Sunday 1 March 2015

インフルエンザ、日本とドイツの違い







医療関係者ではないので、あくまで個人的な見解ではありますが、
長くドイツで暮らしてきて、いつも不思議でならなかったことを書きたいと思います。



それは、インフルエンザに関する対処法の違いです。
大きくは、風邪全般に対する処方方針の違いでもあるのですが、、。


ドイツで風邪をひいて医者に行っても、インフルエンザかどうかの検査をするどころか、薬も殆ど出してもらえません。
出してくれたとしても、熱や痛みの緩和として、アセチルサリチル酸(アスピリン)やイブプロフェン、
気管支の不快を和らげてくれるハーブ系の薬といった、処方箋なしでも買える常備薬を服用することを勧められます。

わざわざ医者に行ったのに、”ウイルスを抑える薬はありません、自分で打ち勝つしかありません、安静に過ごし、水分補給を十分にしてください。”と言われるだけで、当初は、なんていい加減な医者なんだ!と、プリプリしていたのであります。


というのも、私が日本で受けてきた医療とまったく違うから。

日本で医者に行けば、抗生剤がすぐに貰えるし、インフルエンザに関しても、様々な国での買い占めがあった某”抗ウィルス剤”を処方してくれるのが一般的のようです。

今回も、いつものように、最初の3日間は安静にと言われただけで、5日目になって、中耳炎も併発していることが分かり、やっと抗生物質の投与がなされたのですが、あくまでも中耳炎の炎症を抑えるための薬であって、風邪に対するものではありません。


以前、友達が風邪に罹ったとき、日本から持ってきた市販の風邪薬を分けてあげたことがあります。

2日経っても改善しなかったので、医者に行くことになり、その日本の風邪薬の成分を全て訳して持って行かせました。

すると、医者はそれを見て、にんまり。 すごいね、なんでも入ってるね!

その医者が言うには、ドイツでは禁止されている精神を左右させる成分も入っているとかで、
こんなの飲んだら、なかなか眠れなかったでしょう?と、聞かれたそうです。


”ここでもうちょっと、頑張っておけ!”という成分が入っていたらしいです。


あるピアニストの知り合いは、コンサートの前に風邪を拗らせてしまい、やはり日本人の同僚から、日本の風邪薬を貰ったそうです。

それまで何を試しても効かなかったのに、その薬のおかげで、コンサートは無事終了したそうです。

しかし、その後は人生で最大の悪夢を見た”と、語ってくれました。

つまり、治すための薬ではなく、症状を隠して、乗り越えるためだけの薬なんだと。


インフルエンザの特効薬として出回っている薬も、早めに服用を開始して、ウィルスの拡散を抑え、罹患期間を短縮させる効果があるだけで、ウイルスそのものを退治してくれるわけではありませんよね。

お年寄りや小さな子供にとっては、病気に罹っている期間を少しでも短くする必要があるとは思いますが、健康な大人の場合はどうでしょうか?

抑えきれないウィルスを無理矢理抑えることで、耐性ウイルスが次々に排出される=抗生剤に打ち勝つ強力なウイルスが生まれる、という懸念はないのでしょうか?

こちら、田舎ですので、毎年新たな種類の出てくる鳥インフルエンザに恐怖を感じます。
飼っている鳥類に屋外禁止令が出されたり、森で鳥の死骸を見つけたら、届出なければなりません。


しかし、その横で、せっせと抗生剤を鶏に与え続ける畜産業の人達。


ちょっと、日本の医療を思い出すのは私だけではないのでは?



それに、医療のことに関して、これ程まで国が指揮を取って方針を作る構造というのも、ちょっと怖いなと思うのです。

個人個人がしっかりと選択肢を見つければ良いというだけの話ではない気がします。

私が70歳になっても、まだネットで検索しまくっているとは思えないし。




その名も、”神様の食べ物”というゼリー。

今回はなぜかこれしか喉を通らなかったんです。
見た目通り、頭が悪くなりそうな味で、昔、一度口にしたことがあるだけだったのに、熱にうなされながら、アレが今すぐ食べたいーーーと思い出したという。。

ちなみに赤色もあります。


お大事に。







4 comments:

  1. インフルエンザの患者が世界一多い国って日本だそうです。
    というのは、日本人はすぐに病院に行くのでインフルエンザだとわかる数が
    圧倒的に多いだけの話で、他の国も同じぐらいいるはずだけど、数として
    上がってこないだけという話を聞いたことがあります。
    そもそも病院に行く人数が桁外れに違うんだということですね。

    でもいつも不思議に思うのは、日本ってこれだけ体調管理を薬に頼り、
    働く環境とかも良いとは言えないのに、長寿の国ってどういうことですかね。

    子供が生まれてから、予防接種のことを猛勉強しているところですが
    なかなか自信のある答えがでません。

    お薬の問題。
    ただ病気を治すだけという簡単なものではなく、医療産業の闇とか色々
    考えるとキリがないんですが、うまいこと折り合いをつけて上手に付き合って
    いきたいですね。

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    1. コメントありがとうございます!
      確かに日本だと、インフルが流行っているというのが、トップニュースになるくらいですよね。特に受験シーズンともなると、、、。
      でも、ドイツ人も医者にはよく行くような気がしませんか?あの病欠認可のお札を貰いに行くだけなんですけど。。私も一度行ったことのある医者は、口頭の受け答えだけで、さっさとその紙を渡して、早く帰ってくれと言わんばかりでしたよ。ほぼ流れ作業みたいに。

      そうですよね、謎は長寿の秘訣、、食べ物かな、、とも思うけど、私達が年老いたら、まだ長寿かどうかは分かりませんよね。折角の長生きの遺伝子、大事にしたいですが。

      予防接種、はしかの流行で、今、切実な問題になってきていますね。
      私の友達も、子供の予防接種には頭を悩ませています。その人に聞いたのですが、日本は先進国で唯一、予防接種の選択が可能だという話です。本当なんでしょうか?必要かどうか分からない菌を小さな体に打ち付けて、苦しむ姿なんて見ていられないですよね。少し聞いただけでも、そんな菌、もう絶滅しているのでは?と思うものもありますもん。。
      今回の騒ぎで、ドイツの予防接種義務の締め付けがどんどん強くなる気もしています。

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  2. わわわ><
    インフルもマイさんも、大変な日々をお過ごしだったのですね><!

    インフル・・・久しく掛かっておりません。
    健康な人間であれば、「休養」が一番&唯一の治療法、というこちらの考え方にはこの頃は納得です。
    インフル同様に、胃腸風邪、こちらは私何度か掛かってしまったのですが、日本だと吐き気止めや下痢止めの点滴をしてくれるのに、こちらでは「病院に来ないように」とテレビで流れるほどで、文化の差ですね。
    1度、細菌性の咽頭炎に掛かった際には、痛い目を見ました(´;ω;`)1週間高熱が下がらないということで、救急に掛かったのですが、6時間待ち_l ̄l●lllしかもクリスマス_l ̄l●lll抗生剤が必要なだけなのに、病院の待合室で苦しみ続け、やはり診断は「これは抗生剤が必要ですね」と2分で終了・・・。
    こんな咽頭炎如きに救急に掛からねば薬が貰えないというのも、なかなか病院に掛かれない国であるというのも、将来に一抹の不安を覚えました・・・。
    カナダは医療費は基本的に無料なのですが、万年医者不足でなかなか医者に掛かれません。ちなみにホームドクター制ですが、我が家はWaiting Listに申し込んで3年目、未だ連絡無しです。

    そして、不良娘Maiさん・・・!!!
    家出してしまっていたなんて・・・。
    野生の血が騒いでしまったのでしょうね。
    犬の本能が出てしまった瞬間、人間は太刀打ちできないですよね・・・。
    我に返ったときのMaiさん、焦ったでしょうね。
    Maiさんが隠れていた場所、Akaさん(はじめ、恐らく大概の犬?)とは異なることとても興味深いです。
    カツを引き取って直ぐの時に、道路で車に慄いて、パニックになり首輪(2度目はハーネス!)を抜けて道路を猛ダッシュして逃げたことがあるのですが、ふと我に返ったのでしょう、どうして良いのか分からず、道路の真ん中で硬直していたことが2度程(2度も!どちらも夫と一緒に外出した際)ありました。。。狭い小屋でしか生きてこなかったので、サバイバル能力がなく、逃げてみたは良いが、どうして良いか分からなくなったのだと思います。
    (車に轢かれなくて良かったです・・・)
    そんなカツは、今では3匹の中で「どこにも行かない(であろう。犬なので完璧じゃないが・・・)」と最も安心できる犬になりました。
    Maiさんも、犬の本能があるので勿論過信はしてはなりませんが、これからどんどん成長していくのでしょうね。
    逃避行ネタも不良娘の青春の1ページとなることでしょう^^

    いやー、でも、本当にブログ拝見して驚きました~~~!
    Akaさん、ご無理なさらぬよう、お大事にしてください。

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    1. コメントありがとうございます!
      そうなのですか、、カナダの医療事情。医者不足とは聞いていましたが、国土が広いために、行き届かない地域がある、という問題なんだと思っていました。ホームドクターに3年待ちって、凄すぎます。。カリスマドクターとかじゃないんですよね?
      それに、病院に来るなというテレビ広告?ちょっと見てみたいです。。確かにどこの国でも院内感染の恐怖というのがどんどん高まってきていますよね。でも、外から持ち込まれたものじゃなくて、院内で耐性をつけまくった菌が最も怖いのですが、、私も普通の風邪では、医者には行かなくなりました。待合室で感染しそうだし、どうせ常備薬を勧められるだけなので。。
      でも、6時間待ちとは、、、考えただけで、ブルブルッと背筋が寒くなりました。早く鍋家にホームドクターが現れる事をお祈りします(><)

      はい、遂にやってくれました。朝帰り。(本当は昼過ぎ)
      今回のことで、さらに気づいたのですが、野生本能から来る興奮が、どうも恐怖心とリンクしているようで、自分自身で訳が分からなくなり=パニックに陥るんだと思います。
      たぶん、当初のカツくんの状況と似ているのだと思います。(鍋コさんの過去記事を読んでいて、ちょっとした行動のパターンが似ているなと。)
      迷い犬について調べていた時も、一番多いのが、元保護犬の失踪だそうで、急に逃げてみたものの、何をしていいのか分からなくなって(ここもカツくんと同じですね)、取り敢えずどんどん苦手なものから逃げているうちに、家に帰れなくなってしまうケース。
      交通事故はその中でも一番危険度が高いですね。カツくん、ホントに良かったー。

      うちもこれに懲りて、少しは私達を信頼してくれると良いのですが、、今回の事で知り合った、動物精神学の先生の助言で、恐怖心を軽減する訓練を始めました。一見問題など無さそうに見えた犬なんですけどね、なかなか問題の奥は深いのかなぁと思っています。
      私は今年の課題は免疫力アップかな。(って、何かの宣伝文句みたい^^;)

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