Wednesday, 31 December 2014
Monday, 29 December 2014
クリスマスの事件簿ー2
モモが引きちぎられているのは犬の仕業ではない。 |
この辺、クリスマスは、決まってガチョウの丸焼きです。
水はけの悪かったこの地方、飼育が簡単だったのは、ガチョウくらいだったとか。
なので、この子もご近所さんから頂いてきました。
ドライフルーツをギュウギュウに詰め込んで、オーブンで3時間。
私的には、もち米とキノコなんぞを詰めたら、もっとおいしそうだなぁと思いながらも、
口出しはしませんよ。作ってもらえるだけで、有難くいただきます。
さて、ディナーの写真、私が撮ったわけではありません。
なぜなら、そんな気分にはなれなかったから。
事件は食事の直前に勃発。
前回に書いたように、人間にとって、興奮ーストレスー感情の乱れ、満載のクリスマス。
犬はもっとストレスを受けます。
クリスマスなんて意味が分からないし、不安定な群れ(興奮状態の人間達)に耐えられないみたい。
午前中から人が出入りしていたアカ家。
こういうことに慣れていないマイを心配していたけれど、人にも犬にもフレンドリーなアカが
それをカバー。
率先して、初めての人に近づいていき、鼻をしばらくクンクンさせた後、マイのところに戻り、
アレは悪者じゃない、と教えてあげると、目を見開いて耳を立たせていたマイも安心してゆっくり
近づいていく。
二頭の役割分担で、一日目二日目までは興奮することもなく、うまく行っていたんです。
(これは、私が思っていただけで、犬は一杯一杯だったんだなぁ。)
そして、メインイベントの食事が始まろうとしていた時、寝床に隔離していたはずの犬がうろうろ歩き回っています。
アカは人がたくさん居るところが大好き=遊んでもらえると思っているので、例に漏れず大興奮。
それに加え、ある人がオモチャの銃を手に取って眺めていたのに、ビビるアカ(猟犬なのに未だに銃が苦手です。)
興奮+怯えで、訳が分からなくなっていたアカにマイが注意勧告。
今までにない大喧嘩が始まりました。
飼い主にとって、飼い犬の喧嘩を見るのは本当に辛いです。
前にも二頭の喧嘩について書きましたが、その後も小さいものが数回起こり、最初に思っていた見解とどうも違ってきていることに気がついたのです。
これくらいの取っ組み合いは普通の遊び。 |
色々な事例を読んだり聞いたりしてみても、こういう犬っているんですね。
仲間を統一させたいばかりに、この群れ変だよ!と注意してくれる犬が。
最初は、マイがアカを攻撃しているとばかり思っていましたが、喧嘩の始まる前をよく観察していると、
必ずアカが興奮しているか、怯えているか、もしくは、私達が立ち上がった瞬間に自分も立ち上がるなど、リーダー(人間)に対してドミナントな態度をとった時。
マイはそんな行為を制止しようとアカに近づく。
それをアカは攻撃だと思って、もしくは攻撃される前の防御として、先制に出る。
犬同士の誤解という状況をコントロール出来ていない飼い主失格です。
屋外で”犬だけの時間”も不足がちだった。 |
但し、そんなことを謝っても犬は理解しません。
喧嘩の後は、両方の犬を服従させて、如何なる場合も攻撃は悪いことだと教えます。
完全に興奮が治まるまで側に付いて待って、短いリードで2頭を沿わせて歩かせてから、
庭に(防寒用の小屋はある)犬だけを残しました。
ここまでの行為、平常心を保つのは相当難しい。
私は喧嘩を止める時に、大声を出してしまい、より犬を興奮させてしまった。
そんな後のこれ、
相方はそんな時も落ち着いて行動してくれるのですが、ぷつりと緊張が解けたのか、
食事中真っ青な顔で、誰が話しかけても、さぁ、知らん、どうでもいい、と一点を見つめたままで、
お通夜のようなクリスマスディナーとなってしまいました。
フーッとため息をついて、これからどうすればいいんだろう、と眠れない夜を過ごし、
基本からしっかりやり直すのが一番だろうと話しています。
餌、散歩、睡眠(寝床)、重要な日常活動を興奮状態では絶対に与えないこと。
居眠りしてしまうくらい落ち着いたら与えるようにしています。
常に二頭同時に行って、私達が全部コントロール出来ている、しようとしていることを見てもらって、
私達が居れば、何があっても安心出来るということを分かってもらうのが大事だと。
喧嘩の後も直ぐに舐め合って誤解を解こうとする犬って素晴らしい。 |
あれから5日、随分と落ち着いた日々を過ごしています。
足らなかったのは、やっぱり人間の引率力だったとしみじみ感じている年の瀬。
アカ、マイ、ごめんよー。
Sunday, 28 December 2014
クリスマスの事件簿ー1
北ドイツ地方は雪は降らず、雨の降る暖かいクリスマスでした。
皆さまも一大イベントが終わって、ホッとされていることと思います。
うちは田舎だからか、ツリーの下に必ずクリッペという、イエス生誕の場面を模した置物を飾ります。
今年は私が担当。
そう、キリスト教のキの字も知らない私が演出。
ストーリーは、なんとなくどこかで聞いたことがあるような、、、(当たり前)
でも、実際に人形を手に取っても 、コレ誰?状態。
お雛様で鍛えた技を披露したくても、図解されている訳ではなく、かなりアドリブが必要。
それに、信仰深くないうちのドイツ人たちは、質問しても、
えーっと、誰だったっけ? 箱に書いてなかった?
とりえあえず、三聖者(?)のおじさんと、ラクダを連れたおじさんは、まだ旅の途中ということで、
段違いで、距離を表現。
近所のおばさんも、良く出来てる、と言うだけで、合っているか尋ねても、まぁこんな感じよーと。
どなたか、お詳しい方、ダメ出しを宜しくお願いします。
さて、クリスマスと言えば、家族集合、日本の年末年始の雰囲気です。
大きい家族なら、わいわいがやがや楽しいひと時。それと同時に、人が集まる=問題が起きるのも常。
どこかで読んだのですが、ドイツ人をやっつけたい時は、ドイツ人だけを狭い空間に集めて、放置しておけば、自ら戦い合い始めると。
なるほど、すごーく解る気がする。。
クリスマスも同様。
一日目は久しぶりに会った喜びで、お互い興奮気味にはしゃぎまわり、
二日目になると、昨晩の騒ぎすぎた因果で、二日酔い=機嫌が悪くなる。そして、その夕方あたりには
嫌なところばかり目についてきて、夜に爆発。
三日目は、もう二度と顔も見たくない気分で別れる。
これを、イースターにも繰り替えしてやる。
ここのウチも、そんな感じ。
一番下の妹が喧嘩の種をせっせと蒔いて、それに三男兄弟どもがまんまと引っ掛かっていく。
私としては、学校や普通の友達関係では絶対に習うことのない"新しいボキャブラリー”を習得出来るので、心配そうにしながらも、ちょっと楽しい。
ふぅーん、こういう時にそういうことを言えば、こういう反応が得られるのかーと。
殆ど使えない(使ってはいけない)ですけどね。映画を観るときに役立ちます。
でも、時は過ぎ、そんな兄弟妹も、ここ2、3年のうちに、結婚、出産とばたばた生活環境が変わり、
性格もすっかり別人になってきた。
家庭を持つことで、こんなに変わるんだなぁと、一生変わりそうにない自分を、反省の眼差しで見直して見たりもするのだけれど。。
まぁ、彼らは、実家で過ごせる”ことの、気楽さを学んだ様子。
というわけで、人間同士の諍いは起こらなくなった(少なくなった)アカ家でありますが、
今年のビックファイトは、
そう、このお二方。
長くなりそうなので、
つづく。
Monday, 22 December 2014
犬のクリスマスマーケット in Berlin
犬大国で、クリスマスマーケット本場のドイツですから、こういうものが出てくるのは予想範囲内。
うちも情報だけは回って来ていたんですが、すっかり忘れていたら、先日の新聞(Die Zeit)に、
特集記事が全面で紹介されていました。
なになに、
天然鮭の犬用アイス(もちろん人工アロマなし)
犬用クリスマスクッキー*鹿肉ラグー風味、チーズ、羊味
Second Hand ならぬ、 Second Houndのお店
ふーーー楽しそう。
と、思うと同時に、財布の紐が緩みっぱなしになりそうー。
自分のものを買うときは、とても慎重なんですが、犬のことになるとなぜか脳の機能が停止してしまう。
新聞の記事も、そんな消費者(飼い主)たちを、ちょっと皮肉っぽく捉えた箇所も。
"Barfen" (餌として生肉を与えるBarfという単語からドイツ語動詞に変化した)最近出来たドイツ語を使って、会話する飼い主たち。
味にうるさいプードル婦人は、試食出来る店頭販売がお気に入り。
主催者の、次はサマーパーティーを企画中というのに対し、それとクリスマスの違いを犬が理解するかどうか見ものだ。
など、
でも、全体的には好印象。
2000人の訪問者+同じ数の犬が訪れたにも関わらず、事故や問題が起こることはなく(今年で3回目) みんなお行儀良かったと。
(確かに毎年酔っ払い続出の人間のクリスマスマーケットは醜い。。)
というのも、マーケットにはドッグランが隣接して設置されていて、買い物を楽しむ前に犬を十分遊ばせることが出来るし、会場の近くは森に囲まれた地域、お散歩のついでに立ち寄れるらしいから。
まぁ、客観的に見れば、飼い主の為の企画なんでしょうが、
”片手にグリューワイン、もう一方の片手は犬を撫でながら”なんていうのは、やっぱり嬉しい。
それに、入場料の1,8ユーロは、経済的に犬を飼い続けることが困難な人達に寄付されるというのも
良い仕法だなーと。
どんな様子なのかは、こちらから、Galerie に進むと写真が見られます。
http://hundeweihnachtsmarkt.berlin/
で、うちの今年のクリスマスプレゼント。
犬ベッド。 寝床とは別に、居間で寛ぐ時用です。
どのみち、場所交換するのが好きな二匹なので、同じサイズを二つ購入。
もちろん周りからかなり批判が挙がりましたが、私は躾の為に購入した!と、反論。
家の中でも、犬を定位置に送り返す、定位置に留めておく訓練って大切じゃない。物は言い様です。
それに去年はこの犬橇用ハーネスセットをあなたが買ったじゃない!高かったぞ。
いや、あれはプロ用で品質が保証された品物なんだ!そんな安物のベッドとは違う。
なんのこっちゃ、たぶん端から見れば、どっちもどっちのバカな会話。
そんなことはどうでもいい、という犬 |
まんまとペット産業のクリスマス商戦にハマるアカ家であります。
Saturday, 20 December 2014
ドイツ釣り試験 実技編
ブログの機能をイマイチ理解していない私。
たくさんの方が、ドイツの釣り試験について検索し、こちらに来ていただいていることを始めて知り、
今更ながら、2年近く下書きに残したままだったこの記事をアップしたいと思います。
*あくまでも、私が受けた実技試験の内容なので、他の州や他の協会では、少し異なるかと思います。
さて、実技試験といえば、実際に魚を釣ってみせるのではないかと、私も思っていました。
何匹釣れたら合格、とか。
もちろんそんなことはなく、実技というよりも、勉強した内容の口頭試験と言ったほうが良いかもしれません。
まず、3名ずつ、室内に呼ばれます。
室内には、釣り道具がずらっと並べられており、試験管のおじさんが笑顔でお出迎え。
釣り道具は、竿、リール、糸、鈎、オモリ、ウキ、などがそれぞれ別々に並べられている。
最初に誰から始めるかを決め(レディファーストで私は一番)、
どんな魚をどんな方法で釣りたいかを聞かれます。
私はもちろん、ルアーでパーチを釣ることを選択。
竿から順番にどの道具を使うかを、指差しで答えていきます。
釣り経験者であれば、何のことはない、容易い質問なんですが、あくまでも釣りをしたことのない人の為の試験ですので、、。それと、並べられている道具が古すぎて、よく見ないと分からないという落とし穴もあります。もちろん、ベイトリールはありませんでした。。
経験者の私は、さっさと選んでいき、私なら使わないな、というような古い変なルアーも仕方なく選択し、ワイヤーリーダーを選んだ時にストップが、
なぜ、パーチを釣るのにワイヤーリーダーが必要なのか?と。
はい、もしかしたら、パイクが掛かるかもしれないからです。
正解!
という感じでポイントがどんどん加算されていきます。
私の次は、ドイツ語が片言なおっちゃん。
誰も理解できなかったけど、とにかく海でデカい魚を釣りたい感じ。
投げ釣り用の一番大きな竿、一番太い糸、一番大きなオモリ、、、を次々に選んでいました。
そうなんです、道具を指で差していくだけなので、言葉はあまり必要ない。経験者であれば。
それでも、うんちくがあるらしく、置いてある道具にケチをつけてました。
そして次は、中学生の男の子。
この子、授業の時からあまりやる気がなく、ちょっと問題視されてたんだなー。
で、選んだのは、フライフィッシング。
あちゃー、恰好つけたいだけやん。。。
案の定、竿ぐらいは分かったものの、糸の種類でアウト。
最後の情けで、なぜフライフィッシングでは糸が重いのか?と、質問されていましたが、それにも答えられず。
一応、私たち(前記のおっちゃんと私)大人なので、3番目になった男の子に一番簡単な
”鮒釣り”を残しておいてあげたつもりだったんですけどね、思春期は分かりません。。
全員が終わった所で、集まって、簡単な質問を3ー4つ。全て、筆記試験の内容からの出題で、筆記試験の問題よりも、分かりやすく質問してくれます。
例えば、
常に携帯しなければならない、釣り5つ道具。
+ナイフ
+定規
+鈎をとるための道具(写真、黄色の棒状のものか、プライヤー)
+小型金槌(写真、黒い持ち手のもの)
+網(写真にはありませんが)
この質問に合わせて、なぜこれが必要なのか?または、
魚が釣れた場合、この道具を使ってどのように対処するべきか?と。
ドイツでは、釣った魚は必ず見分ける必要があり(そんなに多くの種類がある訳ではないので)
規程サイズを越えていない場合や、保護されている魚は、水に返さなければならない。
その際は、まず手を水で濡らしてから魚を掴み、鈎を取る。手袋や布で淡水魚を触ってしまうと、
体の表面にある粘液を剥がしてしまうことになります。
また、魚の締め方にも規則があり、まず、金槌のようなもので(単なる木でもよい)頭を叩いて全身を麻痺させた上で、心臓を一突きすることが決められています。(なので、授業でも、魚の種類、魚の解剖学、をしっかりやります。魚好きなら、楽しい分野ですけどね。)
ちなみに、バケツなどで釣った魚を生きたまま保管しておくのは、禁止。
網の常備も、魚をなるべく傷つけないように引き上げるために、義務となっています。
とにかく、魚にストレスを与えないことが原則の釣り規則!
さて、なんとも凸凹3人組の私達。3人集まっての質問は、殆ど私が答えていた気がします。
後で、試験管の人が関係者に、あの日本人の子、なんでも知ってるよー、と感心されていたとか。
日本人の名誉を保っておきました。 ものすごく、ちっちゃいとこですけど。
国家試験とはいえ、和気あいあいとした雰囲気が心地よかった釣り試験。
結局のところ、協会の方々も釣りをする人が増えてくれることを第一に考えてくれているので、
余程のミス(上記のやる気なしの男の子のような態度)をおかさない限りは、実技試験で落とされることはないようです。
これを読んで釣り試験に臨まれる方がいましたら、光栄です。
Thursday, 18 December 2014
日本アニメ ”おおかみこどもの雨と雪”
私の趣味の一つは、オオカミの生態ドキュメンタリーを観ることで、
先日もそんな映像探しの旅に出ていた時、この映画に出会いました。
そんなのみんな知ってるよ、というくらい有名なんだと思いますが、アニメに疎い私は初めて知りまして、感動、ドイツ人にシェアしまくってしまいました。
こちら、arte(ドイツ、フランスの共同放送局)のサイトで5日間限定で鑑賞出来ます。
(残念ながら、ドイツ語吹き替え。でも、なかなかうまくいってたような。)
http://www.arte.tv/guide/de/051454-000/ame-yuki-die-wolfskinder
母親、育児、野生動物と人間の関係、都会と田舎、それぞれの厳しさ、などなど、様々なテーマがぎっしり詰まっているのに、さらっとした旋律に乗ってストーリーが進みます。
子育て中の方、犬飼いの方、子供時代を振り返りたい方、みんなに観てもらいたい映画です。
さて、先日も書いたオオカミがこの近くにもやって来たという話題で、気になる村人達の反応。
この映画のワンシーンでもありましたが、おおかみ子供の男の子が、絵本を読んで
”なぜいつもオオカミは、悪者なの?”と、ポロポロ涙を流す場面がありました。
そう、少し前の地元新聞の読者質問でも、
子供に危険はないのか?とか、オオカミは赤ちゃんを奪うのでは?とか、、、
学校は送り迎え、友達と家の中でゲーム遊びをしてる子供が、いつオオカミに襲われるのか?
ベビーカーに乗っているか、車に乗っている赤ちゃんをわざわざ奪いに来るのか?
うーん、オオカミがいなくなって、数十年しか経っていないのに、人間って忘れやすい生き物だ。
以前知り合った犬飼いさんは、昔、犬を助けようとして、オオカミに襲われたことがあり、耳と指に未だに深い傷跡が残っている。その方に、”やっぱり恐怖は感じる”と語られると、納得するのだけれど、
こうやって、乏しい知識(絵本のイメージ?)だけで、恐怖心のみを煽るのは嫌だなぁ。
私がこの映画で汲み取ったひとつ。
人間も動物も、それぞれ個性があって、だから共存は難しい、だから共存は楽しい。
みんなちがってみんないい
金子みすずさんの言葉を思い出したのでした。
Sunday, 14 December 2014
犬と歩く、(怒られないための?)自然公園
ドイツには、ナトュアシュッツゲビート(Naturschutzgebiet) というドイツらしい長い名前の自然保護地帯があります。
意外とポツポツと点在しているので、散歩に出掛けて思い掛けず出会うことも。
殆どの自然公園の入り口には、看板が立っているのですが、途中から森に入ってしまうと、どこからどこまでが保護地帯に指定されているのか分からないことも多いです。
田舎の散歩初心者だった私には、森の見た目だけでは分からないし、前回に書いたように、ハンターのおじさんに怒られたり注意されたりすることもちょくちょくあったので、どうしても新たな散歩コースを探すのが億劫になってしまったり。
自然の中に暮らすのに、なんとも窮屈だなと思うこともありました。
( 田舎暮らしは裸足でどこまでも犬と走って行ける”という妄想を持っていた私が悪いんですがね。)
北ドイツの自然公園と言えば、湿地帯。 |
冬でも緑のエリカ(Erica) |
しかし、規則なんて難しいことはなく、保護地帯ではリードを着用、道があれば、道の上のみを歩くことくらい。
どこが自然公園か分からない新しい所へ行くときは、リードを付ければよい、というだけのこと。
リード着用は、野生動物を守るというだけでなく、自分の犬を守るためでもあります。
薮の中に隠れているイノシシを驚かせたら命に関わる怪我を負わせてしまう可能性もあるし、
最近のニュースでは、この辺にもオオカミが帰ってきたらしいです。(近年までは、ドイツのオオカミはほぼ絶滅に近い状態でした。日本オオカミはもういないですけどね…)
なので、散歩中も常に観察!
木も殆ど育たない湿地帯は、こんな風景が永遠と続く。
手前に見えるは、キツネではなくマイ。
オオカミには出会えなかったけど、鶴の群れがお食事中でした。
というわけで、犬にとっては、知らない匂いがいっぱいの中をみんなで固まって歩く、緊張感のある
散歩となりました。
緊張を解すために、”普通”の森に。
木の上に登って、その上にある木を齧るという遊びに熱中するアカ。
一匹が登ったら、もう一匹も。
この方は、登る=見張り台。
Thursday, 11 December 2014
怒られたら…
まぁ、この歳になって、怒られるということはさすがに無くなってきましたが、
ドイツでは、気軽に他人にも注意を促したり、行き過ぎて怒る人も多いです。
自転車のマナーに関しては、私もよく怒られていました。
日本の感覚で、チャリチャリと天真爛漫に街を滑走していましたから。
右側通行とか左側通行なんて、車だけの話だと思っていましたから。
ボケー、死にたいのかー!なんて、怒鳴られることも。
(今思えば、この方は正しかった。自殺行為です。)
電灯だと思って(思うか?)自転車を繋いだ鉄の棒が、パーキングメーターで、
ちょうど車から降りてきたおばちゃんに、頭ごなしに怒られたこともある。
ちょっと、ヒステリックなご婦人だったので、さっさと謝ってその場を去ろうとしていたら、
親切なおじさんが、そんなに怒らなくても、、謝っているんだから、、と、油に火を注いでくれて、
おばさま炎上。
その後は、おばさんとおじさんの間に立って、言い争いを見守る羽目に。
最後には、あなたのせいで恥をかいたと。いや、きっかけは私だが、恥をかいたのは私のせいではない。
ある時は、自転車道で追い抜かれるときに、
右か左、どちらかを一定に走っていただけますと、こちらと致しましては、追い越しが可能になりますので、有難いのですが。
と、超早口の丁寧語で唱えていかれた方もおられました。
ドイツ語初級者だった私は、5分後くらいにやっと意味を理解したんですが、、、。
でも、一年も過ぎると、自分が怒る側になっているものです。
後ろも確認せずにドアを開けようとする車に、気を付けろ!と、言ってみたり、
自転車道を歩いている歩行者に、チリンチリン攻撃してみたり。
人は変わるものです。
ちょっと前に、犬の散歩に出掛けた時のこと。一人のハンターに出会い、唐突に
この時間の散歩は避けて欲しい、もう少し早めの時間帯に散歩に行け、と。
うちの家の回りを何時散歩に行こうが、ワシの勝手じゃという精神の私は、たぶん思いっきり睨んでいたと思います。
あ、こいつ降参しない、と思ったのか、
私たちハンターは、動物の生体数をなんだかかんだか、、、野生動物の交通事故が増えている現在において、動物の管理がなんとかかんとか、、、と、決まり文句を唱え始めたので、
イノシシという言葉が出た瞬間に、
ここ、イノシシなんていないでしょ!と突っ込んでみました。
なんでこいつ、俺の猟場の生体数を知ってんだ?という目で、口ごもってしまい、様子を伺うように
あの、どちらにお住まいですか?と、聞いてきた。
あそこだけど。と、家を指差す。
ああ、OOさん家の!話は伺っていましたよー!(笑顔)
誰だこいつ、人格が変わってしまったのか。
いやぁ、これはこれは、じゃ、改めてはじめまして!(超笑顔)
と、私の方に足を一歩踏み出して、握手の手を私に突き出そうとした瞬間、
この↓犬が、ガウガウっと、今まで見たことのない剣幕で飛びかかりそうに。
この飼い主といい、この犬といい、、、チッと言って、去っていくハンターでした。
理不尽だと感じたことには、徹底して反発できるのも、ドイツ社会のいいとこ(?)なのです。
怒られた時の犬 |
ううー怒られたよー |
反省したかに見えた次の瞬間
お、トラクター! |
Monday, 8 December 2014
きのこ(ナラタケ)ーかんたん醤油漬け
今年も庭でたくさん採れたナラタケ。Gemeiner Hallimasch (Armillaria mellea)
日本では、一般的に食べられているキノコのようですが、こちらの図鑑や専門書によると、注意マークの付いているキノコの一つです。
+人によってアレルギーが見られること(これは割りと多くのキノコがそうですが)。
+熱をしっかり通すこと。
+食べすぎないこと。
まぁ、常識的に考えれば、気を付けることが出来そうですが、ある人にこのキノコを見せたら、
へ?こんなに小さいのに面倒くさいの?意味なくない?
なんとも、がっつり食べたい人には物足らない感じらしい。
という訳で、私は念には念を入れよ、どんな料理に使う時でも、さっと下茹でします。
灰汁も結構取れるので、無難な方法なのかなと。
そしてこのナラタケ、茹でることによって身が引き締まるので、その後流水で、ゴミなどもゴシゴシ洗い流せます。
さて、今回試してみたレシピはこちらから。
その名もズバリ、”善さんのこれがキノコ料理だ”。 タイトルかっこよすぎるー
NYのブックオフで一目惚れ。古本探しの魅力って、出会いだとつくづく思う。
秋田の小さな出版社から、遥々海を渡ってアメリカ大陸へ、そして今、私の元にありますよー!
レシピはすごく簡単。
下茹でしたキノコを水切りして、醤油、みりん、酒を合わせた液に漬けるだけ。
冷蔵庫で2ー3日寝かせれば出来上がり。(みりん、酒がないので、ワインと砂糖で代用。)
今の時期からは新鮮なキノコが手に入りにくいので、市販の瓶詰キノコで代用出来ると思います。
食感がしっかりしたものがお勧め。
そんなに食べないだろうと、2瓶しか作らなかったのが、非常に残念。
あっという間になくなってしまった。
なめこおろし風。ツルツルっと。
蕎麦やうどんにはもちろん、春菊と和風パスタ。
単にご飯の上に乗せるのもいいし、漬けた出汁も色々と使えます。
無くなってしまってからは、寂しい毎日。
諦めきれずに、今日も森へ向かいます。
去年から気になっていた、この黄色いトゲトゲきのこ。
Goldfell-Schüppling (Pholiota aurivella)スギタケ属の仲間
ではなかろうか、と睨んでいます。
食べてしまおうか、食べてしまうのか。
早く決断しないと凍ってしまうー。
Thursday, 4 December 2014
ひとり+2匹暮らし
一人暮らし実況中継。
寝室に、
この方や、
この方が、来ています。
一人暮らしが怖いからじゃないですよ。
アカは経験済だけど、旅行などで、一部屋にみんなで一緒に眠る練習です! (言い訳ばればれ。。)
それにしても、マイの要求は手強かったな。この犬さん、寛ぎ場所にこだわりが強く、夏は自分で穴を掘ってヒンヤリを楽しむ、家の中ではドアの後ろの新聞紙入れの中に潜り込む、洗濯かごに入るのも好き、などなど、隅っことか穴蔵が大好き。
やっと、好きな位置を見つけて、二頭とも
夜中、
マットレスが沈むのも気にするように、そろっと誰かがベットに上がってくるのを感じる。(アカ)
その何秒か後に、バレーボールがベットの上をポンポンッと跳ねるような感覚。(マイ)
ゴソゴソゴソゴソ(背中を擦り付けている)、ハウハウハウ(二匹が戯れ合う)、グルルルルー(遊びの時の唸り)
Runter!!!! 降りなさい!!!
夜中に目が覚めると、なかなか眠れない、、、。
只今、朝、何時だ?目覚ましの鳴る前。
バタバタバタバタ、ガウガウガウガウ、
Lass das!!! 止めなさいー!!!
しょんぼり。
あーあ、もう寝ないだろうし、散歩に行こうか。
なので、少々寝不足です。
それに、このお転婆2頭だけではなく、
30個の水槽の世話もしなくてはならない。(店か!)
それに、急に寒くなったので(日中でマイナス5度)、家と仕事場の3つの暖炉をフル回転。
薪を運ぶだけで、半日使ってそう。
一人暮らしって、もっと優雅なものだと思っていました。好きな時間に好きなものを食べて、友達と超長電話とか、アレもしてコレもして、と思っていたのに、そんな時間ありません!
それに、この超田舎暮らし、毎回思うんですが、やっぱりちょっと怖いですね。
斜め向いにお婆ちゃんが一人住んでいるだけで、他のご近所には声も届かないような環境。
夜になると、空気銃の使い方くらい教えてもらうべきだったかな、なんて考えもよぎる。
二十年前の携帯電話がまだ普及してなかった時代の、そんな昔ではないお話。
ある若者が単独事故を起こしました。電話ボックスなどないし、この辺は夜になると車も通りません。
怪我の痛みに耐えながら歩いてやっと見つけた光。電話を借りようとドアを叩くと、銃を構えたおじさんが登場。その場で、腹這いを強いられたそうです。
その後、直ぐに事情は明らかになったそうですが、
散々な目にあったと。
でも、私なら、夜中に知らない若者がドアを叩いても開けないだろうな。
日本でも同じように、田舎の家は開けっ放し。
近所の人や親しい人は、裏口から入ってきて、家の真ん中で”おーい、誰か居るー?”と叫びます。
いつだったか、洗濯機を回していて、振り向くと、近所のお婆ちゃんが背後に立っていて、心臓が止まるかと思いました。
でも、一人の場合、やはり日中も鍵はかけておきたい。
すると、昨日なんて、近くに住むおばさんがやって来て、裏口のドアをガチャガチャして帰って行ってしまうではないか。鍵がかかっている=留守になってしまうらしい。(ピンポン鳴らそうよー。)
そんな風に、いつもビクビクしてたのですが、
今回は、犬が2頭になったせいか、水槽が増えたせいか、肝が据わってきたのか、
忙しすぎて、怖さも吹っ飛びました。
ま、何かあっても、犬君たちが守ってくれるだろう。
くれるよね???
Monday, 1 December 2014
ベジな猟犬、デビューの日
北ドイツの11月はしっとり湿った暗い冬の始まり。
服装を選ばないと、外からマイナス温度の湿気がじわじわと侵入してくる。
一日中霧に包まれ、日も一番短いこの暗い時期、特に11月が一番嫌いだと言うドイツ人は多い。
12月はクリスマス休暇に向けて、なんとなく華やかな気分になるんだろう。
そう言われてみれば、ドイツに来たばかりの頃、落ち込み度が高かったのは、11月だったような。
私自身から発生したものか、回りの人間に伝染されたかは今となっては謎。
その”ノーヴェンバーブルー”とやらを知ってからは、意識的に落ち込まないように心がけるせいか、
乗り越えやすくなってきた気がする。
そして、今日、ノーヴェンバーとオサラバ! みなさん、おめでとう!
さて、前回はマイのトレーニング内容だったので、今回はアカ姉さん。
先日、初めての猟に参加させていただきました!
いつ見ても、この尻尾、アンテナの様に見える。 |
近所の猟地だったので、用もないのに車でウロウロしていた私。
遠くの方で、オレンジ色のジャケットを着たハンター達を眺めては、頑張れよーアカーと心の中で声援を送っていました。
さて、帰ってきても、いつもと変わらない様子のアカを横目に、質問攻めしてみましたが、
まぁ、初めてだからそんなもんなんじゃない。
なんとも素っ気ない返事。そんなもんってどんなもんなのか?
まずアカがした事は、
同僚の犬さん達に、遊ぼう攻撃。
もちろん、先輩犬たちは仕事モードに入っているので、完全に無視されたそう。
これは、機嫌が良い犬を育ててしまったせいか、猟犬学校でも問題でした。
遊び友達を見つけるのが上手なのは、良い事だけど、 授業中にも遊びたがる。
でも、人間でも学校に行って、まず親しい友達と軽くおしゃべりするのは普通ですよね。
学校に着いて、直ぐに椅子に座って授業を受けるなんて、私も出来なかったな。
そこで、飼い主さんにお願いして、早めに学校に来てもらい、数分でも遊んでもらうことにしました。
すると、毎週遊びが短くなっていき、最終的には鼻をすり合わせただけで満足するように。
あ、そうか!犬にだって、徐々に仲間として受け入れるべきかどうか探る、ある程度の期間が必要なんだ。犬には直ぐに嗅ぎ分ける能力があると過信していたな。と思ったものでした。
うちの二匹も日によって互いに働きかける行動パターンが変わるし、関係も変化していっている。
とはいえ、働く犬はそんな事は言ってられないらしい。
うーん、これは習うより慣れよ、なのか、、、
散歩中にも探してポイントする訓練を。
この後、アカが興奮して見つけて運んできたものは、、、大根でした。
夏はとうもろこし、秋はジャガイモに人参、冬は大根を獲ってきてくれる犬です。
猟犬がベジタリアンで、チビが肉食、何か間違ってますかね、ウチ。。
この目は Leckerli オヤツだな。
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