Friday, 22 February 2013

城に泊まれる有り難さ




ドイツでは城ホテルなどというものも人気があるそうですが、市や町関係の仕事をしたとき、

宿泊先として城や宮殿に泊めていただくことがよくあります。


と言っても、城ホテルではなく、空き部屋な感覚。



ある時は、門番の小屋(塔?)。

城のお掘に隣接する小さな建物の屋根裏に寝泊まりできる部屋があったり、

またある時は、宮殿の半地下部屋。

頭を屈めてするりと入らなければならないくらいの勝手口を通って部屋へ。

外見はどれも、いわゆる中世っぽい重厚な造りなのに、

中はいたってシンプル。



こんなベットがポンと置いてある部屋があって、これにバスルームと簡単なキッチンが付いている。


かと思えば、中も宮殿っぽいゲストルーム。





こちらはまだ伯爵様がお住まいの宮殿の一部だったのだけれど、迷路のような隠れ階段をくるくる

上がって辿り着いた。


ここを除いては、当たり前のことだけど夜になると建物内には誰もいない。いや、広大な敷地内にも

人っ子一人いない。

そんな中で眠りについたら、きっと不思議な夢とか更には希少な現象なんかも見るんだろうなと

毎回ドキドキするんですが、、、無いですな。 仕事に疲れて爆睡。

誰もいない敷地内を朝に散歩しようと毎晩眠りにつくけど、それも無理。できる限り眠りたい。

全然楽しめていないのが現状です。

とは言っても、ビジネスホテルに比べれば、自分たちで料理も出来るし、ポケットに入らない鉄の鍵を

渡されて自由に出入りできるし、何よりも招待されている感があって私は好きだ。

招く側にとっても、ホテル代や外食にかかる費用を出すよりも安価なのではないかな。


それでも初めはちょっと驚いた。

こんな見ず知らずの者をすんなり信用してしまうことに。


伯爵家では、大人数ということもあって、ちょっとお酒なんかも入って、ちょっとドタバタしてしまい

次の日にお世話役の人から ”昨日は随分と大きな鼠がでたわね。” という伯爵婦人の

エレガントなお叱りを受けてしまったのだけれど、それだけで後はなにもなく、なんとも大らかな

対応にこちらが萎縮してしまったくらい。

城にいたっては、上階部分は一般公開されている博物館だったりして、

”酔っ払って、ドアを間違えちゃだめよー。警報システムが作動しちゃうから。” なんて言われるだけ。


気の小さい日本人の横で、ドイツ人の同僚は至って普通。

靴を脱いで、床を痛めないようにする。出かけるときはコンセントを全て抜く。

タバコの吸殻は水に浸す。と、普段しないことを当たり前のように行い、この部屋まあまあだね、

なんて評価まで付けている。有り難い、なんて気持ちはあまり見られない。


もともとこういった公的な施設の維持は、市民の税金で賄われているから、それを利用するのは

当然の権利と考える所なのだろうか。

日本ではどうなのだろう? 姫路城とかに泊まれたらすごく嬉しいのに。



地下部屋からの眺め。

100年前の使用人も眺めたんだろうか。。



庭に車で通れる道路を建設中だって。。



でもね、難点なところは


玄関から公道まで遠すぎ。馬が必要。

しかも城の横にスーパーなんかないから、買出しが面倒くさい。というか、街の中心から離れている

ことが殆どだから、全てにおいて馬が必要。

疲れて帰ってきて、玄関まで遠いことほど辛いことはない。しかも、あの古いぼこぼこの石畳に躓く

こと多し。シャワーがなんでフランス語なん? 火傷するわ。

ピザを注文したら、ピンポンないから門まで取りにいかなきゃならんし、深夜タクシーに住所言ったら

はぁ?みたいな顔されるし。


ってね、私ももう有り難く思わなくなってきた。





2 comments:

  1. さすが重厚な造りのようですね。
    面白そう、いろんな歴史がバックにあるんでしょうね。
    知りたいような知りたくないような・・・
    せっかくならできた当時の内装にしてくれたらもっと気分が盛り上がる?
    庭がまた素敵です。
    日本でぱっとない宿坊に泊まったことがありますが
    外国人の友達はよろこんでましたね。
    私も姫路城ステイ、賛成です!

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    1. あっそうですね、日本人にとっては西洋の建物って
      神秘的に見えるけれど、こちらの人にとっては子供の頃から
      慣れ親しんだお寺みたいなものか。。
      内装はどこも噂のイケア家具オンパレードですよ^^
      安くてまとめて揃えるには便利なんでしょうね。
      建物の歴史背景は城に限らず気にしたくないところです。
      以前、一人暮らしのおばあさんが住んでいた家というのを
      あてがわれた時はそれ以上何も聞きませんでした、、、。

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