Monday, 11 November 2013

いろんなドイツの村のかたちーヴェントラント






すっかり秋も深まり、そろそろ今日辺りにも霜が降りそうな予感。

でも今年のドイツは秋が長かったような気がします。そしてそれを十分楽しませてもらったなぁと

今からゆっくり冬に入っていけそう。


さて、今回しばらく滞在していたあまり知られていない素敵なドイツの田舎を紹介したいと思います。


ヴェントラント(Wendland) という、ハンブルグとベルリンのちょうど真ん中辺りにある地域。

三つの州が重なり、エルベ川がゆったり流れる広大な風景。林業が盛んなことから、至る所が

森に囲まれ、その間に村が点在している。そのちょいと昔は東西ドイツ国境に分断され、

他のドイツの旧国境地域と同じく忘れ去られたかのように、アウトバーンや鉄道からも切り離された、

一般的には不便な、でもある意味開放された地域でもあります。


そんな田舎なのに、ここ最近有名になったのは、ご存知の方も多いと思いますが、原発ゴミの

最終埋立て地に指定されて、大きなデモが行われたこと。もっと最近では、今年のエルベ川氾濫で

たくさんのボランティア活動の成果によって注目されたこと。


アウトバーンを降りてから、永遠と続く森に挟まれた道路も印象的でしたが、しばらく生活してみて

えっと…ここドイツだよね?と思うこと度々。

まず気づいたのは、夜でも煌々と輝くショッピングセンターがない。地元の人の話では、新しい店が

出来るという話が起こると、すぐに反対意見が出て撤退してしまうのだとか。

そして、そんな地元の人がとてもオープン。田舎といえば、良い悪い関係なく、外から入ってきた

新しいものを警戒しがちだけれど、そのような警戒心が感じられなかった。

観光地化してるからという理由だけではなく、今住んでいる人達もハンブルグなりベルリンなり

都市部から静けさを求めて移り住んできた人達が多いのが大きな要因のようです。

その他、極々小さな村なのに大都市並みに充実したビオショップがあったり、イベント冊子が

盛り沢山だったり。


むむ、、なぜ同じ田舎なのにこんなにも違うのか?滞在中、悶々とする私。

新しく入ってきた人達と、もともと住んできた人達との交流、かな。

上記の原発ゴミのデモだって、なぜあれ程まで大きくなったのか?イニシアティヴを取っていた中に

都市部とリンクさせるきっかけを作った人がいるはず。それが転入者の人達の繋がりなり、着想なり

に寄るところがあった、と聞いたこともある。

それにしても、その前になぜ多くの人達を受け入れたのか?

転入する人達の気持ちは分かる。自然がいっぱいで、情緒たっぷりの古民家が安く買えるとなれば

田舎生活をしたい人には打ってつけ。でも、そんな田舎、何十年前はどこにでもあったよね。

そして、転入者が増えたおかげで新しい道路が敷かれ、学校が建ち、大きなショッピングセンター…

と、よくあるドイツの片田舎の出来上がり。

ここの場合、転入者に文化人が多かったというのも聞いたことがある。 でも交流がなければ

そんなことも意味はなくなるし…と、疑問は次々に出てくる。


田舎だからって何でも受け入れれば良いというのではなく、吟味して、どれが自分たちに合って

いるかを考える。そんな時にもちょっと離れた所からの意見として、転入者の意見を聞くことの

大切さを知っている。そんな賢者の住むところ。そしてその理由をもっと知りたくなった不思議な所

でありました。



因みに、木組みの家街道というのに指定されているそうです(重要文化財みたいなもの)。

ここの木組みの家は街にあるものとは違って、農家の巨大な家が木組みで出来ているタイプ。

そんな家が道路脇にポツポツ見える景色もここならではみたい。

住んでみたいなーというハンコ、押してきました。







4 comments:

  1. なるほど、文化人がいるかいないかの違いですね。
    私が住むこの辺も、都会暮らしの人からはオアシスだとか言われますが、
    じゃあここに住めるかと聞くと、やはり文化がないからつまらないし
    情報に疎くなるのが怖いと。
    ライプチヒという街が中途半端に近いこともあって、文化交流したい人はみんな
    そっちに行ってしまい、この街の文化も人も育ちませんね。
    ひどいものですよ。

    このお話、私もかなりジェラシーに近いものを感じました。

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    1. 割といろんな街や村を見てきた私なんですが、
      今回はちょっと驚きましたね。
      観光業で生き残りをかける田舎は沢山ありましたが
      それともまた違う。
      おっしゃる通り、中途半端に都市部に近い例はうちも同じです。
      しかも就職率が高いので、止まる人は多いのだけど
      仕事のためだけ、と割り切っている感じでつまらない。

      週末どのイベントに顔を出そうかなぁーなんて考えてみたいものですよ。

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  2. この辺りの貴重な木組みの家写真、いつか実物を見てみたいものです。
    木組みの家街道の地図はしっかり頭に入っているのですが、
    なるほど、こういう所だったのですね。akaさんの記事で情報が立体化しました。

    やっぱり、うちの村も同じような状況です。
    うちの方の放送局ではちょっと知られた30代のModeratorが隣村に住んでいたのですが、
    最近「刺激が無さすぎる」と大きめの都市に引っ越していきました。
    村から何かを発信しようというような動きにならないのが歯がゆいです。
    大型スーパー進出は決まっていて、村の真ん中にそのうちできるらしく。
    村に必要なのはスーパーじゃないと思うんだけどなあ。

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    1. ちょっとあの辺りの地理にも詳しくなったので
      いつか訪れる機会がありましたらご案内します^^
      ケーゲルもきっとあるはず!

      いぷしろんさんのところは、歴史があって、観光業にも
      (気候にも!)恵まれている土地柄なのでいつも羨ましいなぁと
      思っていたのですが、やはり同じような問題があるのですね。
      便利になるのはいいことですが、行き過ぎが目につくんですよね。
      うちの近くの村、ディスカウント系のスーパーが3つもあり、
      それを使いこなすのが豊かな生活だと、、、
      一人遊びも飽きてきたので、今回の滞在でちょっと考えさせられました。。

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