Tuesday, 17 June 2014

素敵な女性の生き方エッセイ









前回の続きで本の紹介を。
(これも残念ながら、ドイツ語のみ。いつか色んな言語に訳されること願って。。)

Maike Maya Nowak(マイケ マヤ ノヴァク)元シンガーソングライターで、今やドイツで大人気のドッグトレーナー(本人はこの呼び方嫌ってますが)。

この本は彼女がドッグトレーナーになる前の人生を綴っています。


旧東ドイツのライプチヒに生まれ、多くの旧東ドイツ人と同様、壁崩壊後のギャップ、違和感を経験し、向かった先は、ロシア。

そして、文明から更に遠のくかのごとく、ロシアの過疎地に単独移住。

水道も電話もなく、村に辿り着くには2つの川を泳いで渡るしかない完全に閉ざされた村での体験談を独特のユーモアと共に語られています。

ある一匹の野犬、タイトルにもなっているワーニャとの出会い。

その後、9匹の犬が次々に彼女の元へやってくる様子。

村の様子、村民との交流:村民のほとんどが高齢者なんですが、特に女性達、バブーシュカ(おばあちゃん)のたくましく生きる姿も生き生きと書かれています。


そんな中、ある日突然訪れる悲劇。

ドイツでの空虚な生活。

バーンアウト。


何もかもを失った彼女が、そこから光を自ら導き出す姿は同じ女性として心を打たれます。

そして、その希望の光を後押しするかのように、彼女がロシアの村で出会った犬たちとバブーシュカたちの姿が、瞼に立ち上がってくるのです。


ぜひ読んで頂きたいので、内容はこの辺で。

普段なら、ドイツ語の読み物を前にすると、3分で寝てしまう私も、最後まで一気に読めました。
アーティストなので、詩的な表現がちょくちょく出てきますが、全体的に文章はとても読みやすい。
挿絵として出てくる犬や村の写真も素敵ですよ。


夏の読み物に一押し!






4 comments:

  1. この本は絶対 購入して読みたいと思います。
    私は以前に比べると本を読む時間が少なくなり、ドイツ語本は特に遠ざかっているのですが、犬に関係する本なら読めそうです。

    ところで大変失礼なのですが、釣り人間としてakaさんの事をドイツ女性と結婚している日本男性だとばかり思っていたんです。
    しかし所々の日本語表現で あれ?もしかして女性なのかな?って。
    しかし今回の記事にある
    「何もかもを失った彼女が、そこから光を自ら導き出す姿は同じ女性として心を打たれます。」で akaさんが女性だとはっきり分かりました。
    でもドイツ人にしろ日本人にしろ 女性で釣りが趣味の方は少ないですよね。

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    1. そうだったんですか!書いている本人は、そんなこと考えたことがなかったです。
      どうもお気を使わせてしまい、すみません。。
      そうですよね、釣りといえば男性のイメージがありますし、特にドイツでは女性で
      釣りをしている方に出会ったのは一回だけです。

      彼女の他の本2冊は、今までトレーナーとして出会ってきた犬のエピソードをまとめたもので、こちらは彼女の半生というか、ロシアで過ごした8年近くのことが中心です。
      短い節に分かれているのも、とても読みやすいです。
      10頭の犬が自分の側に居るような感覚になりますよ!

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  2. ライプチヒ出身に、ロシアでの生活。
    ロシアを旅してたとき、旧東の村出身でバイカル湖のほとりに移住した、
    私と同じ年のドイツ人女性に出会ったことがあります。
    そんなのもあってか、めちゃめちゃ親近感沸きますね。
    これは読むしかない!

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    1. あの当時、キャピタリズムから逃れるには、ロシアが最良の地だったのかなーと想像しています。

      村の様子がことみさんの旅ブログの写真とそっくりで(砂地の道に歪んだ木造屋敷)バブーシュカの働きぶりとか人生観とかも、同じ視点で書かれてました。
      私はいつか訪れてみたいなと、憧れるばかりです。

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