そんな訳で(前回のお話の続き)、
集めて来て欲しい花の蜜の選択など出来ないのですが、菜の花の時期が終わると、
あれよあれよといろんな色の花粉を運んできてくれる働き者たち。
週替わり、時には日替わりで、違う場所へ(方向)飛んでいく姿も観察出来ました。
今年は6月半ばと7月末の2回収穫。
そして、初めての収穫の日。
ご近所に住む、師匠Jさんのところで、作業をさせてもらえることに。
ドイツ(ヨーロッパ)の養蜂システムでは、蜂が住まいを作る巣の部分(箱)と、花の蜜をハチミツに加工し蓄えておくミツ箱とを始めから分けて育てます。
巣の部分と蜜箱の部分は、働き蜂のみ行き来出来るような仕組みになっているので、女王蜂が蜜箱に卵を生んでしまったりすることはありません。
収穫前になると、その二つの箱の間に、出ていくことは出来るけれど、入ってこれない出入り口を設置し、ハチミツを取り出す時には、ほとんどの蜂が蜜箱から姿を消している状態です。
生きた蜂も一緒に収穫、ということはありません。
さて、上の写真のように、蜜が白い蜜蝋で覆われていたら、ハチミツが完成した証。
それを特別な道具で剥がしていきます。師匠は手慣れたものですが、薄く剥がすのは結構むつかしかった。。
*剥がした蜜蝋にはハチミツがたっぷりついているので、子供のおやつになります。近所の子供たちがお皿を持ってやって来ては、口いっぱいに蜜蝋を含んで、ガムのように噛んでから蝋だけを取り出していました。これが本当においしい!!
遠心力によって、蜜を取り出す機械にかけます。
機械の全貌はこんな感じ。
余談ですが、ドイツでは販売するハチミツには様々な規定があり、屋外での作業や、不衛生な場所での作業はご法度。
この一連の収穫風景を見ていて、「う~ん、ドイツっぽい~」と、改めて思った私です。
このとろーり流れ出るハチミツを見たときは感動&味見もね。
師匠の蜂は6家族もいるので、収穫量も大量です。
私達は今年初めてだったのもあり、蜜を全部取り上げてしまうのも、なんだか気が引けたので、3分の1だけを収穫することにしました。
そして、これが攪拌したあとのハチミツ。
蜜の種類にも拠るのですが、保管しておくと砂糖の結晶が現れやすいものと、そうでないものがあるそうです。
結晶が現れそうなタイプのものは、始めから攪拌しておくと、後々固くなりにくく、このようにクリーミィなハチミツで、黒パンに塗ったりと好まれる種類のハチミツです。
さて、肝心のお味の方は、、、
第一回目は、やはり菜の花が半分位。
師匠のハチミツと比べてみると、師匠のハチミツはほぼ純正の菜の花なのに対し、うちのは黄身がかったワイルドフラワーミックスでした。
喉ごしにちょっと痒みが生じるようなタイプ。私は甘いだけのハチミツより、独特の味わいがあって好きなんですけどね。
巣箱の位置は数百メートルしか違わないのに、森の中ということもあって、こんなに差が出るのもおもしろいです。
第二回目のハチミツは、夏の野花。特に興味深かったのは、近くに野生の蕎麦がたくさん咲いていたことから、蕎麦の蜜の特徴的な味が感じられたこと。
レーベルのデザインなんかもしちゃったりして。 |
蜂が一生のうちに集められるハチミツの量は、わずかティースプーン一杯だけ。
大事に味わいたいものです。
そして現在、飛び回る蜂の数もぐんと減り、
冬支度への準備が始まった様子です。
あれ?巣箱増えてない?