Tuesday, 12 February 2013
別れの季節
もう先々週のことになりますが、近所に住むおばあさんが亡くなりました。
この冬に入って永眠された知り合いが二人になり、厳しい冬の長さを感じています。
このおばあちゃんは、うちの畑にもよく遊びに来てくれた方で、いつも気さくに声を掛け合っていた仲
でした。 ご姉妹で住んで居られて、どちらも80歳を過ぎていましたが、いつも溌剌としておられ、
こんな老後の過ごし方もあるんだなぁと二人姉妹の私はほのぼのと拝見していたんです。
ケーキ名人の妹さん、昼ご飯はお姉様が担当。花壇と芝生は妹さん、野菜作りはお姉さん、と
役割分担がきっちりしていて、何か質問したい時もこの質問ならお姉さん、これは妹さん、とこちらも
誰に教えられたわけでもないのに自然に役割分担を覚えてしまいました。
それに、このお二人は薪で調理されていたので、お昼前になると煙突から煙が上がり、
ああそろそろお昼時だなと思ったり、朝もいつも同じ時間に雨戸が上がり、朝夕の姉妹の散歩も
よっぽど悪天候ではないかぎり同じ時間帯だったので、ああもう散歩の時間かと私の生活リズムに
なっていたんです。
亡くなられた次の日はどうしても一日家を空けなければならなかったので、ご自宅に弔問することが
出来ず、後日墓地の一角にある安置所の鍵を借りてお別れをさせてもらいました。
死者に対する反応は人それぞれですが、私はどうしても個人的にお別れを言いたかったのです。
付いてきてくれたおじさんがぽつり ”よくやり遂げたね、おばあちゃん。ごくろうさん!” と言ったの
が、どんな言葉よりも胸に響きました。私の祖母もそうですが、戦中戦後を生き抜いてこられた方々に
私なんかが見習いたいなんて言うのもおこがましいですが、決して楽ではなかった人生なのに、
いつも笑顔でユーモアを忘れない精神を少しでも勉強していきたいと思いました。
何日か後に葬儀が行われました。この辺は”一番目の隣人”という習慣があり、一番近いところの
ご近所さんが葬儀を執りおこないます。 といっても、今は葬儀屋さんが全て取り仕切るのは
日本もドイツも同じですね。昔は棺の装飾を女性達が、男性達は棺を担いで教会まで歩いていた
そうです。
私も数少ないお手伝いー葬儀の後のコーヒータイムの準備をしてきましたが、参列されていた
村の住人を改めて一度に見て、ちょっとびっくりしてしまいました。 半分以上が白髪のおばあ様方。
ここは村というより集落と言ったほうがいい所なのだけれど、こうやって一つずつ村が無くなっていく
姿を見ているようで、なんとも寂しい感慨に耽ってしまいました。
いえ、ポジティブに!私の今年の目標は、お一人になられた妹さんからケーキの焼き方を習うこと。
そんなことしたことないくせにって? まぁおばあちゃんに鍛えてもらいますわ。
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寂しい限りですね。
ReplyDelete私も、今からの10年は、日本でもドイツでも色々なお別れを経験しなければならないだろうなという覚悟があります。
ケーキ作りを習うの、いい考えだと思います。おばあちゃんもきっと嬉しいと思いますよ!
(私も義母のケーキ&料理を習っておけ、と周りからプレッシャーかけられてます・・・)
私はもうお別れを十分したと思っていたのに、
Deleteここの地域で次々に経験しなければならないのはちょっときついですね。
近くに住んでいる別のおばあちゃんが2日連続で訪ねてきたのですが、
もしかして私、期待されてる?私の時も宜しくね、みたいな??
ケーキは簡単なものから始めたいと思います。
味比べされるプレッシャーから逃れるため、”日本ではおいしいケーキは
買うものなのです。”と言い回っています。