Wednesday, 21 May 2014

アカ*マイのー子鹿を救出せよ!ー









広大な穀物畑。これもドイツの一風景ですね。



ところが、田舎暮らしで気になっていたのが、

今の時期、まだ熟していないのに刈り取られてしまうこと。


すべてバイオガスに使われるそうです。


近年増えているトウモロコシ畑もそのせいですね。

とにかく、収穫量さえ確保すれば良いという農業体制で、環境への見返りなど気にせず、

ばんばん農薬を使って、肥料をつぎ込んで大量生産するやり方に、もともと環境を守るための

代替エネルギーとして登場したこのバイオガスの意味がないんじゃないかと単純に思うのは

私だけではないはずです。


そして、新たに出てきた問題。

この穀物畑をこんなに早い段階で収穫してしまうことで、子育て中の動物たちが被害を受けてしまう。




麦穂の間で子育てをしている鹿や兎にとって、急に刈り取り作業が始まることが、どれほど危険を及ぼすか。

危険を感じた母鹿が一時避難のために寝床を離れると、子鹿は母鹿が帰ってくるのをじっと待っている性質があるそうです。(野うさぎも同じ)

自然界ならば、子鹿は殆ど匂いがないので、敵に見つかる可能性は少ないのですが、

巨大コンバイン(刈り取り機)がその上を通ったら、生き残れる可能性はゼロ。





そこで、駆り出されたのが、犬の臭覚。

村のハンター仲間が集い、刈り取られてしまう前の畑をくまなく探し回り、子鹿が見つかったら、
畑の側にある薮にそっと放置して、母親が帰ってくるのを待つという方法。


初めはアカだけが参加する予定だったんですが、マイも参加することに!

というのも、観察していると、マイの臭覚の良さには目を見張るものがありまして、

雨の降った後でも、確実に痕跡を辿るんですよね。(だいたい近所の猫が通ったところ。。)




散歩中も野鼠の穴を見つけては、お楽しみを。


結局、その日は子鹿は見つからず、マイは必死に野鼠の穴を探していたらしいですが、

何事も経験、次回はもっとうまく出来るでしょう。





お疲れさん!








8 comments:

  1. 穀物畑。この辺にもわっさわさありますが、農薬の事は知っていても
    その中で子育てをしてる動物がいただなんて、知りませんでした。

    犬が小鹿を救う作業をするなんて、心温まる話ですね。
    猟犬の血を引く犬だからできるんですか??
    それとも動物同士の感というやつなのかなー。

    あと今なんとなく、麦穂の間に放たれる犬を見て、合鴨農法の光景が
    目に浮かびました。
    機械の代わりに動物ができることって、たくさんありますね。
    いや逆か、昔は動物がやってたことを今は機械がやってるだけですね。

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    1. いえいえ、猟犬じゃないと出来ないことはないと思いますよ。
      鼻さえ良ければ、あと、獲物にアタックしないければ!(←これも、紐でコントロールすればいいだけの話なので、村中の犬を集めて作業するところを想像すると、楽しくなります。)

      春は鹿や兎だけじゃなく、鳥も子育て期間なので、森とか自然があるところは、
      犬の散歩中も繋ぐことが義務付けられていたりするんです。
      それなのに、機械でざくざく切り倒していくのは許されているのはなんだかなぁと。

      あ、本人たち(犬)は、まったく救出しようなんて思ってないですよ。
      楽しくってしょうがない作業をしている感じ!

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  2. 写真を拝見するだけで、アカ*マイコンビの様子が伝わってきます。見た感じですが、二頭の間ではやはりアカ姫が格上なのでしょうかね?

    生体が隠れていないか、収穫予定の畑をセンサー内蔵のカメラでもってチェックしている様子をテレビで見たことがありますが、そうか、そんな背景があるのですね。

    身近でバイオエネルギー向け穀物が栽培されているとは考えたことがありませんでした。うちの周りの畑もそうなのかしら。何か、そういうのを見分ける方法などご存知ですか?

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    1. そうやって、カメラチェックをしているところもあれば、予算削減で続行しているところも多いですね。
      見分ける方法は私もわかりませんが、早い時期に(緑のうちに)刈り取られる穀物は分かりやすい例でしょうか。
      トウモロコシは、餌用かバイオ用か分かり辛いですね。どちらにしろ、栄養がたっぷり必要な植物で、Gülle (有機肥料)がたっぷり掛かっているイメージがあり、あまり気分が良くないです。。

      アカは出しゃばり気質なので、一見自分の意見を通そうとするのですが、
      この小さなマイ、なかなか手強いですよー。街角で覚えた全てのトリックで対応するし、
      あの大きな声では言えませんが、インテリジェンスの面で勝っているのもマイですね。。。

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  3. CO2の関係とはいえ、食い物をバイオエタノールにするのは抵抗有りますね。
    こっちでもある木から成る身を使う計画がありましたが、
    全然進んでませんな。

    日本に置いては逆に鹿が作物荒らすので、実家の周りの畑は電気策で囲まれています。
    なんか、そちらはのんびりしてていいなあ~

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    1. あ、もちろん、苺とか高価なものの回りには柵で囲まれていますよ。
      (人間も入れないという利点もあるのだろう。。つい手が伸びてしまいそうですもん。)

      ドイツは一見自然がいっぱいに見えますが、猪も熊も狼もいなくなってしまった自然破壊がかなり進んだ土地です。日本のように、人の手が入らない山地がないせいか、野生動物の生き残りはかなり厳しいですね。

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    2. 犬達のこういう活動があるとは知りませんでした。
      甥っ子(ドイツ)がハンターで鹿も射止めますが、小鹿や小鹿を伴う母鹿は撃たない決まりがあるそうですね。
      弱肉強食の世界ですが、母鹿を待つ小鹿がコンバインで死ぬのは無惨です。
      アカ&マイ コンビのこれからの活躍が楽しみですね。

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    3. 返信が遅れてすみません!
      動物を守って、またその動物を食すという行為に矛盾を持つ人も
      多いと思いますが、
      環境破壊や交通事故で無駄に死んでいくことほど、悲しい現実はありません。
      特に、先が分かっているにもかかわらず、続行していることが信じられないです。
      このコンビ、これからどうなっていくのか、、なかなか手強いコンビですが、
      徐々に私たちの生活に馴染んでもらおうと思います。

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