Friday 3 March 2017

ドイツの軍用犬とハンドラー  










Flickr - DVIDSHUB - M Company, 42 Commando leads Operation Zamrod Olai, reveals signs of progress in Helmand District (Image 1 of 5)



前回の記事に出てきた元軍人Mさんを通して、今までまったく関わりのなかった世界をちょっと覗くことが出来ました。実際に元ミリタリーワーキングドッグとも知り合いになれたんですよ!


少し前までのワーキングドッグは、人間の為に”働かされている”というイメージがあったような気がします。

それは、飼育下の状況で、トレーニング以外は犬だけのゲレンデで暮らし、檻の中で寝るといった犬の生活環境に疑問を持つ声が多かったのではないかと。

それが近年になって、犬という社会性のある動物の権利を主張する声が高まるにつれ、そういった状況が改良されてきました。

まだ全てではないようですが、ドイツの殆どの警察犬や軍用犬には特定のハンドラーが付き、その人のもとで家族の一員として飼われています。



 今回出会ったLちゃんも、任務の期間以外は、彼の家族の元で暮らし、引退した現在も普通の家庭犬として彼の元に引き取られました。

意外だったのは、Lちゃんは、ラブラドール、シェパード、ピットブルの雑種犬だということ。

国家のお仕事をする犬は、決まったブリーダーから犬を選択するのだと思っていたのですが、そうではなく、全国の子犬情報を集めて、良さそうな犬がいたら出向いて、実際にテストをして決めるそうです。

なので、純血種にはまったく拘らず、子犬を見極める専門家のお眼鏡に適った犬のみが、次へのステップを踏めるそう。


ここでMさんの裏話ですが、
強そうな犬(!?)のブリーダーが多いドイツでは、他国の軍隊や警察組織が犬を求めてやって来るそうで、ある国の軍隊は、一つのブリーダーの元で生まれた子犬全部を買い占めてしまうのだとか。

いくら同じ親とはいえ、兄弟でも性格の差が激しいのに、軍用犬になれなかったらどうするんだろう?という疑問が浮かんでしまう。



オフィシャルな犬さんなので、写真公開は控えましたが、ネットでよく似た犬を見つけました。


さて、インターン中ということで、Mさんとは短いお付き合いだったのですが、
たくさんいろんなことを学んだ気持ちでいっぱいです。

何を学んだのか?と、今考えてみても、これといって言葉に出来ない。

一緒に犬と遊んだり、散歩したり、とにかく楽しかったとしか言えないんです。

特別なトレーニング法を教えたり、犬の専門知識を解いたりといったことは一切しないMさん。

でも、うちの犬とデモンストレーションをしてくれることで、「あーそういう風にすればいいのか。」「なるほど、そうすれば犬は興味を持ってくれるのか。」という感覚的なものを教えてもらった気がします。

なかなかドッグトレーナーの下では学べなかったことが多かった。
 

例えるなら、学校の先生は、人を教えるー教育する専門家ではあるけれど、その科目の専門家ではないというのに似ているのかもしれない。

巷のドッグトレーナーは飼い主に教えるのが主な仕事であって、毎日犬と一緒に仕事をしている人はそうそういないということかな。






そんなこんなの楽しい時期が過ぎ、変化が現れたのは人間です。

一つの事にハマりやすい相方、夜な夜な真剣に何を調べているんだろう?と気になっていたんですが、ちらっとタブレットの画面を見て、エッ!

軍隊に入隊する為の要項


今さら職業転換ですか、、
それに、ドイツでは近年まで徴兵制があり、軍事活動に参加したくない人は、代替義務として国の施設での社会貢献活動を選択することが出来たのです。相方は正しく代替義務を選んだ人。

ハンドラーになりたいのは分かるけどさー

軍隊って、私の少ないイメージ=愛と青春の旅立ちとか?古いぞーリチャードギアが若いぞー
怒鳴られながら水をかけられて腕立てしたりしなきゃならないんだよー

とか、バカなことを話していましたが、

ハンドラーとしての訓練を受ける部隊に入隊するには、大卒どころか大学入学資格を持っている人はダメみたいです。そうなると、一気に階級が上がってしまうそうです。


はい、一夜の夢と終わりました。








マイと遊ぶのに専念しましょ!








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2 comments:

  1. akaさん、乙女の恋なのかなぁ~とニタニタ読んでたら、オチに爆笑してしまいました!!座布団100枚!家族みんなが惚れたって素敵な人なんでしょうね~。

    彼のパートナー、もしかしたら、ジェイクにシェパードたしたようなかんじなのかなぁと思いました。シェパード入るだけで大分賢さに差が出そうだけど。

    今は、探知犬は需要に追いつかないぐらい必要みたいです。犬に変わる技術ってそうそうできないんでしょうね。適正がなかった犬は一般にもアダプションされるみたいで、里親の募集みたことあります。どの時点でトレーニングをやめるかわからないから、アダプションされれるときの年齢は分からないってなってました。

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    1. そうそう、家族みんなで惚れてしまった(笑)
      軍隊の世界って、こちらは懲役制度があったこともあって、色々と話は聞くのですが、辛くて過酷なお話ばかりで、、、でも今回の彼は、カラッとしていて楽しかった話ばかりしてくれる人でした。犬と出会いがあったからかなぁとも思います。

      そう言えば、ジェイクくんに似てたかも。オールドシェパードとジェイクくんの間をとった感じ?体はもうちょっと大きくて、耳は片一方が立っています。賢さというか、シェパのきりっきりっとした見張りの動きは特徴的ですね。

      彼の話だと、よくあるのが、人を噛めない犬。そんな犬は訓練しても無理なので、外されるそうです。ということは、家庭犬としてはぴったりですよね。私はまだ里親募集を見たことがないですが、見たら飛びついてしまうかも!

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