ついに、今更、遅ればせながら、
学校に通うことになりました。
始業時間が近づくにつれ、来るわ来るわ、未来の猟犬たち。
クラスメートはこんな感じ。
ジャーマン ショートヘアード ポインター
イングリッシュ ポインター
イングリッシュ セッター
ワイマラナー
ミュンスターレンダー
マヤヴィスラ(
magyar vizsla)
トランシルバニアン ハウンド(
Ungarische Bracke)
これらの犬種に詳しい方ならお分かりいただけると思いますが、
みなさん、 テンション高っ!
俺はやるぜ。私もやったる。なんかしようぜ。おっ、なんだなんだ。ちっ、なんでもないじゃん。
何する何する?ちょっとー、何かしようよー!退屈ーーっ!いい加減何かしようぜーーーー!!!
って言う声が正に手に取るよう。
みなさん、1ー2歳の若さというせいもあるのかもしれませんが、先生の連れてきたショートヘアードポインターの愛犬も、かなりお年なのに負けていない様子を見て、
アカもショートヘアードが半分入っており、年とともに落ち着いてくれることを願っていた私は、
一瞬遠くを眺めたのでありました。
そしてその先生、初めての顔合わせをした時に放たれたお言葉は、
なんてセクシーなメス犬(sexy Hundin)なんだ!
飼い主として、どう答えていいのか戸惑っていたら、頭と体のバランス、筋肉の付き方(特に胸の筋肉)、毛並みと毛の堅さなど、理想的な猟犬の説明をしてくれました。
でも、セクシーって! ま、なかなか猟犬オタクのおもしろい先生です。
さて、コースを始めるに当たって、まず一番の難関は、銃声に慣れること。
これ、本当に猟犬以外にはまったく必要のない訓練です。
人間でも、実際に聞いたことがない人が殆どだと思いますが、はっきり言って、ビビります。
もしくは、ビビらなくても、しばらく耳が麻痺します。
それを聴覚の敏感な犬に慣れさせるわけですから、不自然極まりない! と、この時点で私は反対派の旗を掲げたのですが、
どうしても無理な場合は、この時点で止めても良いと言われて、しばらく様子を見ることに。
学校以外でも、毎日この訓練をし続け(近所で毎日銃を打ちまくれるほど田舎なウチ。)、
2週間後には、大晦日の遠くの花火でさえも怖がっていたアカが徐々に慣れの姿勢を取るようになりました。(私は訓練の後の緊張した筋肉を解す、マッサージ係に徹しました。)
ということで、次の段階の猟犬試験のためのコースに突入。
先週で3回目を終えたのですが、何というか、楽勝?
へ?こんなこと、とっくの昔に出来るようになってたよ、という内容。
まずは、よくある訓練。
足にぴったり体を寄せて歩く(Bei Fuss)、立ち止まったらアイコンタクト+お座り。
次は、Appotieren 物を取ってくる訓練。
待ての姿勢で待たせてから、コマンドを出して、物を取ってくる。
1mくらいから始めて、徐々に距離を延ばしていく。
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ガジガジしないで、軽く咥えていること。 |
戻ってきたら、咥えたままの状態でお座りして、解除のコマンドまで待つ。
ね、簡単でしょ、すぐに出来ると思うでしょ?
家でなら、朝飯前で出来るんです。←これ、他の飼い主さんたちも口を揃えて言います。
そう、
上記に書いたメンバーでやると、こんなことが、非常に難しい!
もともとテンションの高い犬さんたちで、それが集まって、お互いに刺激しあって、もう爆発寸前な訳ですよ。
じゃぁ、まずは落ち着きを求める訓練から始めればいいじゃないかと思うんですが、その反対。
これから課題が難しくなっていく訳で、実際の猟の現場は体力的にも精神的にも、さらに厳しい。
一日中雨に打たれ、炎天下の日もあるだろう。氷点下の凍りつく季節だってある。
その時に必要なのは?
テンション。
うちのアカはこの学校の状況にかなり弱い。
すぐにピーピーと鳴き始めて、落ち着かせようと鳴くのを止めさせようとしたら、先生に
”ショートヘアードは何があってもヤル気が肝心。鳴こうが喚こうが、いつも尻尾が立ってることのほうが重要!”
と、止められました。
そもそも、体力、精神共に持久力のある犬種なので、猟の最初から最後まで、チームを引っ張っていく役割になる犬なんだそうです。
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尻尾がピンっと。 at じゃがいも畑 |
まとめると、
ヤル気満々、テンションマックスの状態に、細部に至るまで完璧にこなす繊細さを兼ね合わせること。
...............。
神業ですがな。
落ち着いた犬を訓練する方法はたくさんあるし、気分を盛り上げてスポーティな競技をさせる訓練もある。
でも、こんなお尻に火を着けて、折り紙折らせるような訓練…
わんぱくでもいい、たくましく…ナンタラカンタラってありましたね。
あの精神だと思います。
女の子だけど。
ま、嫌になったらいつでも止めさせようという感じで、焦らず頑張ってみます。