見に行くことに。


Soayschaf

 Soayヒツジという、原始的な羊さんだとか。

スコットランドの北の島々が並ぶ、もっと北のソアイ島からやって来たらしい。
中型犬よりも小さな体で、ヤギのように見えますが、歴とした羊です。(雄も雌も角があります。)

羊毛も取れないし(取らなくてもよい)お肉もあまりないので、人間からも興味を持たれなかったのが、
ここまで生き延びられた理由なんだとか。

でも、飼い主さんによると、野生の羊なので、扱いが難しいそう。
牧羊犬の言うことも一切聞かないし、逃亡の名人。

そう言えば私も一度、逃走したこの一家を見つけて、連絡した事がありました。
それがなかなか集まらないし、戻らないし、、、

どこまでも自由な精神、それに何といってもかわいい!

そんな観察するのが楽しい羊一家ですが、実は私は犬のトレーニングに使ってました。
マイの逃げる動物を追いかけない練習。

毎日のように、柵の回りを行ったり来たり。
興奮する度に注意して、すぐに立ち去っては、もう一回。

羊にとっては迷惑な話ですが、お陰様で見向きもしなくなりました。


子羊が生まれた時はもっとたくさん居た。

昨年から、国際情勢が一日ごとに揺れ動き、私など詳細が掴めないまま、不安を感じるばかりですが、少しずつでも協調しあえる社会になってくれることを祈ります。

そして、世界中の子供と動物が幸せでありますように。
あ、大人は、、、私も含め、もちょっと我慢したいね。


今年も宜しくお願いします。