Tuesday, 30 July 2013

夏にスタミナ*ハツニラ







Rehherzen mit Knoblauchblätter gebraten


スーパーの冷凍鶏肉コーナーでよく買っていた鶏のレバーや心臓や鶏ガラ。

ビオとかなんとか言わなければ、値段もかなりお得感があって重宝していた。ただ、いつもあるという

訳ではなくたまにドンと入ってきたり、まったく姿を消してしまったりするので、ちょくちょくチェックする

必要があり、いつの間にかそんな存在も忘れてしまっていました。


肉屋さんにお願いして取って置いてもらうという方法もあるらしいんですが、

あそこの日本人、本当は200歳で生の心臓しか食べないんだってー

なんて村の子供の噂になったら嫌だし。

ここに越してきた頃、近所の子供が友達数人連れて”犬を見せて欲しい。”と訪ねてきたんですが

明らかに犬ではなく私を見に来た?

なので、噂になること大いにあり。


そんな先週のある日、鹿の心臓を頂きまして…


珍しいし、捨てるのは勿体ないし、犬にでもあげようかと思ったんですが、

レバニラならぬハツニラ炒めにしてみました。


臭みを抜くために牛乳に浸したあと、軽く凍らせて、アジア人の間では肉切り機と化したパンを

スライスする機械にかけて薄切りに。  凍結が甘く、キッチン台がスプラッター状態になり、

挫折しかけたもののなんとか完成。


美味い。


どんな噂が立ってもいいので、ハンター仲間全員に徴集かけて

心臓は私が頂く! と言いたい。




残念だね。君が一番スタミナ切れしているかもしれない。







Monday, 29 July 2013

Unterm Rad 車輪の下 ー釣り少年の記録








この小説でこの部分を取り上げるか?という方もおられると思いますが、

個人的に何度読んでも好きなくだりです。


主人公の少年ハンスが入学試験に合格し、神学校に入るまでの期間、試験勉強の為に長い間

禁じられていた子供の為の夏休みをやっと満喫出来る僅かな時間の描写です。


魚釣りが好きなハンスが大事にとっておいた古い釣り道具を修繕するところから、

既に少年の期待は高まります。

朝ご飯もさっさと済ませ、一目散に川へ駆け出し、途中でバッタを集めながらお気に入りの釣り場に

到着。柳の木にもたれながら、ウグイや鯉といった魚との真剣なやり取りが始まります。


作者ヘルマン ヘッセが幼少年期を過ごした、18世紀後半のシュヴァーベン(南ドイツ)の黒い森地方

にある小さな町がモチーフになっており、彼の他の作品にも度々この故郷の風景が書かれている。






こちらは北ドイツなので、生息する魚も植物もやや異なりますが、川辺に腰を下ろしてじっと水面を

眺めたり、不意に空を見上げてみたりすると、そんな幼少期の感覚が蘇ってくる気がするんですね。

これはやはり、待ちに待った楽しいことだらけの”夏休み”があったから。

夏がそんな感覚を呼び起こしてくれる。



”日は高く上がり、土手のせきの水のあわは真っ白に光り、川の上にはあたたかい微風がふるえ”*


始めたら、帰りの支度だ。



昼ご飯分の魚も獲れたし。








 *車輪の下 高橋健二訳 新潮文庫

Wednesday, 24 July 2013

Renovierung 改装工事にマイスターの救済






今年もにわとり小屋の改装工事が始まっています。

このところの暑さの中、汗だく埃まみれでかなりヘトヘト。。

ずっと先延ばしにしていた一番嫌な作業=天井の解体はひどかった。体に悪そうな建築資材と

長年クマネズミの住処になっていたであろう痕跡がバラバラと上から降ってくるので、暑くても

マスクにホオカムリに防護メガネ、長袖長ズボンと可笑しなダイエットでもしているくらい汗が出る。


そんな中、救世主のごとく現れた大工ドイツマイスター。


Mit Hilfe eines Meisters ist die Zwischenwand innerhalb 3Std. fertig.


3時間足らずで、壁とドアが完成。

規程サイズではない廃材を利用してもらったのに、さっさと作っちゃった。

赤いギンガムチェックのシャツに赤いサスペンダーという出立で現れ、作業中ずっと口笛を吹いてる。

朝は6時半きっちりに、最初のマルノコの音が響き、私が朝食を食べ終わった9時すぎにはこの壁が

出来上がってたから、本当の朝飯前。


観察していましたが、ムダがないんです。

ノコギリと金槌を取りに行ったり探したり、ボルトが手からバラバラ落ちたり、頭の上に乗っている

メガネを探したりすることがない。

しかもこの方、休憩を取らない。

前に雇っていた助っ人は、タバコを吸って現場を眺めていた時間の方が長かったんじゃないか?


でも、ふと考えたのが、この人の下で働くの大変そう。。

ドイツ語でよく出てくるのが Pünktlichkeit  (時間厳守)。

日本人には当たり前の事かもしれないけれど、南ヨーロッパ人には理解できない制度らしい。

時間を聞いたら、”6時半を5分回ったところ”と答える方々に、6時半でええやんと突っ込みたくなる。

今回も今日中に終わらせるべき所に向けて、昼食抜きで口笛を吹き続けていましたとさ。



私の仕事場の新しいドアが届く。

Meine neue Tür


für Mädchen!

女子専用でございます。

おっぱいが落書きされてる。。。









Sunday, 21 July 2013

日本の釣りにんげんードイツの川に出会う






本当はね、日が昇り始めた頃のひんやり冷えた湖に出向くのが夏の法則なんですが

私を含む日本組が、まぁ一日あるからそんなにがんばらなくても、、ということで

朝食済ませてアカ犬と遊んで10時半過ぎに近くの湖へ。



甘かった。


既に、ぎんぎんぎらぎらの太陽なんです。ぎんぎんぎらぎらの夏なんです。


結局1時間半近く粘って、私とOさんに子供パーチが掛かっただけ。

実は、私達も湖は久しぶり。パイクに至っては、以前書いた放流された魚の件であまり乗り気じゃ

ないと思って避けていました。


次は川に移動。



30分ほど、ここの川の感覚を知ってもらうために試し釣り。

私を含むドイツ組が暑さに限界を感じる中、O氏とMさんは日陰が涼しい、と。ちなみに気温は

26度くらいでした。(北ドイツでは真夏日)



昼食と昼寝を挟み、7時くらいに釣り場へ出掛けることに。

随分と昼休みが長いんじゃないかと思われるかもしれませんが、特に北ドイツは夏の夜が長い。

8時を過ぎてやっと日が傾いてきたかな、という感じで、それまでは捕食の魚の動きは止まってしまいます。

それに、11時くらいまで粘ることが出来るので、それまで体力を温存して置いたほうが得。


5ポイントを廻ることを目標に、いざ出撃。



O氏、Mさんを撮ってみる。普段、人が釣りをしているところを見るのは珍しい。しかも日本人だぁーと、私が一番はしゃいでたりして。


そんなことは置いといて、

このお二人、特定のルアーしか使わないというストイックな釣りをされています。

また後日談で、隣村の馴染みの釣具屋に行った時、

それで、どうだった?奴さんはいわゆる”日本流の釣り”をしたのか、それともお前らの道具借りて

”こっちの釣り”をしたのか?

と、釣具屋らしい質問をされてしまいました。


日本の釣りです。


日も落ちてきて、残り時間も少なくなって来たというのに、焦らず丹念に、

あの辺を狙ってみて、と言ったら、丁寧に執拗に粘り強く投げ続け

この集中力とか精神力とかどこから来るんだろうと.…




10時を過ぎた頃



イャッホーィ!

O氏、身長がドイツ人並あるので小さく見えますが、73cmくらい。



ルアーへの信頼感の差ですね。

ドイツ組、横目でずっと見ていましたが、

食わせる釣り、もう少し言えば、食えと強要させているかのような攻め方、大変勉強になりました。

実は、このブログタイトル、”日本流で釣り”という意味だったんですよね。 私が日本人だからって

いうことで付けたんですが、全然実行されてませんでした。

でも、ここでやっと達成していただきました!(人任せです。)



次の日も午前中でもう一匹いけるだろうと、引きずり回し

初めてのパイクを昼食で食べて頂き、

パイクの骨が歯に挟まったまま電車に飛び乗って、かなりバタバタした釣行は終了しました。

いやぁ楽しかった。



Petri, Dank!
釣りの神様、ありがとう。








Friday, 19 July 2013

日本の釣りにんげんー現る






もうかれこれ2週間くらいになるのですが、きちんと書こうと思ってたらこんなに延びてしまいました。



ドイツでの釣り環境や制度について知りたいと連絡を頂き、やり取りしているうちに実際の釣り環境

を見てもらおうとなったのが事の始まり。


せっかく来るなら、ここの釣り協会の会長さんにも会っていただき、

それなら、ついでにインタヴューもしていただき、、、と話が大きくなったのは、

日本人が珍しいから。

日本の釣りジャーナリストが来るぞ! と盛り上がりはじめ、

なんなら、市庁舎で町長さんのお出迎えだ、ファンファーレでお出迎えだ、と。

ここはアフリカの少数民族部落か?

町長さんとファンファーレはやめてもらい、釣り協会の会長さんに仕切ってもらうことになり、

せっかくだからと会長さん直々のご招待ということで、釣りの許可も頂くことに。


そんな盛り上がりは直ぐに噂となり伝言ゲームが始まり、知り合いから

ーデンマークから釣りジャーナリストが来るんだって?

と聞かれたり。 どこでどうなって、そうなるのか。。


短期滞在されているドイツの都市部から遥々電車で到着されたのが夕方。

早速会長さん家に行ってみると、奥様お手製のここの川産魚料理と逆インタヴュー。

会長さん、タダでは通らせてくれないのね。 

地元新聞に投稿記事を書きたいからと日本の釣り師Oさんと奥様Mさんに先にインタヴュー。

私はと言うと、久しぶりに話す日本語が怪しく、会長さんへの質問に自分で答えたり、、、あかん。。

後日談で、会長さんの奥様が日本語を聞いていて、”なんて素敵な響きの言語なんでしょう。”と

とても感激されていたそうです。日本語なんてまじまじと聞く機会なんてないですからね。

え?そうですよ、かなりたどたどしい日本語でしたけど?


その後、川に出向いて、釣り協会で行っている環境保護の現場を視察したり、

なぜか、一緒に釣りをしている風の記念写真を撮ったりと、たっぷり2時間くらい付き合わせて

しまったのだけど、大丈夫だったかな? ま、これもドイツ風のおもてなしなんで。



うちではこの子がお出迎え。

犬好きのお二人にアカ犬テンション上がりまくり。 遊んでー! から 遊べー!と。

でも、明日の釣りに備えて早めに就寝しましょう。


続く






Sunday, 14 July 2013

Gemüse ernten 収穫した野菜の行き先は…






アクアポニックに気を取られてばかりではありません。

畑も!




一時期、長雨でどうなることかと思った今年の畑ですが、緑がわさわさしてきました。

その長雨と低温を喜んだのが、

Kronenwucherblume (Glebionis coronaria)
春菊と

Mizuna(Brassica rapa var. nipposinica), Komatsuna(Brassica rapa var. perviridis

水菜と小松菜。日本勢でございます。

春菊と水菜は刈り取っても次から次へと新しい葉が出てくるので、ほぼ毎日収穫。


Hokkaido-kürbis

 カボチャは今年も空中栽培!土台も今年はちょっとしっかりしたものを作りました。

ただ、このカボチャ自家採取した種で、緑がかっているのが気になる。。 混合しちゃったか?

Salatgurken u. Dill

 このディルに隠れている胡瓜、弦があまり伸びずにどんどん実を着けだし、実は長くならずに

太くなるいっぽう。 食べてみると普通の胡瓜なんだけど、種の写真では長い胡瓜のはずなんです。

ま、味が良ければ形はどうでもいいのですが、最初胡瓜の前で悩んだこと何分?


スナップエンドウ?スナックエンドウ? ドイツ語でも名前が良く分からない。

おばあちゃんたちは Zuckerschoten と呼んでいました。







収穫物全部を二人では食べきれないので、籠に入れて一人暮らしのおばあちゃん家を廻ります。

”今日は、ズッキーニと胡瓜を一本ずつ貰っとくわ。”という感じで、食べられる分だけを貰ってもらい、

毎回、”コーヒーでも飲んでいかない?”と誘われ、昔話を目一杯聞かされ、、、

いえ、嫌なんじゃなく、理解できないのです。ここの方言、低地ドイツ語というもので、ほぼ外国語。

どちらかといえばドイツ語よりもオランダ語に近い。もう少し越えれば英語に近いとも言えるかも。

元々は英語の元になった言葉らしいので。

おばあちゃんたちも最初はがんばって標準語を使ってくれるんですが、話が盛り上がってくると

どうしても調子が出ないのか、低地ドイツ語になります。

なので、こちらは頭の中で英語とドイツ語を駆使させてなんとか理解しようと奮闘。

そんな風に想像の部分をかなり肥大化させて、大昔の話を聞くものだから、近所の家に雷が落ちた

話もそれはそれは恐ろしく受け止めてしまうんです。

たぶん、童話の類もこうやって脚色されていったんだろうな。


Rapunzel, Rapunzel...







Friday, 12 July 2013

コイ(草魚)捕獲大作戦 ーアイデア募集





去年はパイク捕獲対策本部が設置された我が家。今年は鯉を捕獲して欲しいとの依頼が。

*去年のパイク捕獲作戦はこちら Hecht-Buster パート1 と パート2


池はこちら。




写真ではこじんまりと見えるけど、幅10m、長さ20m、深さ2mと庭の池にしては大規模。

ここでニジマス(Regenbogenforelle)を養殖されています。 庭で魚の養殖…


で、なぜ鯉を捕獲しなければならなくなったか。

この鯉、日本語でソウギョ(草魚 Ctenopharyngodon idellus)という種類の鯉で、ドイツでは

増えすぎた池の水草や藻を処理してくれる魚として重宝されています。

しかしこの鯉、食べ過ぎちゃうのが玉にキズ。

この池の蓮を全部食べてしまったらしい。


そんなベジタリアンな魚なので、マスが食べないグリーン系を餌にすれば話が早いのですが

こちらのお宅、立派な錦鯉も一緒に飼われています。

つまり、この厄介な鯉だけを捕獲して欲しいと。。




苦肉の策。

普通の鯉は食べない固い茎も食べるというので、うちの家の蓮を持参。


毎日同じ時間に菜っ葉類をばら撒いてもらうように指示してきましたが、今回は苦戦しそう。

というわけで、アイデア募集です。

って、そんなん知らんわな。


しかし、なんでうちにそんな相談ばかり来るのか?

釣りの腕を認められているか、暇人だと思われているか。

後者だな。








Saturday, 6 July 2013

今月の旬の魚 Matjes





正確には先月ですが、まだまだ大丈夫!


ドイツ語ではHering、ニシンのことですが、5月の終わりから6月の始めにとれるニシンを

伝統的な方法で捌き、塩漬けしたものが Matjes(マティェス)と呼ばれています。


この時期のニシンは産卵の準備段階。まだ”はらこも白子”も形成される前の若い魚で

この成長段階に暖かくなった北海やバルト海で大量に発生するプランクトンを摂取することから、

油分が15%以上乗っており、とてもまろやかな味わいなんです。

身はピンク色で塩漬けされた部分がほのかにバター色。




海の近くではなくても、この時期ならドイツ各地に出回っている Matjes を是非食べてみてください。


ニシン釣り情報はまた今度!






Big Barsch パーチ*最大








Flussbarsch: 40cm  750g


残念ながら私の成果ではありませんが、

私が見た中で最大でしたので記念に。



それにしても、よく暴れてくれました。 はじめ何かと思ったくらい。




ポイントは、浄化施設付近。

ここは冬でも暖かい水が注ぎ込む所なので、冬場の釣りポイントで、夏は村に近いこともあって

散歩する人が多く避けていましたが、そんなこと言ってられなくなりましたね。


私もがんばろ。







Tuesday, 2 July 2013

ベルリンでアッコ






彼との出会いはこんな質問から。


エーヤツァーヴァって知ってる?

知らん。何それ、ロシアのお菓子?




その後、矢沢永吉のアルバムを生まれて初めて、しかもドイツで聞くことになりました。

E.YAZAWAをドイツ語よみすると、こうなるのです。しかもそんな呼び名、紫色の車に貼ってあった

ロゴぐらいでしか見覚えないんですけど、、、


ま、彼はその矢沢さんのファンで、次に目を付けたのはゴッド姉さん。

ここでまた、初のアルバム静聴。

彼は繊細な感じの同性愛者なので、昭和風の男らしい日本男児に惹かれるのでしょうかね。(いや、ちょっと違うか。。。



またある別の友人は、勝新ファンで、御用牙シリーズ(英語版はHanzo the Razor)を

ウイスキーを飲みながら鑑賞するという素敵な夜を提供してくれたもの。


ある意味、幅広い日本文化を知ったと言うべきか。。。

海外に出た日本人が改めて母国の文化に触れたり、違った視点で母国を見直し再発見するという

ことはよくあることで。


しかし、彼から歌詞の翻訳依頼を受け、、、、、


背中で睨み合う 虎と龍じゃないが

俺の中で俺と俺とが闘う
 

ドス黒く淀んだ 横須賀の海に浮かぶ
 

浮かぶ月みたいな電気海月よ ハッ!



って、どうやって訳すねん!

(タイガー&ドラゴン 作詞作曲:横山剣)


そんな彼にも2年ぶりに会えたベルリン滞在でした。

次回は何が来るかな?



横須賀じゃないけど、神戸の波止場。