Tuesday, 3 June 2014

ドイツの猟犬学校







ついに、今更、遅ればせながら、

学校に通うことになりました。



始業時間が近づくにつれ、来るわ来るわ、未来の猟犬たち。

クラスメートはこんな感じ。

ジャーマン ショートヘアード ポインター
イングリッシュ ポインター
イングリッシュ セッター
ワイマラナー
ミュンスターレンダー
マヤヴィスラ(magyar vizsla)
トランシルバニアン ハウンド(Ungarische Bracke)


これらの犬種に詳しい方ならお分かりいただけると思いますが、

みなさん、 テンション高っ!


俺はやるぜ。私もやったる。なんかしようぜ。おっ、なんだなんだ。ちっ、なんでもないじゃん。
何する何する?ちょっとー、何かしようよー!退屈ーーっ!いい加減何かしようぜーーーー!!!

って言う声が正に手に取るよう。

みなさん、1ー2歳の若さというせいもあるのかもしれませんが、先生の連れてきたショートヘアードポインターの愛犬も、かなりお年なのに負けていない様子を見て、

アカもショートヘアードが半分入っており、年とともに落ち着いてくれることを願っていた私は、
一瞬遠くを眺めたのでありました。

そしてその先生、初めての顔合わせをした時に放たれたお言葉は、

なんてセクシーなメス犬(sexy Hundin)なんだ!

飼い主として、どう答えていいのか戸惑っていたら、頭と体のバランス、筋肉の付き方(特に胸の筋肉)、毛並みと毛の堅さなど、理想的な猟犬の説明をしてくれました。

でも、セクシーって! ま、なかなか猟犬オタクのおもしろい先生です。



さて、コースを始めるに当たって、まず一番の難関は、銃声に慣れること。

これ、本当に猟犬以外にはまったく必要のない訓練です。

人間でも、実際に聞いたことがない人が殆どだと思いますが、はっきり言って、ビビります。

もしくは、ビビらなくても、しばらく耳が麻痺します。

それを聴覚の敏感な犬に慣れさせるわけですから、不自然極まりない! と、この時点で私は反対派の旗を掲げたのですが、

どうしても無理な場合は、この時点で止めても良いと言われて、しばらく様子を見ることに。

学校以外でも、毎日この訓練をし続け(近所で毎日銃を打ちまくれるほど田舎なウチ。)、

2週間後には、大晦日の遠くの花火でさえも怖がっていたアカが徐々に慣れの姿勢を取るようになりました。(私は訓練の後の緊張した筋肉を解す、マッサージ係に徹しました。)



ということで、次の段階の猟犬試験のためのコースに突入。

先週で3回目を終えたのですが、何というか、楽勝?

へ?こんなこと、とっくの昔に出来るようになってたよ、という内容。




まずは、よくある訓練。
足にぴったり体を寄せて歩く(Bei Fuss)、立ち止まったらアイコンタクト+お座り。






次は、Appotieren 物を取ってくる訓練。



待ての姿勢で待たせてから、コマンドを出して、物を取ってくる。


1mくらいから始めて、徐々に距離を延ばしていく。

ガジガジしないで、軽く咥えていること。

戻ってきたら、咥えたままの状態でお座りして、解除のコマンドまで待つ。



ね、簡単でしょ、すぐに出来ると思うでしょ?

家でなら、朝飯前で出来るんです。←これ、他の飼い主さんたちも口を揃えて言います。


そう、上記に書いたメンバーでやると、こんなことが、非常に難しい!

もともとテンションの高い犬さんたちで、それが集まって、お互いに刺激しあって、もう爆発寸前な訳ですよ。


じゃぁ、まずは落ち着きを求める訓練から始めればいいじゃないかと思うんですが、その反対。

これから課題が難しくなっていく訳で、実際の猟の現場は体力的にも精神的にも、さらに厳しい。
一日中雨に打たれ、炎天下の日もあるだろう。氷点下の凍りつく季節だってある。

その時に必要なのは?

テンション。


うちのアカはこの学校の状況にかなり弱い。

すぐにピーピーと鳴き始めて、落ち着かせようと鳴くのを止めさせようとしたら、先生に

”ショートヘアードは何があってもヤル気が肝心。鳴こうが喚こうが、いつも尻尾が立ってることのほうが重要!”

と、止められました。

そもそも、体力、精神共に持久力のある犬種なので、猟の最初から最後まで、チームを引っ張っていく役割になる犬なんだそうです。


尻尾がピンっと。 at じゃがいも畑

まとめると、

ヤル気満々、テンションマックスの状態に、細部に至るまで完璧にこなす繊細さを兼ね合わせること。


...............。 

神業ですがな。


落ち着いた犬を訓練する方法はたくさんあるし、気分を盛り上げてスポーティな競技をさせる訓練もある。

でも、こんなお尻に火を着けて、折り紙折らせるような訓練…




わんぱくでもいい、たくましく…ナンタラカンタラってありましたね。

あの精神だと思います。


女の子だけど。


ま、嫌になったらいつでも止めさせようという感じで、焦らず頑張ってみます。









8 comments:

  1. 猟犬学校、面白そう!成長が楽しみですね。

    以前、シベリアの猟師と馬で山を登り、狩に同行したことがあるんですが
    そこにお供していた猟犬を見て、犬を見る目が変わったことを思い出します。
    その犬は自分が犬で、しかも猟犬だということを誇りに思っているような
    素晴らしい犬でした。

    食事中人間には決して近づかず、自分の食べ物は移動中の山中で野鼠など
    捕まえて食べてました。
    道中もそれは生き生きとしていて、延べ4日間100キロぐらいの道のりを
    延々とお供するぐらいの体力があり、野生犬なのかと思うくらいたくましいんだけど、家に戻れば家族にちゃんと可愛がられている普通の犬で。
    何このON/OFFの差は!と驚いたものです。プロだなーと。。。

    どんな訓練をすればああなるのか不思議に思ったものですが、
    シベリアの山奥に猟犬コースなんてあるなんて思えないし、
    多分何度も何度も連れて行って鍛えたんでしょうね。
    犬ってすごいや。

    Aka嬢もたくましい猟犬になれたらいいですね。

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    1. ええ!シベリアの猟師と狩りに同行って!!
      すごい経験されましたね。もしかして、前のブログとかに書かれてるんでしょうか?

      うん、それはプロ中のプロですよ。
      最近読んでいる犬関連の本にも出てきますが、性格だけじゃなくて、
      ご先祖様がどこでどんな風に暮らしていたかということも、遺伝するらしいです。
      そのシベリアの犬はきっと、代々同じような環境で受け継がれてきたんだと思います。
      猟犬じゃないですが、ロシア犬マイを見ていても、野犬生活はそんなに長くなかっただろうに、なんかその受け継がれた血のようなのを感じますね。

      そう、そのスイッチが出来るところ、犬の才能なんでしょうね。
      だから、こんなに人間の近くに暮らしている訳で、、、でも、
      それが訓練の仕方によって、どちらかが(猟犬ー家庭犬)劣ってしまう。

      アカの課題というより、私たちの課題かな。。

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  2. 夫の甥っ子が趣味で猟をしていて猟犬はワイマラナーで資格を持っています。
    私は そのワイマラナー、、、マイクって言うんですが、猟犬としての姿を知らず とぼけたような顔して盗み食いが得意な犬という印象なんですが、盲導犬などと同じで仕事をしている時と家庭犬という立場を切り替えているのかもしれませんね。

    犬に対するセクシーと言う表現は私も聞いた事がありません。
    ユニークな方ですね。
    セクシー・akaちゃんの 猟犬トレーニングの今後が楽しみです。

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    1. 実は、立派な猟犬になって欲しいというキッカケではなく、
      何かが欠けているんじゃないかと思い始めての学校参加です。
      前の犬は、同じく猟犬で、猟に出るようになってからは、家では落ち着いた家庭犬になったというので、アカもその切り替えが必要なのかもしれないなぁと。

      このおじさん先生はなかなか経験豊富(自分で飼っている犬が多い)で、
      犬に対する見方がかなりユニークです。
      大雑把なところも気に入っています。

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  3. とてもエキサイティングな訓練!わくわくしながら読みました。
    そっか、猟犬といっていても、猟をしない犬ばかり見ていたので、「猟犬という犬種」みたいな認識になってました。
    aka犬さんが、アーミーばりの訓練にどう反応して変化していくのか、私も見守りたいと思います!

    それにしても。
    犬の先生の、”何があってもヤル気が肝心。鳴こうが喚こうが、いつも尻尾が立ってることのほうが重要!”のお言葉、私の背中がしゃきっとしましたよ。。。

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    1. なるほど!アーミーばりか。。。確かに体力勝負で、辛い時こその精神力を鍛える、みたいな!
      ヤル気が肝心というのは、どんな場合でも、犬だけではなくても、大事ですよね。
      でも、この学校の場合、教室で鬼ごっこさせて盛り上がらせておいてから、
      算数の九九を言いなさい、という感じで、わりと静かなタイプの私は
      無理でしょー!と、言いたくなってしまうんですよね。
      でもこれは試験の為の訓練で、実践では犬の本能で動くみたいですが、
      その時にヤル気がないと訓練も何もやった意味がないということなんだと思います。

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  4. アカ姫、セクシーですよ〜。フセをしてるところとか、ツケの体の動きとか、すらりとした美しさがあります。それでコマンドにも従うんだから、素敵。うちの犬に爪のアカを煎じて飲ませたいです…。
    「お尻に火をつけて折り紙」の表現には笑いました。でも、そう猟犬のテンションを上げたり下げたりの作業って、難しいですよね。どちらかというと静かなタイプのakaさんが訓練されているのかも? 無理をなさらない程度に、猟犬学校の訓練を楽しんでください!

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    1. いえいえ、家ではいい気なもんですが、学校では、私を見てはクンクン泣くんですよね。
      先生からは、それも訓練の一つだから堂々と真ん中に入って見学して下さいと言われているのですが、いつまでたっても甘えん坊なのは、私のせいか…と心がヅキヅキ痛みます。
      なので、今までは8割がたのんびり散歩をしていたのですが、トレーニング7割、残りの3割は匂いを嗅がせる程度に変えました。
      結構しんどいですが、犬も同じく気を張っているので、今までよりも短距離の散歩で満足している様子です。
      そう、私が毎日訓練されている気分ですね。。

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